表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サーザンエンド辺境伯戦記  作者: 雑草生産者
第一四章 戦争と和平
227/249

二二〇

 和平交渉は暗礁に乗り上げていた。

 帝国と三国連合の外交使節団が到着して既に半月が過ぎているにも関わらず両者の全権使節は未だに顔すら合わせていない。というのも、その前段である実務担当者による協議が全く進んでいない為である。

 三国連合側は三国の独立を帝国が認めることとフェリス・ラクリア両地方の中立化を主張して譲らず、帝国側は独立を断じて認めず、フェリス・ラクリア両地方に対する如何なる介入も断固として拒んでいた。

 この状況で全権使節が公式な会談を行っても得るものは少ないだろう。それどころか、どちらかが相手側の要求に対して「拒否」の回答をしてしまえば、話し合いの余地は失われ、外交使節は帰国するしかない。和平会議の破綻は戦争の継続を意味し、この会議をお膳立てしたレオポルドの面子を潰すこととなる。全権使節の会談を行う為には、少なくとも和平条約を締結できる道筋、両者が概ね合意できるであろう妥協点ができていなければなるまい。

 レオポルドの代理として実務担当者の交渉に仲介役として参加しているネルゼリンク卿は様々な妥協案を提示し、その度に双方が持ち帰って検討するが、回答は決まって両者或いは一方が「不可」というものであった。

 その間、レオポルドは全く進まない和平交渉にやきもきしながらサーザンエンド本国や帝都のマドラス公やベルゲン伯、レイクフューラー辺境伯やハルトマン少佐、アーウェンのヴィエルスカ侯ら様々な方面と頻繁に手紙をやりとりして情報交換を続けていた。

 同様に両国外交使節もほぼ毎日のように本国と手紙を送受し、連絡を取り合っているようであった。

 帝国外交使節はラミタ郊外に宿営している警護部隊に手紙を託し、そこから発した伝令が帝都へと向かう。早馬でも片道一〇日はかかるだろう。

 三国連合側は数隻のブリッグ(砲を一〇~二〇門搭載した二本マストの小型船)をラミタとフューラーの間を往復させており、こちらは片道二日三日程度らしい。

 レオポルドはそういった両者の伝令に便乗して手紙の配達を依頼することもあった。中身を読まれる可能性はあったが、読まれても構わないような内容しか書かなければ良いだけであり、そこさえ気を付ければ早く便利である。

 このように三者はいずれも情報収集や情報交換に熱心であったが、中でもレオポルドは帝都とフューラーの双方に加え、他の地域とも連絡を取り合っていた為、より幅広い情報を収集することができていた。帝国内の彼方此方に手紙をやりとりする相手がおり、その地の情報を得ることができるのは彼の大きな強みと言えるだろう。

 各方面から届けられた手紙に目を通したレオポルドは和平交渉を加速させるべく策謀を巡らせ、手始めに帝国外交使節団の次席全権使節である皇帝軍事顧問官のランペ将軍を招くことにした。

「和平交渉の停滞は極めて遺憾である。少しでも早く交渉を進める必要があろう」

 呼びつけられた将軍はレオポルドの言葉を叱責と捉えたのか不機嫌そうな表情を浮かべる。

「一刻も早く和平を成立させねば戦況は帝国にとって極めて危機的な状況に陥る可能性がある」

「と申しますと」

「未確認情報であるが、一部の急進的なアーウェン士族がアクセンブリナと同じように帝国から離反し、カロン・フューラーと連合することを企んでいるらしい。レイクフューラー辺境伯の策略の手が伸びていると見るべきであろう。これが真ならばアーウェン軍は大挙して北上し、帝国本土に侵攻するかもしれぬ」

 これが現実のものとなれば、精強と名高いアーウェン槍騎兵の軍勢に帝国本土は蹂躙され、リンデリウムに展開し、三国連合軍と対峙している帝国軍主力は後背を脅かされることとなる。

