合流(2)
「旦那様、雨が強くなってきました。雨宿りするもなさそうです…奥様が心配です。」
「無事でいてくれる事を祈るしかないな。それよりも早く見つけ出すぞ!」
「はい。」
辺りは暗くなり、周りの様子も見えづらくなってきていた。
「旦那様、コレ新しい血の跡が…もし奥様のものでしたら近くにいるかもしれません。」
「血…?怪我をしているかもしれないのか…急がないと!」
2人は焦り始める。
「奥様ー!聞こえますか!?聞こえたら返事してください!!」
「セシリアー!!何処にいる!?」
暫く声を掛けても返事はなかった。雨足も少し強くなってきていた。
「旦那様、私はもう少しこの辺りを探してみますので先を探されてはいかがでしょうか。」
「ああそうだな。少し先に行って探してみる。」
「承知しました。」
(セシリア…頼む無事でいてくれ…!!)
「セシリアー!!」
暫くの間アーヴィンは名前を呼びながら探していたがなかなか見つからず立ち止まった。
「セシリア……」
アーヴィンが立ち止まっていると後ろからドサッと物音が聞こえてきた。
後ろを振り向くとセシリアが横になって倒れていた。
「セシリア!!」
アーヴィンが近づくとセシリアの頭から血が流れているのを発見した。
「セシリア!セシリア!!大丈夫か!?」
セシリアは目を覚ました。
「ア…アーヴィン様…?」
「ああ、そうだ。もう大丈夫だ、迎えに来た。」
「良かった……」
セシリアはまた目を閉じて眠ってしまった。
アーヴィンはセシリアを抱えてミサのところへ行く。
「ミサ!セシリアが見つかった。」
「奥様!?旦那様、奥様は…」
「大丈夫だ。今は眠っているだけだが、体が熱い。恐らく頭の怪我とこの雨で熱が出ている。早く戻るぞ。」
「承知しました。」
ミサとアーヴィンは急いでヴェリエール家へ戻った。




