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湿地帯を目指せ 4

リアンはどこまで行っても変わりません…そんなお話です(笑)

では本編へGO!

 ジャックは取り敢えずはと思い図書館から合流地点へと移動している真っ最中河沿いに出ているオーガの夫婦を発見した。

 別に何か意味があるわけじゃないが偶々近くを歩いていた時、聞こえてきた声に俺は驚き立ち尽くしてしまった。

 それで怪しまれても困るので急いでその場を後にする。

 湿地帯のモンスター関連のトラブルが長引きそうという話で、その話を聞いた時やはり湿地帯を突破するしかないような気がした。

 待っているのは俺の性分に合っていないので、無理矢理でも突破してさっさと首都に向かうべきだ。


 歩いて辿り着いた合流地点にはリアンはいなかったわけだが、はて…ディフェンダー支部への連絡と宿の確保って多分一時間ぐらいで済みそうな気がするけどな。

 俺は結構時間が掛かって四時間は図書館に居たはずなので、とっくに合流地点に居てもおかしくない。

 夕刻を迎えておりもう太陽もほとんど沈み始めているので、流石にそろそろ合流するだろうと俺は近くのお店でも見ても回ってみることにした。

 近くにある米粉で作った生地レタスとササミを甘辛のタレを纏めて包んでいる料理に目が付いてしまった。


「お! ナーガのお兄ちゃん! 一個どうだい?」

「じゃあ…一つ」

「しかし。オーガの町にナーガ人って珍しいなぁ! 何か用事かい」

「ああ。首都に行きたくてね。湿地帯で何かトラブルなんだって?」

「らしいぞ。でも、タイミング悪いな。多分復旧するのに一か月ぐらいは掛かるって話だぜ。ディフェンダーも必死で掛かっているらしいけどなぁ。何せ内海でのトラブルもあるから人員も少ないって話だ」


 内海でのトラブルと同時で起きたために使えるメンバーも少ない、だから湿地帯でのトラブルが長引いているのか。

 まあ、内海のトラブルが先だよな。

 何時までも運輸関連のトラブルを放置するわけにもいかないだろうし、ディフェンダーとしてはそっち優先だよな。

 十将軍を駆り出せば直ぐ解決するのに、変なところでプライド高いよなぁ…まあ嫌いじゃないけどさ。

 柔軟な思考もあるから本当に困ったことになれば手助けを借りるだろうから黙っていよう。


「でも。お兄ちゃんはどうして首都は?」

「実はこのオーガ政府に接触して欲しいとナーガ政府から仕事で頼まれていてね」

「へぇ~じゃあお兄ちゃんは若いのにナーガ政府の関係者なのかい? 優秀なんだねぇ」

「まあ…十将軍ですので」

「? という事は…元勇者かい!? おお! ヒューマンに追い出された元勇者!? もしかして、首都に向かうのも今起きているトラブルを買い蹴るする為なんだね!? そっか!! 元勇者が動いたとなれば解決したも同然だね!」


 俺は首を傾げて「トラブルとは?」と思ったのだが、ここで果たして聞くのが正解かどうか悩んだのだが、ここで下手に俺の評価が登ってもらっても困るので、しっかりと聞いておくことにした。


「いや…そういうわけじゃないんですが。でも、トラブルが起きているなら解決したいですね。なので、詳しく教えてくれませんか?」


 大分言い訳じみた理由にはなったが、オーガの男性は「そうなのか…」と感心半分と言った感じの表情を浮かべていた。


「それがな。今、オーガの国王は時期王の後継者争いの真っただ中なんだそうだ。後継者の三人がこれまた酷いらしく、中々良い後継者が出てこないと焦っているとか」

「…後継者争いか…」


 この後継者争いを上手く活用すればオーガ政権とナーガ政権を繋げることが出来そうだ。

 これは良いことを聞いた。


「なら。湿地帯を突破することって出来ます?」

「できるさ。そもそもオーガの若者は武者修行の為に歩いて大陸を巡るからな。湿地帯の突破方法はあるよ。なんなら適当な若者でも案内させればいい。ほら。商品一丁!」

「じゃあ。お金を」

「良いさ! 元勇者様からお金なんて取れないよ」

「いや。流石にそれは…」


 お金を出そうとするのだがあくまでも支払わさせてくれない男性、俺も諦めるしかないので商品を受け取ってから歩きながら購入した食べ物を口に運ぶ。

 と言うか、これはどういう料理なのだろうか?

 そう思って立ち去る際に商品名を確認した。

 メダスという商品らしく俺は一瞥してから遠ざかっていく。

 無論合流地点には誰も居ない。


「お家騒動か…オーガは国王制なのはディラブから聞いてから分かっていたが、まさかお家騒動が起きていたとはな」

「お家騒動って?」

「何がだ? 美味しそうな匂いをさせているかと思えばメダス。どこで買った? それはササミのメダスか?」

「? 他のメダスがあるのか?」

「無論だ。それよりどこで?」

「すぐそこの店」

「甘い料理?」

「辛い料理」


 アンヌは「じゃあ要らない」と拒否、ディラブは好きなのかそそくさと歩いていき先ほどの店主にメダスを購入して美味しそうに頬張りながら歩いて戻ってきた。

 そこでようやく会話を再開する。


「で? 何がお家騒動なの? 何の話?」

「さっきの店主が言っていたんだよ。今オーガ政府はお家騒動で大変だってな。元勇者が何とかしてくれるんじゃないかって期待されているみたいだし」

「流石有名人だな。俺は知らなかったが。まさかお家騒動が起きていたとは。後継者の三人が争っているのか」

「面倒ね。リアンお爺ちゃんの家でお家騒動に巻き込まれたと思ったけど、またお家騒動?」

「今度は流石に面倒ごとには…」

「ジャックが絡むだけで面倒事になると思うけど? その三人の後継者にサポートでも指名されてそのままトラブルへとまっしぐら」


 想像してしまった俺達。


「なりそうだな。そんな気がするぞ」

「だよねぇ。良いけどね。慣れたし。それよりお爺ちゃんまだ? 男性衆だけ飯を食べてずるい」

「じゃあ。買って食べれば…あれエロ爺か?」


 俺が指を指す先には汚い笑顔を見せながら女性に話しかけるドラゴン族がおり、どうにも可愛い感じのオーガを発見したのか話しかけているようだ。

 その瞬間俺とアンヌとディラブの間でリアンに対する思いは一瞬で冷めた。


「皆でその辺のお店で沢山食べもの買って皆で座れる席でも見つけて食べようよ。そういえばさっきディラブと一緒に見て回った市場に感じのテーブルが在ったからそこで食べよう」

「ならご飯は俺に奢らせてほしい。お金ならある」

「? お金は無いと言っていたような」

「さっき漸く討伐というシステムに気が付いたんだって。そこで一か月分の討伐金を貰ったの」

「良く生きていけたな。そういえば俺もこの一か月分の討伐金貰ってないな。ついでに貰っておくか」


 そういう事で皆で移動することにした。

 リアン? 知らん。

どうでしたか?

元勇者のパーティーの仲を深めてから先に進もうと思っています。

今後も元勇者パーティーは増えていきますが、その前にこのメンツの仲を深めてから先に進めていきたいですね。

次に訪れる首都とその周りにある湿地帯はこの赤鬼のオーガというお話を語る上では必要なお話です。

では次は赤鬼のオーガ第二十話でお会いしましょう!

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