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捜索(1)

「セシリア!セシリアどこだ!?いたら返事をしてくれ!」

「奥様!!いらっしゃったら声を出してください!」


2人は大きな声でセシリアを呼び続けた。


「セシリアー!!」


アーヴィンが呼ぶと微かに何処からか声が聞こえてきた。


「奥様どこにいますか!」

「シッ…ミサ静かに…。今声が聞こえなかったか?」


2人は耳を澄ます。遠くで微かに声が聞こえるが何を言っているか分からない。セシリアの声かも分からず2人は声のする方へと歩いていく。


「旦那様!危ないです!!そこは急斜面になっています!」


キョロキョロと探している内にアーヴィンは急斜面ギリギリに立っていた。


「…さま!…………ヴィン様!」


声がどんどん近くに聞こえてきたアーヴィンはその声がセシリアだと気づく。声がする方へと歩き進めるアーヴィン。


「ミサ、セシリアの声がする!下からだ!」


ミサも後を追いアーヴィンの所に行って下を見下ろす。


「奥様!!」


ミサはセシリアを発見し、大声で呼んだ。

セシリアは泥だらけになり座っていたがアーヴィンとミサを見て笑顔で手を振る。


「アーヴィン様!ミサ!きてくれてありがとう!メイドの子がまだ気絶して起きないのー!」


「セシリア今行く!ミサ、すまないがソクラテスを呼んで来てくれ。後何人か応援も。」

「承知致しました。」


ミサは走って屋敷へと戻っていった。


アーヴィンはセシリアの方へ向かう為急斜面を降りる。


「旦那様…申し訳ありません。メイドの子が盗みを働いてるなら捕まえないとと思って追いかけたらこんなことに…」


セシリアは安堵と申し訳なさでいっぱいになり俯く。

そんなセシリアをアーヴィンは抱きしめた。


「だ、旦那様…服が汚れてしまいます!」

「構わん。セシリアが居なくなってどれだけ動揺したか…。」

「申し訳ありません…ご迷惑をかけてしまいました。」

「いや、そうじゃない。俺は…」


(俺はいつの間にこんなにもセシリアを好きになってしまっていたんだろうか…彼女が居ないなんて考えられない…)


アーヴィンは更にギュッと抱きしめる。


「ア、アーヴィン様…?」

「セシリアは心配で目を離せないな…。」


アーヴィンはクスッと笑う。


「うぅ…申し訳なさでいっぱいです。」

「でも無事で良かった。元の世界に戻ってしまったのかと少し思ってしまったよ。」

「元の世界…」

「それより怪我はないのか?!どこか痛むか?」


アーヴィンはセシリアの体に怪我がないか確かめる。


「実は…足を捻ってしまったようで立つことが出来ないんです。」


セシリアの足首は腫れ上がっていた。


「これは1人じゃ起き上がれないな…応援が来るまで待とうか。」


アーヴィン様は私の隣に座った。

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