目を覚ましたセシリア(1)
「う……ん…あれ?」
セシリアが目を開けると見慣れた部屋にいた。
「奥様!!目を覚されたんですね!?」
「ミサ…?私…何してたんだっけ…?」
「奥様は山の中で倒られてから3日間も眠っていたんです。」
「3日間?!」
「頭の怪我と熱もありましたし…かなりうなされておりました。」
「そう…」
(記憶が曖昧であまり覚えていない…)
「奥様、今旦那様をお呼びしますのでそのままでお待ち下さい!」
ミサは急いでアーヴィンを呼びに行った。
「私…何してたんだっけ…たしかお義姉様が来て2人で話してたはずだけど…あれ?お義姉様は帰ったのかしら?」
セシリアは曖昧な記憶を思い出そうと考えていた。
「セシリア!!」
勢いよくドアを開けセシリアに近づくアーヴィン。
「セシリア…良かった…ずっと心配していたんだ。」
「…アーヴィン様…ごめんなさいご迷惑をお掛けしてしまいました…」
「いいんだ。目覚めてくれて本当にホッとした…」
アーヴィンはセシリアを抱きしめた。
「本当に…怖かった、気が気じゃなかったよ。セシリアを失いたくなかったから…」
アーヴィンをよく見ると目にクマが出来ていて疲れている顔をしていた。
「アーヴィン様は…体調は大丈夫なんですか?クマが出来てます…」
セシリアはアーヴィンの目の下に触れた。
「奥様、旦那様は奥様が眠っている間仕事以外睡眠時間も削ってずっと心配で傍にいたんです。少しお休みになって欲しいのですが聞く耳持たなくて…奥様も旦那様に言って下さい。」
「そうだったのね…ミサ、ありがとう。私思い出したわ。お義姉様に馬車に乗せられて山の中にいたのよね?アーヴィン様とミサが迎えに来てくれたのよね…私、本当に迷惑ばっかりかけてるわね…」
「そんな事ありません!!迷惑だなんて…今回のことはあの女が…」
「シッ!待って!」
セシリアは急に小さな声でミサを止めた。
「ミサ、アーヴィン様寝てる…」
「え!?旦那様寝ちゃったんですか?信じられない…」
よく見るとセシリアに抱きつきながらアーヴィンはそのまま寝ていた。
「えぇ…こんな旦那様初めて見ました…。余程安心しきったのでしょうか」
「私本当に心配かけさせてしまったのね…今はゆっくり寝て欲しいけど仕事中なのよね?…どうしよう。」
コンコンとドアをノックする音が聞こえ、ドアを見るとソクラテスが立っていた。




