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おかあさんと呼んでいいですか  作者: 碧科縁
第1部 第2章

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S2 この世界のことば その1

第1章、第2章に出てきた、この世界特有のことばの抜粋です。

記載内容は第2章終了時点を基準としています。

※ 違和感があるとしてもわたしたちの理解を超えた異世界のことですから……。


◆作用


◇作用者、作用力

 特殊な能力をもつ人、その力。作用力には系統を表す番号がつけられている。それぞれの系(番)の作用は、陽作用と陰作用の二つからなる。


◇ひとつもち

 作用力をひとつだけ有する作用者。普通は、ある特定の系(番)の陽作用または陰作用のいずれかが使える。


◇ふたつもち

 作用力を二つ有する作用者。少ない。普通は、異なる二つの系(番)の陽作用または陰作用のいずれか、が使える。


◇攻撃作用、攻撃者

 第1作用(陽)。攻撃的エネルギー流を発動する作用、その持ち主。感知者が感知するシグはアシグ。


◇防御作用、防御者

 第1作用(陰)。エネルギー流や高速移動体を防ぐフィールドを張る範囲作用、その持ち主。感知者が感知するシグはアセシグ。


◇生成作用、生成者

 第2作用(陽)。物質の合成にかかわる作用、その持ち主。感知者が感知するシグはファシグ。


◇破壊作用、破壊者

 第2作用(陰)。物質の分解にかかわる作用、その持ち主。感知者が感知するシグはファセシグ。


◇感知作用、感知者

 第3作用(陽)。ほかの作用者を探知する作用、その持ち主。感知者が感知するシグはレシグ。


◇遮へい作用、遮へい者

 第3作用(陰)。感知作用を無効にする範囲作用、その持ち主。感知者が感知するシグはレセシグ。


◇強制作用、強制者

 第4作用(陽)。他人を従わせる作用、その持ち主。感知者が感知するシグはエンシグ。


◇対抗作用、対抗者

 第4作用(陰)。強制作用を無効にする範囲作用、その持ち主。感知者が感知するシグはエセシグ。


陰陽(いんよう)

 同じ系(番)の陽と陰の力を有するふたつもち。


精媒(せいばい)

 作用の種類と方向を決めるもの。

 《わたしたちの知識では触媒に近い》


精分(せいぶん)

 作用を発するための、もとになるもの。あらゆる有機体が作り出している。すべての人が睡眠中に作り出し、自らの生命を維持するものでもある。

 《わたしたちの知識では燃料に近い》


精気(せいき)

 作用を発するために、必要なもの。周囲の大気から取り込む。

 《わたしたちの知識では酸化剤に近い》


精華(せいか)

 作用の能力を決める因子らしい。


◇レンダー

 精気(せいき)を取り込むための入り口を開く役目と、作用を強化する特性を持つ装具。作用者に合わせて作られる。指輪、腕輪、髪留め、ペンダントなどの装身具に加工されることが多い。


◇メデュラム

 すべての作用力にかかわる貴重な金属資源。レンダーの材料になる。前線で使われる巨大な防御フィールド発生装置のコアに用いられる。空艇の飛翔板などにも使われる。品質によって効果に違いが現れるらしい。


◇イグナイシャ

 大気から精気(せいき)を集めて、別の作用者に流し込む能力を有する人。


◇メデイシャ

 ほかの生物から精分(せいぶん)を吸い上げ、別の作用者に流し込む能力を有する人。


初動(しょどう)

 生まれて初めて作用が発動すること。


◇権威ある者

 初動した作用者に力名(りきめい)を授ける特別な作用者。各国に数人しかいない。オリエノールでは最終考課に合格した作用者を認定する役目もある。


感索(かんさく)

 権威ある者の補佐。将来、作用者となる人を見いだす能力を持つ特別な感知者。


◇医術

 生成者、破壊者による医療行為。医術を使える作用者は医術者と呼ばれる。


◇飛翔術

 生成者、破壊者による空艇操船の行為。


力名(りきめい)

 作用者が初動したときに、権威ある者から与えられる特別な名前。「(いみな)」・「承氏(しょうし)」=「継氏(けいし)」の形をとる。継氏(けいし)承氏(しょうし)は、生まれたときに親から受け継ぐものであり、初動するまでに()えるようになる。


