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それは絶対的能力の代償  作者: 山本正純/村崎ゆかり(原作)
第六章 聖なる三角錐編
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第五十一話 絶対領域

 ルクシオンとメランコリアの戦闘が始まる。そんなルクシオンの体に異変が起きる。ルクシオンの体は突然動かなくなったのだ。

声を出すことは可能だが、足が一歩も動かない。

「何をしたの」

 ルクシオンがメランコリアに聞く。

「教えてあげる。あたしの周囲半径五十メートルにいる人間の内、あたしに対して敵意を向けた人物の動きを封じる。それがあたしの能力。その間、あなたはあたしの攻撃を受けることしかできない。残念ながら、この能力は自分でも制御できないの。本当は解除したいんだけど」

 メランコリアが素早く身動きが取れないルクシオンに近づき、腹を蹴る。それにより、ルクシオンの体が後ろに飛ばされる。メランコリアはルクシオンとの距離を詰める。

 ルクシオンは自分に近づくメランコリアの行動を見て、笑い声を出す。

「残念ながら、あなたは私に負ける。メランコリア。あなたの能力では私に勝てないと言っているの」

「動けないのに何ができる」

 メランコリアがルクシオンに問う。その次の瞬間、メランコリアは自分の耳を疑う。

「メランコリア。私なんかよりも良い体ね。デブというコンプレックスを解消しているところが素敵だよ」

 このルクシオンの言葉を聞いた時、メランコリアは自分の絶対的能力に欠如があることに気が付く。動きを封じることができるのは、敵意を向けた人物だけ。

 メランコリアに対する敵意を消した、ルクシオンは動くことができた。彼女はメランコリアとの距離を離す。

 その距離が五十メートルを超えた時、ルクシオンがため息を吐いた。

「あんなデブを褒めるなんて二度と御免」

 ルクシオンは空気を殴る。一秒にも満たない時間が経過し、メランコリアの仮面が破壊される。

 ルクシオンは大声でメランコリアに話しかける。

「自分で解除できなくても、五十メートルを超えた位置からの攻撃は防げないみたいね。敵意丸出しで攻撃したんだけど」

 ルクシオンがメランコリアの元から去っていく。メランコリアは遠ざかるルクシオンの姿を見ながら、腕を組む。

「ルス。あいつとは戦わない方がいいということが分かっただけでも良しとしよう。今負けたら最下位。次の相手はエルフ。あいつは黒猫だから声が出ない。だからルクシオンと同じ攻略法が使えない。絶好のカモ」

 

 エルフは隠れる場所を探しながら、建物の中を走っている。

 エルフは焦っている。エルフには、五人の敵を倒す術がない。誰かに遭遇すれば、確実に負けるだろう。

 エルフは分かっている。自分が最下位だと。

 潔く負けを認めるのも悪くないとエルフは考えている。そんな中エルフの前に、ルスが姿を現す。

「エルフ。まだ生きていたんですね。正直な話。消えてくれますか」

 エルフはラスから逃げる。ラスは一瞬姿を消し、エルフの前に姿を現した。

「お忘れですか。ヘルメス族の得意技。瞬間移動。それを使えば、子猫を捕まえるのも容易なんですよ」

 ラスに捕まったエルフ。ラスは躊躇なく、エルフの仮面を壊す。エルフの仮面に刻み込まれた数字がゼロになり、仮面が完全に壊れる。間もなくして白い光がエルフの体を包み込む。一秒後、エルフはルスの前から姿を消した。


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