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異きのこる  作者: 紅天狗
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三百二十七日目

勇者(笑)の襲撃未遂のあと、教国主導にて人間たちは首脳会議を開いた。今までの情報を元に、俺の居るキノコの森が何らかの関連性があると判断した。なので三国が協力して原因調査および妖精喰らいの排除を試みるとの事。


なんなのこれ。もうやめて欲しいんだが。


あれから逃げたエルフは別の森の中にあるエルフの里へと帰郷。三人はどうやらお偉いさんたちだったご様子。部族会議みたいな事をする様で、ちらばっていた酋長っぽい人々が一点に向かって移動している。


ちなみに獣人族も居る。種族としては千差万別、しかし各個種族の個体数が少なすぎて人間の街に散らばっており、絶滅危機状態。しかもご丁寧に最下層民。可哀そうなので、ちょくちょくと獣人喰らいを使って拘束具を外すと言う嫌がらせをしてます。


なんか獣人の間では獣神の使徒とか噂されているらしいが。

教国などでも捕まっているエルフにも同様に処置している。こちらはエルフ喰らいと呼ばれるように。


そんな感じで自由になったエルフが里へ帰り、ついでに獣人たちもエルフたちに保護される、といった状況が毎日の様に続いている。人間達は日々減っていく最下層民をなんとかしようと隠したりするが、そうすると一網打尽で消失するのでどうしようも無い状況の様だ。


あ、教国の神殿に囚われて居た赤髪のカッコイイエルフ姉さんと、その妹らしい小さい子も逃がした。赤髪姉さんには最初ボッコボコに殴られたが、妹を捕えると途端におとなしくなって泣きだし、


『妹は助けてくれ!私の命ならばどうなっても!』


と言わんばかりの剣幕だったので、両方とも美味しく頂きました。両名の絶望の表情と言ったらもう笑うしかない。ゆっくりと飲み込まれつつ互いに手を伸ばす様は感動の一言だ。カメラが欲しい。


で、街の外へ「ペッ」と吐き捨ててやったら茫然としてたな。触手を森の方へ指してあげるとハっと気付いたように妹さんを片手に担ぎ、えらい速度で突っ走って行った。


まあそんな感じで人間達への嫌がらせを続けつつ動向を監視中。うーん高レベル冒険者を集めるつもりらしいが、どうも芳しくないらしい。色々と噂が流れててそれが痛手となっている様で。初回の討伐に失敗したと言うのが尾を引いているな。

ちょくちょく冒険者はキノコの森の外延部で活動しているが、オレンジ領域には絶対に入らない。


入り込むとキノコブラザーズの連携攻撃を受けるからなぁ。クサレ茸もアレだが、トリモチもかなり嫌がられる。

ぬったぬたになって土まみれ。しかも洗っても中々取れないと言う鬼畜仕様です。


しかし万単位の軍隊相手に戦うのは得策では無い気がする。流石に全滅させると魔王認定されそうだ。ふーむ。


まあいいか。基本方針は生きてお帰り頂く方針で。それでも来るならお亡くなりになって頂こう。ゴミはゴミ箱へ。

えっと、作戦としては落とし穴か。好きだな俺も。あとは滑り触手地獄とか。ああ、壁も作っておくか。10mほどの高さの。ヌルヌルにしといてあげよう。


キノコトラップ満載にしてやんよ!


と言うか平地に作る必要もないな。洞窟にしよう。ちょっと石を飾り付けていかにも悪魔が居ます的な入口。中は俺の触手・・・触手触手言ってたけど菌糸だったわ。

まあいい。触手によるトラップのオンパレードにしておこう。


触手を妖精喰らいに似せて作っておけば、ここが巣だと思い込んでくれるはずだ。よし、楽しくなって来た。


階層は深めに作って下層は死亡ありにするか。あとは上層は持ち物すべて頂く事にしよう。ふっふふ。不思議な洞穴仕様にしてやんよ!


と言う話をイリ達へしてみた。


『面白そうね、私たちも一緒に考えさせてもらっていいかしら?』


『マーラ様の安全をお守りするため全力を持って臨ませて頂きます!』


例に及ばず花妖精も悪戯好きらしい。案を練りつつ洞穴の整備を開始した。

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