継氏(けいし)

 どの系(番)の作用を有することが可能か、あるいは、どの二つの系(番)の作用を有することが可能かを示すもの。同じ組み合わせでも源の異なる複数の継氏(けいし)が存在し、その能力には差がある。通常は、同性の親の継氏(けいし)と同じになり、継氏(けいし)により決まる作用群の中から初動する作用が決まる。


承氏(しょうし)

 継氏(けいし)ではないほうの親の継氏(けいし)。通常は、異性の親の継氏(けいし)


(続く)



この世界のことば その1(2)



◆軍とその関連


◇トランサー

 およそ35年前に突如大陸中央に出現したといわれる、大地を破壊する甲虫状生物につけられた名前。「大群」とも呼ばれる。無限に現れて大陸に広がり、大地を削りながらひたすら南下している。第1形態と第2形態が確認されている。


◇北の壁

 トランサーの南下を遅らせるために、各国の北部地帯に沿って継ぎ目なく設けられた、防御作用によって形成されたフィールドのこと。日に日に南下を続けている。


紫黒(しこく)の海

 薄紫色のトランサーが多数集まると黒に近い紫に見えることから、壁の向こう側を埋め尽くすトランサーの大群につけられた別名。


◇国軍

 正軍(せいぐん)力軍(りきぐん)から構成される。


正軍(せいぐん)

 通常兵器を扱う兵士で構成される軍。


力軍(りきぐん)

 作用者で構成される軍。国内で発見、認定されたすべての作用者が登録される。


◇混成軍

 ウルブの北国境、オリエノールの西国境、インペカールの東国境に挟まれた中立地帯の前線(北の壁)を守る軍。隣接する三国から派遣された三軍の部隊で構成される。


◇ブロック

 前線でひとつの防御面(壁、防御フィールド)を維持する複数のユニットからなる。半日毎に交替する。そのため、原隊、交番隊、非番隊2ユニット、予備隊の5ユニットで構成するのが理想とされる。


◇衝撃銃

 一時的に人を気絶させるための銃。近距離でしか効果がない。


◇エネルギー銃

 正軍に支給される通常の正式武器。


◇物理銃、機械式銃

 弾丸を撃ち出す、対作用者用の旧式の銃。取扱が面倒なためほとんど使われない。


◇貫通弾

 防御フィールドを貫くために作られた特別な大型銃に使用する弾。希少。


◇エストー

 インペカールが開発した作用者を必要としない、移動型防御フィールド発生装置。


◇習練

 作用者が作用の理論を学び練習、実践すること。そのための施設は習練所といわれる。




◆職と身分など


国子(こくし)

 オリエノールの国主とその継承順位を有する者およびその伴侶に与えられる肩書き。西の六王国での、皇子(こうし)皇女(こうじょ)は国子とほぼ同等である。


主事(しゅじ)

 家の外政にかかわる責任者。当主の代理人ともなる。


内事(ないじ)

 家の内政、財政にかかわる責任者。


側事(そくじ)

 いわゆる、御側付(おそばづ)きのこと。


衛事(えいじ)

 護衛の任につく者。


家事(かじ)

 いわゆる、家の使用人のこと。


地氏(ちし)

 作用者の家系を表す(うじ)


主家(しゅけ)

 通常は、国の首長が持つ地氏の家をさす。


準家(じゅんけ)

 通常は、主家以外の地氏の家をさす。


◇医師

 通常の医療を行う者。


◇作用者の名前

 「地氏」の「(あざな)」、の形をとる。

 《わたしたちの世界での、(せい)が地氏、名が(あざな)に相当します》


◇普通の人の名前

 「(かばね)」の「(あざな)」、の形をとる。(かばね)としては、所属(居住、仕事)する地氏または町の地名などを使う。

 《わたしたちの世界での、(せい)(かばね)、名が(あざな)に相当します》


国子(こくし)(あか)

 オリエノールの国子(こくし)が持つ青色のペンダント。所持者が触れると光を放つ。


◇レノ

 オリエノールで国子に対する敬称として使われる。


◇アンドエン

 無作用主義者。作用を否定している。


◇レイ

 シルを構成する大木たちのこと。


信人(しんじん)

