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どんとこい 東村山!  作者: Kくぼ


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38話 ビッグ玉

 ええと、これってどうしたんだっけ。そうだ、どんとこい東村山!の全品購入制覇の景品じゃん。可愛いからつけてたけど何でこれが光るわけ?しかも光ってから矢が加速したし。徳子はストラップを触ってみます。


「あれ?中に何か入ってる。でも取り出すには猫ちゃん切らないとじゃん。ちょっと可哀想だからやめとくか」


 それを聞いた鈴木さんは、


「調べなくていいのですか?その光る何かが矢に力を与えているように見えました」


「それはそうなんだけど、そうするとこの猫ちゃんを切らないとでしょう。ちょっとそれは勿体ないというかなんていうか」


 徳子はこの猫のストラップが気に入っています。それもそのはず、一年以上ほぼ毎日どんとこい東村山!に通ってやっと手に入れた逸品なのです。なんで光るのか、なんで矢が加速するのか?ストラップを壊して中に入っているものを見ても多分わからない気がします。徳子の知識では無理だと判断したのです。だとしたらもったいないじゃんね。


「北条様がよろしければいいのですが。前方に町が見えてきました。あれが田無市でしょう」






 田無市役所によって市長へ挨拶をすると、思いっきり驚かれました。一応東村山市長から連絡はきていたそうなのですが信じられなかったようです。それだけ現実味がない北条徳子の出現なのでしょう。徳子がそれを攻めると荻窪までの道案内を付けてくれる事になりました。ここからは青海街道を進む事になります。ここから新宿に近づくにつれて魔獣が強くなるそうです。東村山市民では太刀打ちできないという事で、ここで大石さん、山田さん、大塚さんは東村山へ戻る事になりました。新しく佐藤さん、小林さん、田中さんが加わりました。佐藤さん、小林さんが魔獣担当、田中さんは道案内役です。鈴木さんは引き続き新宿まで同行します。


「佐藤さん、武器を見せてくれませんか?」


 佐藤さんの武器はやはり槍でした。前聞いた話だと倒せない魔獣は襲ってはこない、それには槍に秘密があるとの事でした。詳しく聞くとその槍の効果は東村山の槍も有効なのだそうですが、鳩ポポの例もあり徳子だけはどんな魔獣からも襲われるというのです。そうなるとこのご一行は戦ったことの無い強い魔獣に襲われる事になります。


 東村山の槍は普通の柄の先端にナイフ見たいな刃が付いていただけでしたが、田無の槍は十文字槍になっていました。徳子はそれを見て


「強そうな槍だけどやっぱり槍なんだ。田無では槍しか使わないのですか?」


「北条様。槍しかとおっしゃいますが槍以外を知りません。魔獣を倒すのは槍と決まっております」


 佐藤さんは何を言うのだろうという感じです。徳子はある程度予想していた答えではあったものの魔獣が新宿に向かうにつれて強くなる理由を考えています。その後もいくつか質問をしたものの食料用の魔獣が強くなるから武器も強化されている、でもやっぱり槍、それしかわかりませんでした。


 町を出て山野と呼ばれる魔獣生存地域を進んでいると見たことの無い魔獣が現れました。巨大なたぬきです。


「あれは何ていう魔獣なの?なんとかダヌキとか?」


 佐藤さんはすでに槍を構えています。案内役の田中さんが、


「あれはビッグ玉という魔獣です。田無市の重要な食料です」


 徳子は顔が真っ赤だ。聞くんじゃなかった。




 佐藤さんと小林さんがビッグ玉と戦闘中に、どう見ても狐に見える魔獣が現れました。徳子は名前を聞こうとして、やめとこうと思いながら田中さんをみると顔が青ざめています。


「田中さん、どうしたの?真っ青だよ」


「魔獣は同時には襲っては来ないのです。そういう決まりになっているのですが。今襲われては危険です。北条様に何かあっては大変です。お下がりください」


「そうなんだ。随分と都合がいい世界なんだね。大丈夫よ、任せといて!徳ちゃんアロー!」


 徳子はいつものようにボーガンから矢を発射します。また猫のストラップが光ると矢は加速しながら稲光を出し、狐の魔獣に突き刺さりました。田中さんは絶句しています。佐藤さんと小林さんはビック玉を倒すのに夢中で徳子の動きには気付いてはいません。


 魔獣を倒した後、何事もなかったように徳子と鈴木さんが進む中、田無市から同行した人達は話に夢中になっています。


「お名前持ちが凄いってこういう意味だったのですね。驚きました」


 田中さんが言うと、小林さんが


「そんなに凄いのですか?」


「コンキツネの死骸を見たでしょう。見たこともない武器で一瞬で仕留めてしまいました。まだ信じられません」


 コンキツネっていうんだ。そのまんまじゃん。じゃあなんで狸にビッグ玉なんて付けたのよ!




 荻窪が近づくと雰囲気が変わっていきます。新人類の人達は気にしていないようですが、なんか空気がどんどん重くなっていくような感じなのです。徳子は、


「ねえ鈴木さん。ここいらって何かあったところ?なんか変な感じがする」


「さあ、私は来た事がありませんので。田中さん、何かわかりますか?」


「変な感じでしょうか?私にはわかりません」


 やっぱり新人類の人達にはわからないんだ。こういう時はダメ元で。


「ねえ2号、ここって何があったの?」


 TOKUTOKU 2号は珍しく答えてくれました。


「核ミサイルが落ちた場所です。2030年の核戦争で」






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