第二章ディオラ王国の渦巻く陰謀 №1 ディオラ王国第二王女、エリザベート=ディオラ
二章開幕。
第二章ディオラ王国の渦巻く陰謀
王城の第二執務室、ディオラ王国第二王女エリザベート=ディオラは、静かに侍女ライヤの話を聞いていた。
№1 ディオラ王国第二王女、エリザベート=ディオラ
「その話に間違いはないのですね」
「はい、エリザ様」
アタクシはその話に思わず、歯軋りをしましたのよ。
とりあえず、紅茶を飲んで気持ちを落ち着かせてっと。
「シャロ姉様と第二バーン王朝のアーサー皇子との縁談・・・絶対、許すまじですわ」
「しかし、この度の縁談はディオラ王様の肝いりで、とても介入する余地は」
「お父様が何だって言うのよ!アタクシは・・・アタクシのシャロ姉を絶対に誰にも渡しませんわ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・はぁ」
「・・・・・・」
ライヤがいつもの冷めた目で、アタクシを見ていますわ。
「さて、どうやって妨害しようかしら」
「エリザ様」
「何?」
「それがシャロット様は、この縁談には乗り気でないらしく」
「そりゃそうですわ、アタクシがいますもの」
「・・・・・・えー、それは置いといて」
「ちょっと!置くってどういう事よ」
アタクシはライヤを怒りました。
でも、彼女はいつもどこ吹く風なのです。
「エリザ様の百合志向は置いといてですよ」
「きーっ!誰が百合志向よ。アタクシとシャロ姉様は相思相愛なのよ」
「はぁ、私にはお二人の関係・・・そうには見えませんが」
「いつか、振り向かせて見せる!」
「・・・はぁ」
「むう、ぷう!」
「・・・可愛くありません」
「・・・それで」
アタクシは不毛な会話のやりとりを止めて、ライヤに話の先を促しました。
「妹の話では、シャロット様は、ポラの村に降臨した英雄ルーラン=コォジィ殿との婚姻を画策されているようで」
「ふむ、ふむ」
「この策を持って、アーサー王との縁談を破棄したい模様」
「ちょっと待って、結局、シャロ姉は私以外と誰かと結婚しちゃうじゃないの・・・断固、許すまじ!」
「しかしながら、その英雄・・・専らのブ・・・ブ男としいう噂でして」
「ふうん、シャロ姉様には、絶対不釣り合いね・・・お姉さま・・・考えがあるようね。ここは静観した方が良いのかしら」
私は冷めた紅茶を小指たて、優雅に飲みました。
カップに映った私の顔、少しだけ意地悪っぽい顔をしていました・・・この顔、たまらなく好きですわ。
なんちゃって百合女現る。