 元よりアーウェンは皇帝を形式的には君主として頂いているが、実質的には独立した勢力を形成しており、忠実な属国とは全く言い難い。反帝国急進派のアーウェン士族は以前から独立を主張しており、その動きは近年活発化しているという。帝国の弱体化を好機として独立を主張する声が高まることは当然の成り行きとも言える。

 実際、ヴィエルスカ侯からレオポルドへの手紙にはそのようなことが書かれていた。とはいえ、それは多数の支持を受けているわけではなく、ほとんどのアーウェン士族は事態を静観しているらしい。

 また、レイクフューラー辺境伯とアーウェンの繋がりはほとんどなく、何らかの影響力を及ぼしている気配はないようだ。

 もっとも、そんなことを親切に教えてやる必要などないだろう。帝国側にはレオポルドよりもアーウェンと親密に情報交換ができて、その内実を知ることができる者などいないのだから。

「それは事実なのですか」

 深刻な表情のランペ将軍にレオポルドは重々しく頷いて見せる。

「そのような動きがあることは間違いないが、アーウェンは一枚岩ではない。今はまだどちらに付くか逡巡している者も多いようだ。私も旧知のアーウェン諸侯や士族に皇帝陛下に弓引くなどという無謀を起こさぬよう説得はしている」

 さり気無く自身のアーウェンへの影響力を言葉にしながらレオポルドは話を続ける。

「しかし、このまま戦争が長引けば、三国側に立って参戦すべきという主張が賛意を得るような流れにもなりかねんだろう。そうなった時には手遅れだ。三国側は戦争を続けるか或いは和平の条件をより高く吊り上げるだろう。アーウェンが反帝国で固まれば、我が軍に参加しているアーウェン兵も陣を引き払いうだろう。それに私も急ぎサーザンエンドへ戻らねばなるまい」

 アーウェンが三国側に立って参戦すれば戦況が一変することは間違いない。そして、それは帝国にとって良い材料ではない。最悪と言えるような事態を招く危険すらあるだろう。

「故に今、和平を結ぶ方が宜しいということですか」

 険しい顔つきのランペ将軍にレオポルドは再び首肯した。


「先程の話ですが、何故、将軍だったのですか」

 ランペ将軍が帰った後、ネルゼリンク卿が尋ねた。レオポルドならば全権使節のオットベルク伯と直に話すこともできる立場である。にも関わらず一段低いランペ将軍を相手に選んだ理由が気になったらしい。

「言うまでもなく軍事や戦争は政治や外交の一部分に過ぎない。戦争に勝っても政治的には意味がないこともあるし、戦争に負けても外交で勝てることもある。しかし、軍人というのは軍事的な要素で大局を判断することが多い。今なら勝てる。今なら負ける。というのが彼らの判断基準だ。まぁ、それが仕事だからな」

 つまり、今回、レオポルドはアーウェン軍という軍事的な要因を餌に説得を行ったので、その相手はランペ将軍が適格だろうという判断したのである。

「あとは将軍がオットベルク伯や枢機卿を説得できるかどうかだが、まぁ、このままでは戦争に負けると将軍に言われて和平を結んだ方が得策だという姿勢になってくれれば良いのだが」

「そう願いたいものですな」

 レオポルドの言葉にネルゼリンク卿が頷く。

「それで、三国側は如何なさいますか」

「そっちには手紙を書く。レイクフューラー辺境伯が和平と言えば、向こうは和平だろうからな」

 この戦争の首謀者がレイクフューラー辺境伯であることは言うまでもなく、女王キスレーヌはカロンを参戦させる為に担ぎ上げられた存在に過ぎず、カロン・フューラー・アクセンブリナ三国連合の政治的な実権を握っているのは辺境伯であるというのがレオポルドの認識であった。

