№6 奈落の底
まっさかさまに、おちて~。
「いや~結構、深いぃ~!」
「メイヤ、コォジィ様にしがみついている?」
「はい、背中にライドオンしています」
「私は・・・後頭部」
ライヤは、この真っ逆さまの落下スピードにもかかわらず、てへぺろした。
「コォジィ様、大丈夫かな」
「大丈夫!むて~き、だ~か~ら~・・・下腹がキュンとするっ」
ライヤはそう言うと、康治の赤髪をぐいっと強く握り締める。
「あ~!」
メイヤは一瞬だけ、サーファー気分で、康治の背の上で立ち、波乗りライドオンしたいと滑稽な妄想を思いった。
三人は深い闇へと落ちていく。
「ぐふっ!」
康治は呻き声をあげた。
凄まじい激突の音がし、彼の身体は地面にめり込んだ。
あまりの衝撃に二人は言葉をしばし失う。
やがて・・・。
「大丈夫メイヤ?」
姉が言葉を発する。
「はい、お姉様は?」
妹は返事をした。
「私も、なんともない」
「さすがは、コォジィ様、無敵のぽよよんボディ。なかなかの感触乗り心地でしたね」
「そうね」
「いって~!」
康治はうつぶせで地にめり込んだ顔をあげる。
「ご無事でコォジィ様」
「ここは?」
「アリエさんが落とし穴に落ちて、私たちも追って・・・いいえ、落ちてきました」
「そっか・・・ところで二人とも俺に乗っていたでしょ」
「それは・・・」
と、メイヤ。
「不可抗力ですわ」
と、ライヤ。
「へ~」
「あっ、コォジィ様、お姉様、奥に灯りが見えます。もしかして、アリエル様かも」
メイヤは話を逸らす様に、奥の光を指さす。
「行ってみましょう」
ライヤは頷く。
「う~ん、なんか、はぐらされたような」
3人は灯りの先へと向かう。
底が深いこの場所は、光を通さず真っ暗闇だった。
灯りがする所まで、康治を先頭にし、姉妹二人は彼の背中のぽよ肉を服越しにしっかりと掴み、恐る恐る進んでいく。
そしてっ!
ようやく灯りにたどり着いた一行が見たものとは!
次回、我々は見た!驚愕、地底に眠る最強UMA!(水スぺ探検隊シリーズ風)
隊長っ!隊員がっ!なんだとうっ!




