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いつか夢見た百合の世界  作者: 朝乃 永遠
遊園地で遊ぼう
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なんか初めて帰りたくないって思った気がする……

夜の遊園地を明るく幻想的に照らすナイトパレードの光。

このパレードが、今日のイベントで豪華仕様になっている。

花火も打ちあがるらしい。


大きな音とまぶしい光が私の感覚を狂わせる。

まるで夢でも見ているのかと思うほど現実感がない。


おそらく一般的な遊園地より人が少ないのと、

多くの人が飲食店などのテラス席から鑑賞しているので、

通路には人が少ない。


そのおかげでほぼ最前列に近い場所まで近づくことができた。


実はいろはちゃんたちが関係者用の鑑賞席を教えてくれたのだけど、

チョコとバニラが近くまで行きたいと言ったのでここで見ることにした。


遊園地のマスコットキャラたちがゆっくりと目の前を通り過ぎていく。

いろはちゃんと手をつないではしゃぐチョコとバニラは、

外見そのままの幼さを見せてくれた。

とても可愛い。


どこにいたのかわからないキャラクターたちも目の前を通っていく。

まだまだ遊びつくしていないね、ここ。


またみんなでこよう。

そう思いながら、花火で照らされるみんなの笑顔を眺めていた。




パレードも終わり、閉園の時間。

ゲートから退場し、海上レールまでの道を歩く。


他の人たちの中にはホテルの方へむかう人も多い。

あの人たちは明日もここで遊ぶのだろう。


楽しかったけど、ちょっと寂しい。

最近よく感じるこの気持ち。


顔にでも出ていたのだろうか。

ユウキが「またくればいいさ」と声をかけてきた。


でもね、その手にある年間パスポートは、君しか持ってないからね。

やっぱり頻繁に通っているっぽい。

ユウキは寂しいとか感じたりしないのかな。


なんて思っていたのだけど。


「なんか初めて帰りたくないって思った気がする……」


そう漏らした。

ユウキも、最近素直にこういうこと言うようになってきたね。




今日あったことをおしゃべりしながらの帰り道。

海上レールも、駅からシェアハウスまでの道も、あっという間だった。

行きよりも帰りの方が早く感じるのはなぜなんだろう。


今日は夕飯を済ませているので、みんな荷物を置くとお風呂にむかった。

私は先に日記を書きたかったので部屋に残る。


う~ん、今日はいろいろあったなぁ。

終わってみるとあっという間だった気がするけど、

こうして振り返ってみると一日の出来事とは思えない。


そういえば朝に映画も見てたんだね。

あれもこれも今日のことなんだ。


たまに書くことに困る日記も、今日はすらすらと書けてしまう。

まぁ書くことに困ったらその日は書かないんだけど……。

気付けばいつもの7倍くらいの日記になっていた。


日記を書き終えて片付けると、

かわりに指輪を目の前に置く。


お姉ちゃんがあの時くれた指輪。


夢の中のような世界から、私の指にはめられていた。

つまりあれは夢ではないということだ。

お姉ちゃんのところに行かないと。


なんか困ってたみたいだし。

チョコたちが何か知ってるみたいだけど、

モカさんに教わったほうがいいような気が……。


あ、そうだ。

マロンちゃんとモカさんのことも何とかしてあげたいな。

モカさん優しいし。

ああ、モカさん。また会えるかな。


あれ? モカさんのことばかり頭に浮かんでくる。

私にはいろはちゃんという心に決めた人が……。

なんてね。


今からチョコたち呼ぶのもなんだし、

話を聞くのは明日にしよう。


さて、そろそろ私もお風呂にしようかな。

私は指輪を再びはめると、露天風呂にむかった。

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