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本音(1)

アーヴィンとミサは2人で部屋を出ていく姿を見ながらモヤモヤとしてしまうセシリア。


(アーヴィン様はミサと昔からずっと一緒にいるって事よね。私何でこんな気持ちになってるんだろう…契約結婚なんだしこの関係に愛なんてない…筈なんだけど最近のアーヴィン様の態度はまるで本当に私の事が好き…みたいな…)


今までのアーヴィンの接し方を思い出していると顔が赤面していくセシリア。


「ダメだ!思いあがっちゃダメ!これは契約結婚で周りに仲の良い夫婦を演じているだけ。数年後には私はここを出て1人で……ひとりで…」


(皆が優しくしてくれるこの環境に慣れてしまったせいで1人になる事が寂しくなるなんて思いもしなかった…それに、元の世界に戻った所で何年も経ってたら私の居場所なんてあるのかな…)


セシリアは孤独が怖くなり涙が出る。


(だ、だめだアーヴィン様が帰ってくる前に泣き止まないとまた心配される…)


泣かない様にと思えば思うほどポロポロと涙が出てきてしまう。


「こんな弱い自分が嫌だ…」

「セシリア…?」


後ろからアーヴィンの声が聞こえてきた。


「ア、アーヴィン様…」

「どうして泣いている?」

「なんでもないんです…本当にごめんなさい。」

「……」


アーヴィンはセシリアの隣に座った。


「セシリア、言いにくいのなら無理しなくていい。ただ俺に出来ることならセシリアの悲しみを拭いたいんだ。話せるか?」


(アーヴィン様やこの家から…離れるのがどんどん辛くなる程私は甘えて弱くなってしまったなんて恥ずかしくて言えない…)


「アーヴィン様、ありがとうございます。私は……とても弱い人間なんだなって…」

「弱い?セシリアは弱くない。でも俺はセシリアが弱くても何でもいい。セシリアを守るし甘やかしたい。そばに居てくれるなら何でも…」

「アーヴィン様…そんなこと言ったら甘えてしまうので言わないでください。」

「どんどん甘えて欲しい。構わないから。」

「フフ…やっぱりアーヴィン様は優しくて心地…良い……」


セシリアは安心してそのまま眠りについた。

アーヴィンはずっとセシリアの頭を撫でる。


「もっともっと甘えて。1人じゃ生きられないくらいに甘やかしてあげるから。俺から離れると不安になるくらい愛してあげるよセシリア……」

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