アーヴィンの嫉妬(1)
「そうね…アーヴィン様とちゃんと話さなきゃよね。ソクラテス、本当にありがとう。元気出たわ!」
2人がクスッと笑っているとドアがバンッと大きな音で開いた。
「お前ら、何をしている。」
セシリアが振り向くとアーヴィンが2人を睨んでいた。
「ソクラテス…今セシリアに触ったか?」
アーヴィンはソクラテスを見下ろす。
「いえ、その…旦那様これは…」
「言い訳はいい。今触ったのかと聞いている。」
「アーヴィン様…違うんです!」
「セシリア、君は黙って。」
(え…アーヴィン様怒ってる…変な誤解をしているかもしれないどうしよう…)
ソクラテスはセシリアを庇うように前に立った。
「旦那様、大変失礼致しました。奥様が少し元気がなかったので元気付けようと…」
アーヴィンはソクラテスの言葉を遮り顔を殴った。
「アーヴィン様やめて下さい!」
「……セシリア、何故ソクラテスの肩を持つ?絆されでもしたか?」
アーヴィンの怒りと冷たい目に少し怯えるセシリア。
「お前達、いつから俺の目を盗んでそういう事をするようになった?」
「そういうって…アーヴィン様本当に違うんです!」
「もういい、セシリアは外に出ていろ。ソクラテスと話したい。」
「アーヴィン様!」
「いいから出なさい!!」
「………はい…」
セシリアは何も言えずに部屋を出た。
(どうしよう…。誤解されてしまったままだ。あんなに怒ってるアーヴィン様初めて見た。怖くて何も言えなかった…)
「奥様…?どうされましたか?お仕事の補佐は終わられたのですか?」
廊下を歩いているとミサがやってきた。
「ミサ!どうしよう…アーヴィン様がソクラテスを殴ってしまって…」
「旦那様が…!?」
セシリアはミサに事の発端を全て話した。
「ソクラテス、あいつ距離感間違えたな…」
「え?何?」
「いえ…奥様、私は旦那様とソクラテスの様子を見に行かせて頂きますが一緒に来られますか?」
「ええ。でも来るなって言われてしまったし…。」
落ち込むセシリアを見て優しく微笑むミサ。
「奥様と旦那様は、しっかり話し合わないといけませんから一緒に行きましょう。このタイミングを逃したらきっとすれ違いが起きてもっとしんどくなりますよ?」
「そうよね…分かったわ。怒られてもいいから私も執務室に戻るわ!」
セシリアは意気込みながら部屋へ向かった。
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