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魔術VS魔術

ようやく戦闘回となります!

念願の!

長かった…( ;∀;)

では本編へGO!

 ナーガ十将軍の穴埋めを決める大会は何も直接な戦いをするわけではなく、実際は魔力と実戦に近い形での石で作られたゴーレムを使った模擬試合を行うだけなのだが、こんなことでとも思う。

 まあ選ばれるかどうかは誰にも分からないわけなのだが、実際何度か開催したことはあるらしいが選ばれたことは数えるほどしかない。

 だが、ナーガの人間なら一度は憧れる役職だけに参加者は多く大会は二日に分けて行われ、俺は初日にスケジュールを消化することになっている。

 大きな円状の会場で多くの観客に囲まれて行われるのだが、これは観客の中にスカウト陣を紛れ込ませるため。

 要するに大会なんで名目上のモノで、スカウト陣が選ぶ際に幾つかの基準を満たせる奴が紛れ込んでいるかどうかが大切なのだそうだ。


 そして、あえて言えば大会開始して一時間俺は全く大会に集中なんてしていなかった。


 理由はシンプルで、俺は大会よりも大会会場の真上に存在している黒い太陽な者が気になって仕方がない。

 というよりはあれは『闇属性』の魔術であり、あんなものを使うなんて俺は聞いていないのだが、大会の運営にでも聞いて確かめるべきだろうか。

 実際先ほどから他の選手が放っている魔術の威力が少々落ちている。

 これは闇属性の特徴である『力の吸収』だろう事は想像できてしまう。

 闇属性は『吸収』が属性上の力であり、ターゲットから方向性を選べば幾らでも吸収できる。

 無論限界はあるが…中央大陸でアンヌが被害を受けたような生体エネルギーの吸収は出来ないが、魔力そのものを直接吸収することは高位の術者なら出来るのだ。


 でだ。

 あれはなんだ?


 問題なのはあのレベルの術式を遠隔で放ち続けており、それも周囲にバレないようにギリギリの距離感を維持しているという点である。

 相当の術者が此処に紛れ込んでいるという証明であるが、俺はとっさに周りに見回してジッと術者を探り出す。

 魔術に限らず術式には簡易式である印が存在しており、術式を放ち続けているという事は術式を続けるための印を組んでいる。

 なら見れば分かるはずだが、人が多すぎて直ぐに見つけることは出来そうにない。

 なら、敵を動かせばいいと思い俺は光属性で中和するため指先に術式を貯めて闇属性の術式へと向かって指を指す。

 中和しようとすれば必ず動くと確信しての行動だったが、これは正解だった。


 俺の体に重たい一撃が着弾してから俺の体が遥か後方へと力一杯叩きつけられるが、肉体の強度を上げるために術が衝突する瞬間に防壁を作って多少はカバー。

 同時に受けた肉体損傷は即時回復するのでダメージはゼロ。

 同時に観客席から多くの悲鳴が出てくる中で、俺はある席を真っ直ぐに見据えるわけだが、どうやらやはり観客席から術式を放っていたようだ。

 敵は印を結ぶことを辞めてなお術式を維持していると所を見ると、術式を同時に行っているのだろう。

 アンヌが駆け寄ってくるのを俺は右手だけで制止しリアンに目配せで「この場から逃げろ」と指示を出す。


「術式が飛んできたのは…真正面の観客席。混乱は起こした。後はどれだけ人が素早く逃げてくれるかだ」


 ワザと術を食らいつつ同時に身を後ろに吹っ飛ばされた時に衝撃を強めにしてあたかも強力な技を食らったかのように演出して場を混乱させる。

 計算通りどうやら場は混乱しているようで、観客席にいた人は次々と逃げ始める中、会場に一人の男が降りてきた。

 ナナ族特有の尖った兜をしている俺より背の高い大男、周りにいた多くの選手一同が降りてきた男に身を構えるが、俺は彼らより早く「逃げろ!」と指示を飛ばした。

 無論十将軍に選ばれることを夢に見る若者達がそんな一言で逃げ出すわけがなく、俺が駆け出すよりも早く彼らは術式を展開しようと誰もが呪文を口にするが、それより早く降りてきた男は全員を吹っ飛ばした。

