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セシリアの本音(1)

朝食を済ませたセシリアはミサと一緒に庭にいた。


「ねぇ、ミサも私がファネットお義姉様では無い事知っていたの…?」

「そうですね。私は数年前にファネット嬢をお見かけした事があります。その時の雰囲気と違ったので疑問に思っていました。」

「そうだったのね。ミサにも謝らなきゃだわ…騙してしまって本当にごめんなさい。」

「そんな…私の様な立場のものに謝らないで下さい奥様。」

「ミサは私の事軽蔑してるわよね…嫌いになった?」


上目遣いのセシリア。その表情が可愛すぎてたまらないミサ。


「奥様…。奥様の事が嫌いなら最初から私は奥様に仕えていません。もし嫌いなら恐らく奥様は今生きていないでしょう。」

「え!?私はミサに殺されてたかもしれないの!?」

「……例えばの話です。冗談を言いすぎました。」

「ビックリした…ミサも冗談なんて言うのね。」

「私は奥様に日々幸せに過ごしてほしいと思ってますし大切な人です。」

「ミサ…!ありがとう。私ミサの事が大好きよ!」


セシリアはミサに抱きつく。


「ありがとうございます…」


ミサはセシリアが妹の様な存在で可愛くて自然と笑顔が溢れる。


「…日差しが少し強くなりましたね。もうお戻りになりますか?」

「いえ、もう少しここに居たいわ。いいかしら?」

「畏まりました。日傘をお持ちしますので木陰で待っていて下さい。」

「分かったわ。」


ミサが日傘を取りに行っている間、セシリアは1人で大きめの木の下で休んでいた。

近くにあったクローバーを見つけてセシリアは近づく。


「クローバー…懐かしい…元の世界に居た時によくお兄ちゃんと探してたな。」


セシリアは少し寂しい気持ちになった。


「お兄ちゃん…お父さんお母さん元気かな…。やっぱり私元の世界に早く戻りたい。」


セシリアの後ろからガサっと何かの音がした。


「な、何?」


後ろを振り向くとアーヴィンが立っていた。


「アーヴィン様…?お仕事中ではないのですか?」

「セシリア…今何て言った?」

「え?お仕事中では…」

「その前だ。」

「その前…元の世界に戻りたい…?」

「セシリア…元の世界に戻りたいとはどういう事だ?」

「えと…私は6年前に異世界から来た異世界転移者なんです。他にも同じ異世界からの転移者がいたんですが、皆元の世界へ戻れて私だけまだ戻れないんです。」

「セシリアが…転移者!?」

「はい…。私が転移者だから…ディミトリア家からも嫌われてました。やっぱり気持ち悪いですよね…異世界の人間なんて。」


(やっぱり異世界者は忌み嫌われてしまうわよね…。私だってきっと反対の立場だったら近寄るのも凄く怖いもの…)


セシリアは後退りしてアーヴィンから離れようとした。

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