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それは絶対的能力の代償  作者: 山本正純/村崎ゆかり(原作)
第六章 聖なる三角錐編
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第四十九話 結果

 それから数分後、トールたちが建物に戻る。メランコリアは腕を組みながら、周囲を観察する。

「凄い。倒壊すると思ったのに、壊れたのが壁だけなんて」

 建物の内部は、マエストロが切断した壁とそれを支える柱が壊されただけで、ほとんどが無傷だった。

 マエストロ・ルークは絶望している。これまで彼は一度も絶対的能力者に勝ったことがない。これまで戦った絶対的能力者が強すぎると言えばそれまでだ。マエストロは自分が最弱ではないかと思い始めていた。


 一方メランコリアはルクシオンの顔を見る。

「さて無能を紹介したお仕置きを始めようかな」

 戦闘態勢に映るメランコリア。だが、トールがそれを止める。

「待て。誰が敗北したら、お仕置きだと言った。マエストロを仲間に加える。お仕置きは無い」

「どうして。あいつはラスの能力に成す術もなく倒されたでしょう。なぜこんな無能を仲間に加える必要がある」

「分からないか。こいつの闇。屈辱から生まれる闇だよ。マエストロは良い物を持っている。彼が俺たちの中で最弱だとしても、素晴らしい原石だと思う」

 このトールの発言を聞き、ルクシオンが首を横に振る。

「違う。最弱ではない。最弱はエルフ。彼はエルフには勝つことができる」

 エルフという聞き覚えのない名前を聞き、マエストロが首を傾げる。

「エルフというのは誰だ。この場にいる六人以外にも仲間がいるのか」

「ここにいるでしょう。私の肩に乗っている黒猫の名前はエルフ・トレント。相手の錬金術を奪う能力。だから錬金術を使わないあなたにとっては、簡単に勝てる相手というわけ」


 マエストロはルクシオンの説明を聞き納得する。その後トールがマエストロに手を差し出す。

「マエストロ。ようこそ。聖なる三角錐へ」

 マエストロは組織の名前を聞き、顎に手を置く。

「聖なる三角錐。少数精鋭の錬金術研究機関か。噂でしか聞いたことがなかったが実在したとは思わなかった」

 マエストロの言葉を聞き、ラスが腕を組む。

「自分たちで言うのも何ですが、錬金術研究機関としては危険な部類に入る組織です」

 ラスが補足説明をすると、トールが疑問を口にする。

「俺たちの中で一番強いのは俺。最下位がエルフ。二位から六位までの順位が気になるな」

 その疑問を聞きルスが手を挙げる。

「僕も順位が気になります。僕の能力は弱い部類に入ると思いますけど、最弱という称号は必要ない。だからエルフとマエストロを倒して、最弱ではないことを証明します。まずはエルフから倒しますよ。トール。いいよね。戦っても」

「構わない。バトルロイヤルを始めて、順位と能力を把握しよう。俺は参加せず、激闘を見守る」

 トールは六人に仮面を渡す。その仮面の額には『2』という数字が刻み込まれている。

「お前たちに渡した仮面に数字が刻み込まれているだろう。一度仮面が壊されたら、額の数字が減る仕組み。その仮面は所有者を追跡するから、身に着ける必要がない。仮面に刻み込まれた数字がゼロになったら、強制的の外へ排除される。ルールは先ほどと同様に、殺人以外は何でもあり。殺せばお仕置きを行う。つまり、最後まで生き残った人物が二位の称号を得ることができる。対戦の模様は外で監視する。それではバトルスタート」

 トールの号令と共に、絶対的能力者によるバトルロイヤルが始まる。


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