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仕事が出来る人(2)

セシリアが部屋から出た後、アーヴィンとソクラテス2人になった。


「ソクラテス…どう思う?」

「正直に申し上げますと、ふわっとした雰囲気があるのであんなに出来る子とは思わなかったです。鋭い所もついてきて、考え方も斬新。何より和平的な解決策を提示してくる面では貴族らしからぬと言いますか…旦那様以外にもああいう考え方の人間がいるんだなという感想です。」

「そうだな…。俺以上に領民の事を考えている所も驚いた。」

「あの子…凄いですね。」

「ソクラテス…セシリアに惚れるなよ。」

「旦那様が恐ろしくてそんな気も起きませんよ。さぁ、余談はここまでにして仕事に戻りましょう。」

「ああ、そうだな。」


アーヴィンは嬉しそうに少しだけ口角を上げた。




ーーーーーヴェリエール家・庭園ーーーーー


セシリアはミサと一緒に庭に来ていた。


「奥様、庭がお気に召されたんですか?」

「うん。この世界に咲いている草花と元の世界の草花が同じだから凄く落ち着くの。殆ど記憶が薄れちゃったけど草や花だけは何となく覚えているから。」

「そうですか。また庭に来る時は旦那様と一緒に来てはいかがですか?」

「アーヴィン様?花が好きなの?」

「いえ…ご夫婦で庭園の散歩もいいのではと…」

「そうね…でも契約結婚だし…」

「奥様…」

「メイド長!少しだけよろしいでしょうか…」


ミサが何かを言いかけた時にメイドが慌てながらミサに駆け寄ってきた。

メイドの話を聞きながらため息を吐き、セシリアの方を向いた。

「奥様…大変申し訳ございません。メイドが1人行方不明になったようで一緒に探しに行かせて頂いてもよろしいでしょうか?」

「構わないけど…私も一緒に探そうか?」

「いえ、奥様の手を煩わせるわけにはいきません。この後はどうぞお部屋でお過ごしください。」

「分かったわ。」


ミサはメイドと一緒に家の中へと入っていった。


(ミサってメイド長だったのね…知らなかったわ。年齢も若そうなのに凄いわ。)


セシリアは部屋に戻る前に少しだけ庭を散歩しようと歩いていた。


セシリアが花に見惚れて立ち止まっていると誰かがドンとぶつかり、セシリアは地面に倒れた。


「痛…っ。なに…??」


顔を上げると同じようにぶつかって尻もちをついているメイドがいた。

メイドの周りには貴金属や高価そうなアクセサリーが散らばっている。


(もしかして…この子が行方不明になったメイド!?)


メイドばチッと舌打ちをして散らばった貴金属を慌てて拾い逃げ出した。


「あ!待って!!」


セシリアはメイドの後を走って追いかけた。


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