 よって、レイクフューラー辺境伯を説得さえすれば三国外交使節団は和平交渉を加速させるべく何らかの譲歩に応じるだろうと考えたのである。


 しかし、それは大きな誤りであった。

 手紙を出した数日後、フューラー王国国務卿ノダール伯とカロン王国外務卿カンターベル伯に面会を求められたレオポルドは嫌な予感を抱きながら馬車に乗り込み、坂の下へと走らせた。

「貴公がレイクフューラー辺境伯と昵懇の間柄であることはよく存じておる。貴公が信頼に足り得る存在であるとも聞いておるところだ」

 椅子に踏ん反り返ったような姿勢で座り、神経質そうに口髭の先を摘みながらカンターベル伯が言った。

 隣に座ったノダール伯は感情の読めない顔でむっつりと黙っている。

「しかしながら、此度の和平会議において三国連合の全権を委任されておるのは私とノダール伯である。レイクフューラー辺境伯がどのようなつもりで何を言ってこようが、それは交渉に何らの影響を与えるものではなく、あくまでも和平交渉の責任は我らにある」

 要するにレオポルドが自分の頭越しに本国と直接話を付けようとしたことが気に食わないらしい。

 どうやらこの傲岸とした様子のカロン貴族はレイクフューラー辺境伯の命令通りに動くという人物ではないようだ。三国連合も一枚岩ではなく、内実は色々とあるのだろう。

 両伯の対面に座ったレオポルドは「拙いことをしてしまった」という内心を平然とした顔の裏に押し隠して口を開く。

「両伯閣下が三国側の全権使節であることは十分承知しているところです。ただ、閣下が仰られた通り、私とレイクフューラー辺境伯は浅からぬ付き合いがあります。そのような個人的な関係により、交渉が停滞を見せている現状について相談をさせて頂いたまでのこと」

 レイクフューラー辺境伯への手紙はあくまでも個人的な相談であるという言い訳である。

「まぁ、良かろう。それはともかくだ」

 カンターベル伯は不機嫌そうな表情を崩さなかったが、レオポルドの弁明に納得したのか、或いは実際には言うほど気にしていなかったのか、あっさりと話題を変えた。

「和平交渉が進展を見せていないことは我らとしても望むところではない」

 両伯は帝国と和平を結ぶという使命を帯びてやって来ているのだから当然と言えよう。

 そもそも、より和平を切望しているのは三国連合の方なのである。

 今のところ、三国側はヴィトワ川の戦いとロアン岬海戦に立て続けて勝利し、優勢に立っているものの、全体の国力は帝国が三国合計の数倍にもなるだろう。帝国が新たな軍隊を動員し、前線に次々と増援を送り込んだ場合、三国連合はいつまで戦い続けることができるだろうか。

 もっとも、それは帝国としても大きな負担であり、帝国をより一層弱体化させることになる為、長期戦は両者にとって都合の悪い展開と言える。

 よって、早期の和平を望んでいるという点において両者は合意できるはずなのだ。

「しかしながら、帝国側の言う条件ではとても和平など結べるものではなかろう」

 それでも和平交渉が進まないのは、やはり、相手方が提示する条件が相容れぬものであるからに他ならない。

「我々の要求は一貫しておるのです。現状を追認すること。それ以上を望んでいるわけではないのです」

 それまで聖人像のように黙って座っていたノダール伯が予言を告げる賢者のような重々しい調子で言った。

「カロンは勿論のこと、既にフューラーもアクセンブリナも皇帝陛下の御手の届かぬ所へ離れてしまっているのです。帝国は現実をありのままに受け入れるべきでしょう。失ってしまった物にいつまでも固執することは陛下の名誉にも係わることです。決断から逃避を続けるべきではないと存じますな」

