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自覚

2人は何度もキスをしていた。


「ん…アーヴィン様…もう…」

「ごめん、もうちょっと…。」

「待って…ん…」



セシリアの言葉を遮りまた何度もキスをするアーヴィン。



「ア、アーヴィン様、本当にもうおしまいです!ちょっと苦しいし…。」

「ごめん…でも嬉しくて。今日からは容赦なくキスするから覚悟して。朝起きた時と寝る時は必ずするから。」

「え、ええ…そんなに…?」

「俺、好きな子とは片時も離れていたくないみたい。今まで人を好きになることなんてなかったから分からなかったけどだいぶ愛が重いみたい…でも許してくれるよね?セシリア…」


セシリアは少し苦笑いをする。


「お、お手柔らかにお願いします。」

「フフッ…善処するよ。それと…家の外には1人で出ないこと。後は…なるべくソクラテスや他の男性にも笑顔を振り撒かない事。…いいね?」

「アーヴィン様本当に重いですね…」

「え!?…嫌になったか?」


アーヴィンは少し焦った。


「フフッ…嫌になる訳ないじゃないですか!私はアーヴィンが心配とか不安にさせないように努めますね!………ところで……。」


「どうした?」


「あの…お義姉様の事ですが、もうお家に帰られたのでしょうか?」

「いや…セシリアの義姉はこの家にまだいる。」

「この家にですか!?」

「ああ、彼女の犯した過ちを償って貰いたくて地下牢に閉じ込めているんだが、そろそろ彼女を警護隊に連れて行ってもらおうと思っていたが、ディミトリア伯爵が待ったをかけたんだ。」

「お父様が?」

「まぁ、実際には母親の方だろう。」

「ただ、伯爵が戻ってきてから引き取りたいと申し出上がってね。来週には君の父親と義母が来る予定だ。」

「そう…なんですね。」

「もし、彼女がここいるのが嫌なら追い出すことも可能だがどうする?」


セシリアは少し考えて答えだした。



「アーヴィン様、お義姉様と会う事は出来ますか?」

「義姉と!?大丈夫なのか?」

「多分会うとなると恐くなるかもしれません。…だけどどうしても話したいんです。」

「そうだな…俺も一緒に行こう。それなら可能だ。」

「いいんですか?それに、一緒に行ってくれるんですか?」

「心配だからな…義姉は何をするか分からない。山で見つけた時も頭から血を流していたんだ。」

「そうだった…私馬車に無理やり入れられた時にぶつかって…」

「なるべく義姉には近づかないように距離を保って欲しい。」

「分かりました。我儘を聞いてくれてありがとうございます。」



アーヴィン様は心配そうに笑っていたから本当は行かせたくないんだろうなと感じたけれど…その日の夜私達は地下室へと足を運んだ。

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