 幻精とつながりを持つ人。その幻精が見え対話が可能。


(続く)



この世界のことば その1(3)



◆技術など


◇船

 海艇、川艇、貨客艇、空艇、輸送艇などの総称。海領を移動する輸送船、客船、貨客船も含む。


◇通信塔

 国内外の通信を担う設備。すべての国に多数あり相互通信の基盤となる。


◇診断器

 医療従事者が使う携帯型診断装置。診断機能しかない。


◇推樹脂

 空艇の燃料。


◇光畜コア

 エネルギー貯蔵装置。あらゆる装置の動力源となる。


◇ジェネレータ

 建物や乗り物に備えられた発電機の別名。少量の液体燃料で動く。


◇電磁フッカー

 ロックされた扉を開閉するための装置。


◇待機室

 作用力による干渉を防ぐための部屋。オリエノール国都の執政館にある。


◇本

 いわゆる、紙の書籍。高価。


書機(しょき)

 業務や個人的に使用する汎用電子機器。たいていの人は、所属する国で使用できる書機を所持している。電子的な書籍として使われたり動映を見たりする際も使う。通信塔とリンクできる。


◇ディール

 大陸の通貨に相当するもの。その単位。かさばる。


符証(ふしょう)

 ディールの受け渡しに使える、小さな板状の装置。

 《わたしたちには仕組みを理解できません。異世界ですから……》




◆生活


内服(うちふく)

 室内着のこと。ゆったりしたものが普通。就寝時にも使用。上下に分かれた内服と一体の内服がある。前明き形状が多い。肩留めや細腰で縛る形態もある。


下衣(したい)

 外服を着る際に、その内側に着用する服のこと。肌衣(はだい)下穿(したば)きの総称。


外服(そとふく)

 内服と下衣以外の服をさす。外出着ともなる。普段使い、訪問着、正装など用途によって多岐。


◇制服

 国軍など特定の職業用の服をさす。


◇仕事着

 家事(かじ)側事(そくじ)などの服、あるいは、練習、習練など特定の用途の服をさす。屋内用(内服(うちふく))と屋外用(外服(そとふく))がある。


◇ドレス

 基本的には、上下が一体となった女性向けの外服をさす。あらたまった場で着用する。特に、正装用をさすことが多い。


◇上服

 外服のうち上半身用をさす。上下に分かれた内服の上側部分を意味することもある。


◇下服

 外服のうち下半身用(スカート、ズボンなど)をさす。上下に分かれた内服の下側部分を意味することもある。


◇羽織

 内服に重ねて着用する屋内用と、外服に重ねて着用する屋外用がある。


◇内履き

 屋内用の履き物。


◇外履き

 外出時の履き物。




◆世界と単位


◇大陸

 人々の住む唯一の大陸のこと。


◇海

 《この世界には》一つの大陸と無数の島があり、大部分が海に覆われている。


◇移住計画

 大陸から海を渡ったほかの陸地(島)に全住民を移動させる計画。すべての国で進められている。


◇時

 《異世界だけれど、時間の感覚はわたしたちの世界とほとんど変わらないようです》


◇月(暦)

 1年は、12か月からなり、1の月から12の月まで。


◇日

 ひと月は30日からなり、12の月のみ定められた日数だけ多い。


◇週

 1週は6日。ひと月は5週。1の週から5の週まで。12の月のみ6の週がある。


◇時間、分

 1日は24時間、1時間は60分。

 《わたしたちの知る時間、分と同じようです》


◇季節

 《大陸には、四季らしきものがあるようです》

 1の月から3の月までが春、以下、夏、秋、冬と呼ばれる。気温は、夏は高め、冬は低く寒いときもある。


◇月(衛星)

 《わたしたちの世界と同じような月があります。満ち欠けの周期も、わたしたちの世界とあまり変わらないようです》


◇メトレ

 長さの単位。

 《わたしたちの知るメートルに近いです》


◇歳(年齢)

 この世に生を受けた瞬間からの年数。

 《産まれてからではないようです》


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