第三章エルフの女王エスメラルダとその娘アリエル №1 ディオラ王は命ず
三章に突入。
近々のある日、康治は王に呼び出しを受けた。
玉座の間に通された康治は、ディオラ王と対峙する。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
暫し長い沈黙の後、王は重い口を開いた。
「うおっほん、仮の息子康治よ。息災か」
(やはり、何度見てもブ男・・・我が娘はなんでこんな男と・・・)
「仮って・・・王様、苺・・・シャロットとの結婚は無しということで」
「それはいかん!」
「なんで?」
「いろいろとあるのだ。いろいろと国の問題が・・・」
「ふーん、いろいろと大変ですな」
「ああ、しかるに・・・だ。そなたを認める為にも我を信頼させてほしい」
「はぁ・・・別に」
「別にとは何だ。シャロットを泣かせる事は許さんぞ!」
「はあ」
「そこでだ!うおっほん!頼みがある。この国の北にある神域エルフの森で今、我らにとって由々しき事が起きておる」
「由々しき事?」
「我が国とエルフの民とは同盟関係にあるのだが、つい先だって一方的に同盟を放棄された」
「それって・・・」
「アーサーの策かもしれん。シャロットとの縁談の破棄で、この国は大国バーン王朝からいずれ狙われる・・・そして異変は起きておる、確たる証拠はないが・・・」
「ふーん」
「そこで、コォジィ、エルフの森の調査と、あわよくば同盟関係を元に戻してくれ」
「・・・えー嫌だよ。面倒くさい」
「父上!」
玉座の間の大理石の柱から、颯爽とシャルロットが現れた。
「アタシもコォジィと共にまいります」
「シャロット聞いておったのか」
「はーい、アタクシも」
エリザベートは両手をあげて振る。
「エリザまで」
「私も勇者様とともに」
ポランは決意をあらたに、拳を固め言う。
「まったく・・・お主たちは」
王の口角が緩む。
「よかろう。シャロット、エリザベート、そしてポラ村の巫女ポランよ。勇者コォジィと共に神域エルフの森へ行き、エルフの民の真意をはかってまいれ」
「はっ」
三人は、恭しく王を前にして片膝をつく。
「えっ、えっ、おいおい決まっちゃったよ・・・」
事が勝手に決まり一人、置いてけぼりの康治だった。
さぁ、仮ワイフたちと冒険にでよう。