 ノダール伯の言葉にカンターベル伯もしたり顔で頷く。

「皇帝は我々に忠誠を求めることを諦めねばならぬ。それができなければ話は進まぬ」

 三国が帝国から独立した立場にあるということは譲れないというわけである。その条件はレオポルドも理解しているところだ。

 しかし、三国側の要求には帝国にとって到底受け入れられないようなものも含まれている。その最たるものがフェリス・ラクリア両地方に帝国軍を駐在させないという要求だ。

「フェリス・ラクリア両地方は三国連合の領土というわけではございますまい。彼の地の領主たちはキスレーヌ女王陛下の軍に降伏はしておりますが、臣従を誓ったわけではなく、女王陛下も彼らを臣下としたわけではないと理解しておりますが、如何か」

 レオポルドの問いに伯は暫く考えた後、やはり重々しげに口を開く。

「如何にも辺境伯閣下の申される通り。両地方は三国連合の領土というわけではなく、その支配権を要求しているわけでもございませぬ。これまでも両地方はフェリス人、ラクリア人それぞれの自由の任されておったものをそのままにしようという提案をしているまで」

「これまでの慣習に反して皇帝が両地方に兵を置けば三国との間に余計な摩擦が生じる恐れがある。それを防止する為には両地方を緩衝地帯とするのが肝要であろう」

 確かにこれまで帝国はフェリス・ラクリア両地方に皇帝の直属軍を常駐させたことはなく、その統治は基本的に在地の中小領主たちに任され、ほぼ放任されていた。

 とはいえ、それは大陸東岸のフューラーまでが帝国領であり、国境ではない内陸辺境地に過ぎなかったからである。フューラーが独立すると両地方は国境地帯に変わり、その重要性が高まるのは必然と言えよう。

 国境地帯に国土防衛の為の兵力を常駐させることは国家の当然の権利であり、それを制限するというのは無理があろう。

「フェリス・ラクリアの領主たちは皇帝陛下の臣下であり、それに異議はなかろうかと思います。主君である陛下は彼らを保護する義務がある。その義務を果たすべく陛下の軍を進駐させることもあり得ましょう。無論、それはその地の領主の同意を要するところですが」

 臣下である領主たちが皇帝に付き従うのは、その見返りとして、彼らの特権が認められ、様々な危機から保護されている為である。君主に従うことは臣下の義務であり、臣下を保護することは君主の義務である。これに様々な条件や特権が付随することも多い。主従関係というものは一種の契約であり、双方に権利と義務が生じ、当然ながらその契約は遵守されねばならず、それが反故になれば主従関係は破綻してしまう。

「両地方に帝国軍が駐屯することを一切禁止してしまえば、陛下は臣下を保護する義務を果たすことが不可能となってしまう。いわば、臣下を見捨てよと言うに等しく、陛下がこれに応じるとはとても思えません。このような無理を申されては和平など成り立つはずもない」

 皇帝が臣下であるフェリス・ラクリアの領主たちを保護する義務を放棄することの影響は両地方に止まるものではない。その影響は他の臣下、つまり、帝国諸侯や他地域の領主たちにも及ぶ。臣下を保護する義務を放棄してしまうような君主に従い続ける者などいようか。

 果たして自らが危機に陥った時、君主は契約通りに保護してくれるのか或いはフェリス・ラクリアと同じようにその義務を反故にするのかという不安が帝国中に蔓延し、皇帝への信用は地に落ちることとなろう。

 フェリス・ラクリア両地方への帝国軍駐屯の禁止という要求は、皇帝と諸侯・領主たちの主従関係を崩壊させ、帝国を自滅させかねないような危険なものであり、皇帝にとっては到底受け入れることなどできないものなのである。

