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スリーピングビューティー “剣術に全てを捧げたこの俺のスキルが魔法使いだと??”  作者: 鰺屋華袋


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22/31

ep22. 強い者が正しい?……④

「本当にそう思うか?? ()()()()()()()? お前が“迂闊な判断”をして無くすのは……コインやアイテム……()()()()()()()()()()?」


――――――――――


 ― ドクン…… ―


 硬く……冷たい木の感触に跳ね返る(おのれ)の拍動……それを感じる度に半生が脳裏を駆け抜ける。


(何故だ……どんなにリアルでも……コレはゲームだぞ?! どうして? ……なぜ走馬灯(フラッシュバック)が??)

 

 ……これでも、物心がついてからずっと善良な人間として生きて来た。だが善良な人間が、善良な人生からドロップアウトするには、たった一つ曲がり角を間違うだけで十分であり……人生はいつも()()()()()()()()()()()……クソゲーだ。


 そして……曲がり角を曲がった先にあった暗い陰の中は……意外な事に私と同じ様な人間が()()()()()ぬるま湯の様な世界だった。


 これは善良な人間には想像し辛い事だろうが……そこ(物陰)には、私がそれまで想像していた様な“強固な悪意をもつ人間”など居ないのだと知った。


 そこに居た大半の人間は、僅かな()()を持つだけの……ただただ弱く愚かな連中だったのだから。


――――――――――


 最初の私は……すぐにでもこんな所(物陰)から抜け出すつもりだった。これでもエンジニアとしては長いキャリアを誇っていたからな。安いプレハブ食堂(ダイナー)の片隅で残飯みたいな飯を食いながら“今は雌伏の時だ”なんて呟いて……な。


 だが……その時の私はまだ知らなかったんだ……()()()()()()()()ってのが……どんなに心地良いかを……


 陽が登り切ってから目覚め、僅かな小銭を稼ぐ為にどんな汚い事も厭わず、周りの善良だが弱い者を小馬鹿にしながら酒を浴びて眠る生活……


 そこに浸りきり……


 あと僅かで()()に疑問すら浮かばなくなる……


 そんな時だった。


『やあ……ここは空いてるかい?』


 更に濃い陰の住人(本物の悪党)が声を掛けて来たのは……


 ……人は明るい所にいると、闇の中に化け物が見える。


 だが、今の私は知っている。本当は明るい場所から見る闇など……薄暗い()()に過ぎないって事を。


――――――――――


 結局……私はそいつが用意した()()を使ってVRの世界に流れ付き、ク○がベッタリと付いた金を、()()()()()()使()()()洗濯し続けた。


 命を賭けない命のやり取りを繰り返し、“効率的な攻略法”を謳うギルドを作った。大した疑問も持たずに加入したメンバーを動かし、()()()()()()した(コイン)で強くなったアバターを称賛される度に……私のプライドはねっとりした黒いモノで満たされていった。


 邪魔なプレイヤーは汚い手段でゲームから締め出し、強いプレイヤーには甘い汁を用意して取り込んだ。(リアル)の世界じゃ借金取り(チンピラ)にビクビクする腰抜けも、(VR)の世界なら、例え()()()()()シチュエーションでも躊躇なく飛び出して行くヒーローになれる……そう……私はヒーロー……()()()()()


「馬鹿な!……馬鹿な!!……バカな!!!」


 その私が……強さを求め続けた私が……ここまで……ここまで()()()()()()()()()()など……


(認められるか!!)


 私は……動かないアバターに力を込めて魔法(スキル)を起動しようと試みる……だが……


 ― ズッ…… ―


 肩に掛かるプレッシャーが増す。


 なんだコレは??


