№8 とらっぷとらっぷ
いや~チートって、すごいですね。
「今度こそっ、今度こそっ、がんばります!」
気絶していたアリエルは、意識が戻るなり先頭へ行こうとする。
「この冒険大好きっ、アリエの名に懸けて。行きますよ~」
メイヤは張り切るアリエルの手を引いて止める。
「ここは、コォジィ様に任せましょう」
「アリエだって、いいとこ見せたいんです」
「まぁまぁ」
ライヤはアリエルの左手を掴む。
ゴォ、ゴォ、ゴォ、洞窟内をぶつかりながら何かが転がる激しい音が近づいて来る。
「あ、巨大な丸岩が、こっちへ!」
アリエルは叫び指さす。
「どーん」
康治はそう言うと、軽く拳を突き出し、高速回転する巨大岩にあてる。
瞬間で岩は粉微塵に砕ける。
「ねっ」
姉妹は諭すように呟いた。
「・・・・・・」
康治は先へと進む。
「あっ」
彼が踏んだ足場の一部が凹み、トラップが発動される。
アリエルは危険を察知し、駆け寄ろうとするが、姉妹に両脇をおさえられて身動きがとれない。
「コォジィ様っ!」
「まあまあ」
無数の矢が飛び出し、康治の身体に剣山のように突き刺さる。
「うわあああっ、コォジィ様っ!」
アリエルが絶叫した刹那、康治の身体に刺さった矢は、ゴムのように弾かれた。
反転したその矢が3人娘の頭上をかすめていく。
「ひえっ!」
「お約束、ほら危ないから」
ライヤはそう言うと、姉妹はアリエルを引っ張って下がらせる。
その後も。
「あっ、頭上から天井が降りて来る!」
「ふん」
康治は天井に頭突きをかまし、破壊する。
「ええっ!横の岩壁が迫ってくるう!」
「よっ」
彼は迫る壁に両手を広げ止める。
瞬間にて壁は脆くも崩れ去る。
「・・・つまんね」
アリエルは白けた目で、思わず言ってしまった。
では、次回にサイナラ、サイナラっ。