「両伯閣下は帝国との和平を取り結ぶ為、ここに参られたはず。和平が成るよう今一度お考え頂きたい」

 レオポルドの言葉に両伯はむっつりと黙り込む。

 暫くの沈黙の後、ノダール伯が白髭をゆっくりと撫でてから答えた。

「なるほど。辺境伯閣下の仰ることも道理。今一度よくよく考えるといたしましょう」


 三国連合全権使節両伯との会合の翌日、レオポルドは帝国側の首席全権使節オットベルク伯に面会を求め、許しを得ると馬車に乗り込み、坂を上らせた。

「相手方は独立という文言に拘っておるようだが、全く理解できませんな」

 椅子にどっかりと座ったオットベルク伯は肥満体に似つかわしくない甲高い声を発する。

「国王に任ずるという前例無き格別の名誉に与ろうというに、それを不服と申すは傲慢というものであろう」

「しかしながら、カロンの王は元より皇帝陛下の臣ではございません。アクセンブリナの民も陛下に臣従を誓っているわけではありませんでした。そして、フューラーは陛下に従うことを止め、カロンの女王に仕えることとしたのです。これを咎めようとした陛下の軍は敗れ、今や三国のみならずフェリス・ラクリア及びリンデリウムの東部までもが相手方の支配下にあるというのが現状なのです。この事実を否定し、あくまでも陛下からの恩寵という形で国王位を授けるのは不可能かと思われます」

「私も現状を否定するつもりはない。カロンは勿論のこと、フューラーもアクセンブリナも帝国から離れてしまっている。失ったものを取り戻すことを否定はせんが。今ではない」

 そう言って伯はどこか皮肉めいた笑みを浮かべて鼻を鳴らす。

「しかし、白亜城ではそのように考えておる者ばかりではないのですな。レイクフューラー辺境伯の姑息なる裏切り、謀反人の子でありながら所領の一部を安堵した恩に仇なし、陛下の信頼を踏み躙った卑劣な振る舞いは断じて許されるものではないという声は決して小さなものではない。そこに現状を認めろと言っても素直に頷けるものではなかろう。私がうんと言っても、強硬な連中はうんとは言うまい。となれば、陛下も和平を受け入れることなどできんでしょう」

 レオポルドは渋い顔で黙り込む。伯の言う通りならば、和平など到底成立しないということになってしまう。では、伯ら帝国外交使節は一体何しに来たというのか。

「とにかく、独立という文言が入っては拙い。これでは誰も首を縦には振れんでしょう」

「先に申し上げた通り、三国側は国王に任命するという文言では受け入れられないと思われます」

「じゃあ、独立も任命も用いないようにするしかない」

 レオポルドは少し考えてから言った。

「……皇帝陛下が三国国王の地位を認めるという文言では如何」

 この文言では、皇帝と三国国王が対等な関係なのかそうではないのか。独立した勢力として認めるのか帝国内の特権ある地位として認めるのか。どちらとも読める曖昧な表現となってしまうが、双方の立場と矜持に配慮するならば、これくらいあやふやな書き方にした方が良いのかもしれない。というよりも、そうするしか双方が受け入れる方策はないように思われた。

「悪くはないですな。相手方がそれで良いというなれば」

 少なくともオットベルク伯は満足らしい。

 翌日、レオポルドは再び三国側全権使節の両伯に面会を求め、馬車に坂を下らせた。

 早速、オットベルク伯と合意した「皇帝が三国国王の地位を認める」という文言を提案すると両伯は難しい顔をして小声で囁き合った後、首を横に振った。

「これでは不十分ですな」

 カンターベル伯は相変わらずの不機嫌そうな顔で言った。

「将来、キスレーヌが死去した際、帝国が三国国王の地位はキスレーヌにのみ認めたもので、その後継者は国王として認めない主張するようなことがあれば、再び戦争となりかねぬ。そうならぬよう三国国王の地位が後継者によって継承されることも含めて認める必要があろう」

「では、後継者への継承が保証されれば問題ないということで宜しいでしょうか」

 レオポルドが確認すると両伯はちらりと互いの目を見た後、ゆっくりと頷く。

 交渉が一歩或いは半歩かもしれないが、とにかくいくらかは前進したように思われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