№4 ディオラの日常~後編~
さんぽ。
それは皆の傷も癒えたある日の事。
「♪ふん~ふん~♪」
ポランは「勇者様のうた」を鼻歌まじりに口ずさみながら、康治と手をつなぎながら宮殿の庭を散歩していた。
久しくなかった二人きりの時間を満喫する。
「やあ、奇遇だな」
木の陰からシャロットが現れた。
「ボクもいるよ」
隣の木からはケイトが、
「奇遇ですわね、ダーリン」
芋づる式にエリザが、植木からひょっこり顔を出す。
「・・・・・・」
康治はポランを肩車し、左手はケイ、右手にシャロット・・・の手にはエリザで散歩を続ける。
皆、表情は嬉々としている。
ガッシャ―ン!
宮殿の窓が割れる音がして、すぐ聖剣デュランダルが飛んできた。
「主よ。我も散歩せり」
「(スペース)空いてないよ」
「ここがある」
聖剣は康治のズボンの中に入った。
「Ohっ!(股間が)当たってる」
「あっ、コォジィ様、みなさん」
ほどなくして、庭の手入れをしているメイヤとライヤに会った。
「・・・楽しそうですね」
「本当に」
「行こう」
シャロットはサムアップする。
「はい」
メイヤは笑顔で答える。
「行きますわよ」
姉と同じくエリザはライヤにサムアップする。
「はい、エリザ様」
「・・・・・・」
姉妹は左右に分かれ、康治のぷにぷにの両脇腹を持って散歩に加わる。
康治の嫁たちにとって、ご機嫌の散歩となる。
彼はいまいち不満で首を傾げる。
「あっ、コォジィ様」
「ずるいっ!」
野草を集めていたエスメラルダとアリエルがやってくる。
全力で駆けて来る。
康治は嫌な予感がした。
「もう、無理だって」
「とうっ!」
掛け声とともにエルフ母娘は飛んだ。
母が康治の頭に乗り、娘が母の頭に乗る。
絶妙なバランス。
「曲芸かよっ!」
康治は叫んだ。
上海雑技団。




