中央大陸へとようこそ 5
相克の教会第六話目となります。
今回は教会方面に関わるお話を少しだけ進めるつもりです。
では本編へGO!
ジャックは腕を組みながら先ほどディラブが倒してしまったモンスターの様子をしっかりと確認する。
氷属性を纏った馬のような見た目の化け物だが、この辺りでは目撃例は一切ないはずであり、どちらかと言えば霊体に近い感じの存在であった。
最も霊体とは違ってしっかりと肉体を持っている。
本来であれば雪山や雪原などの低温な場所でのみ目撃されるモンスターであるのだが、少なくとも人里に近いこの場所に出現するというケースは聞いたことが無かった。
中央大陸は様々な気候の場所が存在し、その分モンスターの種類も豊富なのだが、それだけに気候や気温に合わせて生息地がしっかり分かれているのでこんなことは本来絶対に起きないはずである。
いくら冬が近づいて来ようとしているとは言え、それでも本来であれば雪の滅多に降らない地方には来ない。
なのにもかかわらずこの場所に現れた理由を考えていたわけだが、いくら考えても答えは出なかった。
時を同じくしアンヌ達もあっさりと目的の植物を見つけているところだった。
「似ている植物が多い奴だけど無事見つかってよかったよ。姉ちゃんは?」
「こっちも見つけたよ。此処豊富な種類の薬草やキノコが在っていいね。他の大陸じゃ見かけない奴もあるし…こんなことなら図鑑でも買っておけばよかったよ」
「フフ…なら後で本屋さんにでも寄って買う? 幾らでもあるだろうし」
「良いの!? やったー!」
「しかし…見慣れない植物も増えたのう…霊属性のキノコも生えておるし…」
「そうね。本来ならこの場所は生えないはずよね? この辺り霊的に不安定だって聞いたこと無いし…どういう事かしら?」
「冬の時期だけ生えてくるとか? そんな事結構あるぜ」
「いいや。この辺りは其処まで著しい気温の変化は起きんはずじゃ。それにこの辺りは霊的に不安定だという話は今まで聞いたことが無い」
「じゃあ…これって」
「教会の異変と関係あるとか?」
「どうかしら…そうじゃ無いと良いけど」
アンヌは腕を組みながら教会の方向をジッと見つめていると、ジャック達が物陰から姿を現して近づいてきた。
「そっちは目的のブツは見つかったのか?」
「その言い方止めてってば。悪いものを見つけているみたいじゃない。それよりそっちおかしいことは無かった?」
「あった。ジャック曰く見慣れないモンスターと戦った」
「見慣れんとはなんじゃ?」
「雪山や雪原などで見かける氷属性の馬型のモンスター。この辺りに雪原って無いよな? 雪山も」
「無いはずじゃが…そこまで極端な場所にあるわけじゃないしのう。そういう事ならここから少し離れた場所に霊的なモンスターが集まるダンジョンが在ったのう」
「ああ。教会跡地? あったな…」
「そこから影響しているって事? でも…そんな事例ケース聞いたこと無いけど?」
皆で腕を組んで考えてみても別段考えが纏まるわけが無く、一旦依頼主の所へと帰り報告を済ませてから町の中心地まで移動した。
適当な屋台で飯と飲み物を購入してからテーブル席に座って話し込みながら屋台で買った食べものを食べることに。
串物料理ばかりを選んで買い、ジャックはエビを甘辛ダレで焼いた串料理を食べながら口を開いた。
「確かに氷属性のモンスターが生息している場所も霊属性の植物が生えている場所もここから極端に離れているわけじゃないが、だからと言って生息域がズレるという事は本来無い」
「断言しましたけど…無いんでしょうか?」
「無いね。私でも聞いたこと無いもん。お爺ちゃんもでしょ?」
「フム。そうじゃのう。聞いたことが無いのう。多少の距離なら有り得ん話じゃないが…流石に少々距離が開きすぎておる」
「中央大陸出身者がそう断言するんだイレギュラーケース何だろう。問題は何が原因なのかという事だが」
「正直に言えば心当たりがない。ディフェンダーで色々と話を聞いてみて、ディフェンダーでも心当たりが無い場合は放置しよう。一旦国王に報告だけしてから教会方面にアプローチを仕掛けたほうが良い」
「そうじゃな。少なくともこのままここで話し込んでも拉致があかんじゃろう」
そう言いながら全員で食事を勧めていくと、丁度その近くをディフェンダーのメンバーが数人歩いているところを発見し、詳しく話を聞いてみると彼ら曰く「ここ最近そういう事例ケースが増えている」とのことだった。
原因を訪ねてみると彼等は「教会方面から異常な霊反応が上昇しているのが理由で、その周辺の土地のモンスターや植物やキノコなどの生息域は多少ズレている」と言っていた。
「それってさ…教会の所為って事」
「そうなるのかな? でも、ディフェンダーでも教会に入ろうとすると断られるんじゃ…」
「俺達ぐらいしか探しようが無いな…さてさて…迷いの森を抜けるしか無いわけか…」
「? 乗り気がしないのか?」
「きちんと抜けられるか自信があるわけじゃない。確かに俺は何度かあの森を超えたことはあるが…そんなイレギュラーが起きているのに問題なくと言うのはな…」
「確かにのう。やはり正攻法で超えるか…はたまた別の道を模索するか…」
「そうだ! 忘れるところだったじゃない! メメルウを経由するのは? 多少時間は掛かるけど、強いて言うなら二日三日伸びる程度だし」
「ああ…メメルウがあったか…でもなぁ…あそこはなぁ…」
「嫌なの?」
「他国じゃぞ? 許可が出んじゃろうに…」
「それは国王陛下にお願いするのよ! どのみちこのイレギュラーだもの。無事に突破できる保証が無い以上安全なルートで超えるべきよ!」
「まさかとは思うけどさぁ。アンヌ姉ちゃん。文明の利器を使えるからって理由じゃないよね?」
顔を一瞬逸らすアンヌをジト目で見る一同。
「メメルウ。人口は其処まで多くない至って普通の町だな。幾つかの国の国境に属している町で交通の要衝と言う感じだな。最近できた町だな」
「メメルウまで移動して、そこから山脈を超えれば確かに辿り着けるのう…時間は掛かるし少々分かり難い道じゃがのう」
「一度相談してみますか?」
「そうだな。俺とリアンで代表して聞いてみるから、他の皆はディフェンダーなどから幾つか依頼を受けておいてくれ。今日は諦めて此処に泊ろう。明日の朝どう動くか国王と話し込んでくる」
「分かりました。では私は宿を取っておきますね」
ファリーダとアンヌが宿の確保、メイビットとネリビットは採取系の依頼を、ディラブは討伐系の依頼をもう少し熟すことにしたのだった。
どうでしたか?
次回はジャック視点のお話となり、今後の動きを多少話し合う流れになる予定です。
では次回は第四章相克の教会第六話でお会いしましょう!