「ふーん……俺はアンタ達が変に絡んで来なければそれでいいんだが……それがアンタの()()なんだな?」


 男の口調は平坦で……脅す様なニュアンスも無い。なのに……


(()()……()()()……()()()()()()()()()()()()()()()()() ()()()……()()()()()()()()()()())


 私のアバター(身体)が……ガタガタと震え出す。私の前に立つのは……ごく普通の青年だ。少なくとも明らかなマフィアや精神異常者には見えない。だが…


(無理……だ。たとえ野生のライオンの前に丸腰で立っても……()()()()()()()()()()()()!!)


「分かっ……た……もう……君らには……関わらない……」


――――――――――


「ハァハァハァハァ………」


 私が彼等への不干渉を告げた瞬間……私を含めてフロアに居たギルドのメンバー達は、まるで()()()()()()()かの様にプレッシャーから解き放たれた。


「よし……帰ろうか」


 そう言った男は……連れの“フレームジャンパー”に向かって振り返り、一度も使わなかった木刀を血振りしてローブの中に収めた。


「待ち……給え……」


 私は……まだよく分からない震えが、舌に伝わろうとするのを必死で噛み殺し、連れだってエレベーターへと向かう二人を呼び止めた。


「ん? まだなんか用か?」


 正直に言えば……これ以上彼に関わるべきではない。だが……彼は私の様なニセモノではない……本物の魔術師(マジシャン)……いや本物の魔法使い(ウイザード)だ。


 ()()()()()()()()()()()()しまうと……後悔しそうな予感がした。


「君達は……私の言葉を信じるのかね? こんな口約束を私が守るとでも?」


 彼は……面倒くさそうに頭を掻いて……


「……()()……()()()()()()()()

 

「……は?」


 どういう意味だ??


「もし……お前等が同じ事をしたら……()()()()()()()()()()()。それこそ……いつでも……()()()()()


 その目……黒い瞳が……三日月の様に細まる。


「まっ待ってくれ……何故だ。それだけの力があれば……私達を従える事も、もっと自分に有利な要求を通す事も出来るじゃないか? 何故そうしない??」


 なんだその顔は? 何をそんなに驚いてる??


「はぁ……なぁアンタ……結構な大人だよな? そんな人間に改めてこんな事言うのもなんだけどさ……()()()()()()()()()() ここは最先端VRの世界だってのに中の奴等は原始時代の流儀かよ? まったく……よし、さっき俺が言った事は訂正する。何度でも……ってのはちょっと()()()()()()()()()()?」


 男はフロアの人間に向き直った。


「次……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「………?!」


 男は……そのまま這いつくばる私だけではなく、フロアのメンバー達に向かってそう言った。


「お前等、俺がお前等の事を赦したと勘違いするなよ……お前等の中には薄々気付いてた奴もいるんじゃねえのか? まったく……気の合う人間が集まって()()()()()()()のはいいけどよ……()()()()()()()()()()や」


 フロアに居たメンバーの幾人かが……青年の言葉に目を逸らした。


「はは……耳が痛い事を……」


「いいか? ()()()()()() 俺は、()()()()()()()()()()()()()ぜ?」



 ― チンッ…… ―


 

 それは……私が、彼の()()()()()()()()()に打ちのめされた時だった。


 いつの間にかギルドフロアに上がってきたエレベーターが開き……


 そこには……

 

()()()()() ()()()()()()()()()()()()()

もしも……もしも気に入ってもらえたなら!!


いいねやブクマ、感想、レビュー……勿論☆の評価も!! 


どんな事でも……反応頂けたら嬉しいです!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)


あと……現在幾つかの作品を連載中です!


宜しければ覗いてやって下さいm(_ _)m


タワーオブチューン “人類で唯一人ダンジョンを攻略した男” ☆第10回ネット小説大賞『コミックシナリオ賞』を受賞しました!!m(_ _)m

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漂流者……叶征十郎の義勇譚

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聖杯と黒銀(クロガネ)の騎士 “(いにしえ)の鍵と覇道の帝国”

https://book1.adouzi.eu.org/n9123hu/1/

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