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アーヴィンの嫉妬(2)

「旦那様、失礼します。」


ミサと私は執務室のドアの前に立っていた。

ドアを開けて覗いてみると、殴られて倒れているソクラテスが見えた。


「ソクラテス!」

ミサは慌ててソクラテスに駆け寄る。


「アーヴィン様…もうやめて下さい!」

セシリアはアーヴィンを見ると、アーヴィンは冷たい視線のままじっとセシリアを見つめ返していた。


「何故止める?セシリア…どうして他の男…しかもソクラテスに触られるような距離でいたんだ?セシリアは俺の妻だろう?ソクラテスが好きなのか?」

「ち、違います!」


違うと否定するセシリアを信じられないアーヴィンは苦しそうに笑う。


「すまない…セシリアの言葉を信じられない。俺はセシリアが他の異性といる事がこんなにも嫌だったんだと思い知らされたよ。だからもう執務室へは来なくていい。俺の部屋から一切出るな。」

「え……?」

「旦那様、奥様の話も聞いてあげてください。」

「ミサは黙ってろ。」


アーヴィンはミサの言葉に聞く耳を持たずにセシリアに近づく。


「アーヴィン様、ま、待って…。」


セシリアは怒っているアーヴィンが怖くなり後退りをする。


アーヴィンはセシリアの手を掴み、部屋から出ようとした。


「奥様!旦那様にしっかり自分の気持ちを伝えてください!」

「ミサ…分かったわ。」


アーヴィンはセシリアの手を引っ張り自室へ戻ろうと廊下を早歩きで歩いていた。


「アーヴィン様、待ってください!話があるんです。」

「部屋で聞こう。」

「部屋じゃなくて…今話したいんです!」


アーヴィンはピタッと止まりセシリアの方を振り向く。


「セシリア…俺はもう不安でたまらないんだ。セシリアが他の所へ行こうとしているのを見ていられない。早く俺の部屋へ閉じ込めてどこにも行かないようにしないと気が気じゃないんだ…だから……俺から離れるなんて絶対に考えないで?」


「アーヴィン様…」


アーヴィンはセシリアを抱きしめた。


「絶対に逃してやらない…」

「え……?」


(アーヴィン様…何でそんなに不安になってるの…?勘違いを早く解かなきゃ…)


アーヴィンはまたセシリアの手を引っ張り自室の部屋に入った。



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