№4 旅の道中にて
三人娘の活躍。
ディオラ城を発った康治、ポラン、シャロット、エリザベートの一行は神域エルフの森を目指す。
馬を走らせること、数時間、四人は見晴らしのいい野原で休憩することにした。
「護衛はつかないのか?」
康治は四人だけの旅に、首を傾げた。
「コォジィがいる。それだけで十分・・・」
シャロットは、ぼそりと呟いた。
「そうです勇者様がいれば百人力っ」
ポランはにっこりと笑う。
「えらく過大評価されてるような」
「ダーリン、大丈夫。実は隠れて兵士がついてきてるよ」
エリザベートは、にべもなく言った。
「ま、そうだよな年頃の姫を野放しにはしないよな」
「ま、アタシ達はまがりなりとて一国の姫だからな・・・むっ!」
オーク(人食い鬼)の群れが、四人を取り囲んでいた。
「では、まずはアタクシがやっちゃいますか」
エリザベートは愛用の古い本を片手に持ち、オークの目の前に立つ。
「お、おい」
「大丈夫、エリザは強い」
エリザベートを止めようとする康治を、シャロットは制した。
「汝、風を斬る刃となりて、目の前の敵を討たんLame de vent(風の刃)」
エリザベートの詠唱が終わると、真空の風が巻き上がり、オーク達を次々と斬りつける。
「アタシの道を阻む者は、容赦なく切り捨てる。スプレンディッド・ニードル(華麗なる針)!」
シャロットの繰り出す、無数のレイピアの突きが、オークを倒す。
「私も・・・やります」
ポランはお祓い棒を握りしめ駆けだす。
「メロンたん!」
「見ててください、勇者様。魔滅、鬼滅(まめつ、きめつ)!」
素早い動きで、オーク達の間合いに入り込み、お祓い棒を一閃する。
お祓いを浴びたオーク達は消えゆく。
「・・・俺、いらなくね?」
三人により、オークの群れは掃倒された。
康治は呆れて呟く。
「シャロ姉様・・・ポラン」
エリザベートの表情は険しい。
「ええ、これは」
ポランは頷いた。
「この周到さ・・・何者かの仕業か」
シャロットは虚空を睨んだ。
康治、不要論勃発かっ(笑)。




