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それは絶対的能力の代償  作者: 山本正純/村崎ゆかり(原作)
第六章 聖なる三角錐編
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第四十七話 聖なる三角錐のメンバーたち

第六章は主人公交代。

アルケミナとクルスの出番は来年に持ち越しです。

 マエストロ・ルークことパラキルススドライの怪人は肩に黒猫を乗せたルクシオンと名乗る女と共に、サラマンダーの廃ビルの中にいる。

 今にも壊れそうな建物は天井まで吹き抜けになっている。現在この部屋にはルクシオンたちを含んだ六人が集合している。

 ルクシオンとマエストロは素顔を晒しているが、残りの四人は顔を白色のローブで隠している。

 その中には、エクトプラズムの洞窟で出会ったトール・アンの姿もあった。

 しかし、マエストロは目を疑う。三人の内の一人が異様な姿をしていることに。顔が隠れているはずのローブの一部が切り取られ、そこからウサギの耳が飛び出ている。巨乳にスレンダーな体型。間違いなく性別は女。

 ウサギの耳がローブから飛び出している女が、トールに話しかける。

「トール。新入りが一人いるようね。結構なハンサムよ。惚れそうね」

「メランコリア。まだ新入りと決まったわけではない。彼が我々に必要な人材かをこれから判断しなければならない」

 メランコリアと名乗るウサギの耳がローブから飛び出ている女は、トールの肩を叩く。

「ねえ。トール。あの男がテストに合格しなかったら、ルクシオンをお仕置きするのよね。そのお仕置きは私にやらせて」

 メランコリアの体がトールに密着すると、トールは無表情に言葉を告げる。

「いいだろう」


 トールの言葉を聞き、メランコリアは喜び、思わずトールの体を抱きしめる。そして数秒後、メランコリアはトールから離れ、ルクシオンを指さす。

「ルクシオン。私のことをデブと呼んだね。許さない」

「システムの突然変異で痩せただけの人には言われたくないよ」

 メランコリアとルクシオンは互いの顔を睨み付ける。すると、二人の間に白いローブを着た子供のような人物が立つ。

「二人とも。喧嘩をやめましょう」

「ルス。大人の喧嘩に首を突っ込むな」

 ルクシオンは子供の頭を殴ろうとする。だが、次の瞬間、その子供が一瞬消える。それから一秒後、ルスと呼ばれた子供はメランコリアの後ろに現れる。

「いきなり殴るなんて。酷い。絶対的能力を使わなかったら、怪我をしていましたよ」

 もう一人の白いローブを着た人物がルスに近づきながら、呟く。

「お姉様を傷つけたら許さない」

 その男の声質はルスと同じ。男がはっきりとルスのことをお姉様と呼ぶ。マエストロは察する。ルスとこの男は兄妹ではないかと。


 その一部始終を見ながら、トールが声を出す。

「そろそろテストを始める。マエストロ。お前はこの廃墟でラスと戦ってもらう。殺人以外なら何をしてもいい。先に手にしている仮面を壊された者の勝ち。私たちはラスとマエストロを残し、建物の外に避難しよう」

 ルークは銀色の槌を手にして、建物の床を叩く。すると、建物中に魔法陣が出現した。

「戦闘の模様は、建物中の魔法陣に記録される。私たちは防犯システムによって映し出された映像を外で見物する。ということで避難を開始しよう。玄関に仕掛けた花火が打ち上がったら、戦闘開始」

 トールたちはマエストロとラスを残し、建物から避難する。


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