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異世界召喚されたら、そこは悪役令嬢のハレムだった。~勇者俺様!皆の者、ひざまずけ!チートな俺のハッピーライフ♡  作者: 山本大介
異世界召喚されたら、そこは悪役令嬢のハレムだった。~勇者俺様!皆の者、ひざまずけ!チートな俺のハッピーライフ♡
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№8 シャロットの戦い

 いけるか。

 

「エリザっ!」


 シャロットは観客席からコロシアムへと飛び降りる。


「シャロット!」


「姫様!」


 彼女の耳に康治、ポランの声は届かない。

 妹の元へ駆け寄る。

 しかしケイが道を塞ぎ仁王立ちしていた。


「そこをどけっ!」


「何故?次の死合いはボクとキミだろう・・・」


「エリザにっ!」


「・・・ああ、妹君か。今、救護班が担架で運んでいる。命には別条ないさ・・・多分」


「貴様っ!」


「ふふふ、いい瞳をしている君・・・壊したいねぇ。審判っ!」


 ケイは三叉槍を虎徹に向け、開始を促す。



「はっ、はい。それで・・・は・・・あ!」


 虎徹の口上も聞かず、「戦」旗の合図も無視して、シャロットはケイに攻撃をしかける。


「貴様っ!貴様っ!貴様っ!よくも妹をっ!スプレンディッド・ニードル(華麗なる針)!」


 ケイ目掛けてレイピアの連撃を放つ。


「感情的になっているのか?何故だ。分からん」


 攻撃のいくつかが、ケイの身体に命中するが意に返さない。


「妹をあんな目に合わされて、黙っている姉がどこにいる!」


「麗しき・・・姉妹愛ってヤツか、ふっ」


「何がおかしい」


「おかしいさっ」


 ケイは槍でレイピアの攻撃を受け止める。

 互いの剣技と槍技がぶつかり合う。

 互いの意地がぶつかり合う。

 剣と槍の斬撃。

 激しい衝撃と金属音が響く。


「恵まれた甘ちゃんのほざきだな」


「なっ!」


「私は女である故、蔑まれてきた。いつしか弟のようになりたい。褒められたいの一心

で女捨て、男になり騎士となった・・・ふふ、君の国は恵まれている。大事にされて、可愛がられて、愛されて、結婚式だあ!嬉しいのか!それがっ!」


 ケイは槍を振り上げ、シャロットの頭上に降ろす。

 シャロットはレイピアで攻撃を受け止め、鍔迫り合いとなる。


「アタシが恵まれているだと・・・」


「そうだ!その通りではないかっ!」


「ずっと籠の鳥だった私が、恵まれていると!」


「!」


 シャロットは両腕を押し込み、槍を押し返した。

 ケイは瞬間、バンザイの形となる。

 隙の出来た横腹に、必殺の一撃を入れる。


「Excellence of the best shots(優麗、最上の一撃)!」


「なっ・・・かっ・・・」


「私は、決して恵まれてはいない・・・まして自身を蔑ずむなど」


「・・・は・・・はは・・・ボクは痛みを耐えられるんだ・・・強いんだ」


「おーっと、これは、シャロット妃の必殺の一撃Excellence of the best shots(優麗、最上の一撃)!によって、ケイ卿のダメージが蓄積・・・限界を突破したのかっ!」


「ケイ卿・・・あなたは、エルザとアタシとの戦いにおいて、あまりにもダメージを受けすぎてしまった。頭が痛みを理解しなくても身体はもう・・・」


「ボクは・・・ボクは・・・まだやれる・・・やれる・・・ボクは・・・」


 ケイはふらつきながら歩き、シャロットの目の前で倒れた。


「ボクは・・・・・・・・・」


 ケイの目から光が消えた。



「勝者!ディオラの女王、シャロット!」


 虎徹の叫びで、コロシアムに大歓声があがる。

 シャロットはそれに答え、そっと手を上げた。


 たがいの思い。

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