表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/75

シエル(2)

「承知しております。安心してください旦那様。」

「いや、安心出来ん。お前、絶対セシリアの様な女性が好みなのは私が知っている。」


セシリアとソクラテスは目を丸くした。

ソクラテスはハァとため息を吐く。


「旦那様…私は旦那様の奥様を攫うつもりも好意を持つつもりも毛頭ありませんし、好きな女性のタイプも違います。」


「そ、そうよ!こんなちんちくりんをお兄様が好きになるはずないわ!」


後ろからシエルが会話に入ってきたがシエルをソクラテスは捕まえた。


「旦那様、奥様、うちの妹が大変失礼いたしました。十分に聞かせておきますのでご容赦を。」

「な、なんでよ!私もこのお家の一員なんだから自由に出入りしても良いじゃない!」


「シエル、後で話をしようか。たーっぷりとね…。」


ソクラテスは表情は笑顔だが眉はピクピクと動き怒りを抑えている。


「あ、あ〜!そうそう!私、ここに来た理由を忘れてましたわ〜!」


シエルはソクラテスの怒りから逃げる様にアーヴィンに顔を向け話を逸らす。


「私、お兄さまに今度の社交会でのパートナーをお願いしようと思っていますの…。お願いできますか?」


シエルはアーヴィンの腕に手を添えながらピッタリとくっつく。


「シエル!奥様がいらっしゃる旦那様にパートナーをお願いするなんて…旦那様、大変失礼しました。」


ソクラテスは慌てて謝罪する。


「……シエル、私はもう妻がいる身だ。パートナーにはなれない。」

「……そんな…社交会ではお兄さまがいつもパートナーになって下さっていたのに…」


シエルは泣きそうになっていた。


「そうですよね…。でもこれで最後にするので私のパートナーになって欲しいんです。もうこれからはこんな事いいませんから。」


上目遣いでアーヴィンを見つめるシエル。



さっきまではしっかり断っていた2人だったが、今のシエルの言葉には断りづらい雰囲気だった。



「あの、アーヴィン様。」


少し気まずそうにセシリアの方を向くアーヴィン。


「シエル様のお誘いを受けてあげて下さい。」

「だが、私は既婚者だ…」

「シエル様には何かご事情がおありなのでしょう?私は大丈夫です。」


ニコッと優しく笑いかけるセシリア。


「セシリア…すまない。今回だけシエルの誘いを受けるが今後はセシリアとしかパートナーにはならない。約束する。」


「ちょっと何?私の前で良い雰囲気にならないでよね!今回は私のパートナーなんだから!」


勝ち誇った顔でシエルはアーヴィンと腕を組む。


ズキンと心が痛むセシリアは顔に出さない様に必死に笑顔を保った。




ブクマや★★★★★をポチポチ押して応援してもらえるととても励みになります…!よろしくお願いします・・・!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