第九章 閑話休題的な、まったりとしたサイドストーリーにしたい №1 ポランは歌う勇者のうたを
聴けっ、ポランのうた。
第九章 閑話休題的な、まったりとしたサイドストーリーにしたい
№1 ポランは歌う勇者のうたを
あの激闘の死合いから3日が経った。
アーサー率いる円卓の騎士は去った。
康治をはじめ死合いを戦った皆は、ボロボロでコォジィの宮殿、各部屋で治療及び身体を休めている。
しかも結婚式は延期となった。
ディオラ王は予算の都合と皆に知らせたが、アーサーとの兼ね合いもあったのだ。
ポランは窓から注ぐ陽の光で目が覚めた。
寝ぼけ眼をこすり歩くと、窓を開け外の空気を目一杯に吸い込む。
大きく伸びをする。
多少、節々が痛むが、心地よい天気に心が弾む。
(そうだ。お庭でも散歩しよう)
まだ、朝の早い内、ポランはパジャマ姿のまま、外へ出た。
小鳥のさえずりを聞き、手入された庭を歩くのは楽しい。
ポランは噴水のある池の前で腰をおろした。
きょろきょろと辺りを見渡す、誰もいない。
すっと、朝の空気を吸い込み彼女は歌い始める。
「勇者様のうた」 作詞作曲ポラン=マロン
勇者様は強い(強い)
勇者様はカッコいい(カッコいい)
どんな時も(どんな時も)
笑顔忘れず(そうかな?)
私達の英雄
私の勇者様
だけど(だけど)
時々(ドキドキ)
ドジっ子
私もドジっ子
二人は(ふたりは~)
仲良しっ(そうだねっ)!
ポランはノリノリで、池の周りを踊りながら、自作の歌を熱唱していた。
二番目を歌おうとした時、
「・・・メロンたん?」
「きゃっ、勇者様っ!なんでっ!」
目撃された恥ずかしさで彼女は赤面してしまう。
「いや、一人で出て行ったから気になって・・・」
「もう、勇者様。これっ、秘密ですよ。二人のひ・み・つ」
「う、うん」
その後、ポランは恥ずかしいと言いつつ、フルで康治に自作の歌を聞かせる。
康治は決して上手くない彼女の歌を、温かい目で聴いていた。
そんな朝のお話。
まったりいこう。