 衝撃波を使った魔術なら今のレベルならまだ死んではいないと信じて俺は起き上がり駆け出していく。

 同時に控室に置いておいた大剣をこの場に呼び出してから敵に向かって小規模の火球を作り出して五個まで複製、そのまま敵に向かって飛ばす。


「ほう…先ほどの行動といい。どうにも十将軍クラスを選ぶ人間の中に実力者が混じっていたな。初日なら若者が選ばれているはずだが…何者だ?」


 俺が放った火球を男は冷気の壁を作って防ぎきるが、同時に生じる冷気はお互いの視界を一瞬だけ封じる。

 封じられた視界の中俺は雷を地面に走らせながら冷気の壁を越えようとしたその時、雷が目の前で弾けるのが分かり大剣を力一杯振り下ろす。

 振り下ろされた大剣はそのまま硬い何かに弾かれて制止した。


「ほほう。我々ナーガは遠距離を担当することが多い一族だ。武器を使うやつは少ない上近接武器を使うやつに至っては数えるほどしかいない。そんな中で大剣を使用するか…ナーガのロウ族にそんな若者が居たとは…」

「何が目的なんだ?」

「監獄に長年閉じ込められて鬱憤が溜まっているのでな。闇属性の魔術で魔力を手に入れて、その魔力で会場を吹っ飛ばせば流石に鬱憤も晴れると思って」

「そんな理由で…」

「十将軍を決めるこの大会は必ず年功序列順に行われる。初日は比較的若い人間が会場入りする上、今年は私の脱獄もあり十将軍自らの視察も無し。元より大陸中にバラけている十将軍が集まることは無い。なら私が此処に来ない理由が無いだろう?」

「十将軍が此処に居たら勝てないと言っているようなものだ」

「実際に十将軍クラスになると流石に一対一でも勝てない。あれは化け物だ…」

「良かったよ」


 俺はそう呟いた。


「何が良かったんだ?」

「アンタが十将軍クラスの実力者なら流石に困ったことになったが、十将軍に勝てないレベルなら俺にも勝機がある。それに脱獄した脱獄囚なら俺が手加減をする理由を探す方が難しいだろう?」

「勝てると思っているのか?」

「殺すって言っているんだよ。()()()()()()()()()()()()()

「強気になるなよ…負けるぞ。小僧」

「人生経験? 負けたからこそ?」

「ぶっ殺すぞ」

「アンタこそ強気になるなよ…負けるぜ」


 煽り返した所で相手から衝撃と共に刃が飛んでくるのを俺は障壁をを作り出して防ぎつつお互いに一旦距離を取る。

 障壁に刃が当たった瞬間に『キィー』という奇妙な音と共に周囲に軽い風が吹く。

 俺は大剣を振り下ろして刃を作り出して正面を縦に真空刃を作り出しつつ、右側に回り込んで男が俺の攻撃を避けつつ俺の進行方向へと近づいてくる。

 俺が横なぎに振ると男は俺の真上を取り同時に俺めがけて光系統の術式を放つ。

 俺はそれを重力を使って攻撃の軌道を無理矢理捻じ曲げつつ敵を自分の元へとひきつけた。

 今度は敵を真上へと逃げていくが、敵は上空で制止してしまう。

 重力の魔術で自らの体を浮かせているのだとは思うが、術の使い方がやはり上手い。

 無駄に年を食ってはいないという事だろう。

 だが、同じことは俺にも出来るという計算でもあるが、重力で体を浮かせているという事は下手に衝突しあえばあっという間に無防備になるという事だ。

 土を魔術で盛り上げて上空めがけて飛ばしている過程で未だに展開されている闇属性の魔術を発見した。

 そして、倒れている人達を見て確信に変わる。


 あの男は人々から魔力を吸収して己の魔力に還元しているのだろうが、問題はその目的だった。

 まあ、脱獄囚だというのなら簡単だな。

 要するに魔力不足なのだろう。

 こっちに来てからナーガの監獄は中にいる囚人の暴走を食い止めるために常に魔力を吸収する闇属性の魔術を行使されていると聞く。

 長年閉じ込められて魔力を吸収され続ければ必然的に魔力が足りないという状況になってくるだろう。

 足りない魔力分を補いたいのだろうが、そりゃあ十将軍相手に戦いたいとは思わない。


『魔力量とは言うが、ナーガは魔力を永遠に作れる種族で、この場合の魔力量とは一日に作れる魔力の量を指す。そして、十将軍はそれが一般のナーガに比べて十倍以上だと言われている。囚人は常に闇属性の魔術によって魔力を奪われるために一度に作れる魔力量が低下しているんだ』


 そう教官から教えられた。

 あの男の実力に対して見合うだけの魔力量を持っていないのだろう。

あれを永続的に維持したいのなら利用してやろうと確信を持てた。

どうでしたか?

序章は残り戦闘回とエピローグで終了、そのまま第一章赤鬼のオーガに入ります。

本当は戦闘回を淡々と描きたいのですが、性格なのかどうしても日常などを中心にしかねず…まあ良いかと思いながら書いています(苦笑い)

次は二十四話でお会いしましょう!

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