表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/199

何を願い何を想うのか 4

ドラゴン大陸編四十六話目となります!

お話回となっております!

では本編へGO!

 帰ってきたネリビットとメイビットは勝ってきた戦利品をジャック達に見せつけて賑やかに話し込んでいると、夕暮れ時になってディラブが帰ってきたのを待ち全員で最上階にあるVIP専用のレストランで夕食を取ろうと移動した。

 話し込みながらジャック達はこれからの事を軽く話すことになった。


「改めて確認するが、この後ナーガの首都まで俺達は戻り、そこで一旦俺は報告。四つの大陸の政府が話し合いを行うはずなので、その間俺達はリゾート地で待っていることにしよう」

「リゾート!! やっと休める」

「そこまで疲れていたか? まだまだ戦い足りない。なあ、リゾート地の近くにダンジョンはあるのか?」

「あってたまるか。大人しく休んでいろ」

「儂は美女が集まっている場所でも…」

「それこそビーチで眺めていろ。その後の行動指針は共同声明で決定するわけだ」

「それは中央大陸に向かうかどうかですよね? でも、ジャック様達が戦った元勇者達が中央大陸に向かったかどうかも分からないんですよね?」

「そうじゃな。じゃが、高確率で教会本部に向かった可能性はあるじゃろうな。少なくとも奴らの仲間…いや取引相手に元最高司祭が混じっているのじゃから」

「そうですね。ドライ最高司祭という方に恨みを抱いている感じでしたけど…」

「ていうかさ! 恨まれていたけど何をしたんだよ?」


 ネリビットの質問に対してアンヌが「大したことじゃ無いわよ」と鬱陶しそうに口を開き、ジャックは「自業自得だよ」と喋る。


「要するにあの男が教会の最高司祭の立場を利用して悪事を働き、結果追い出された。その上ドライ最高司祭は私事で色々動いていたのに問題視されない。そのあたりだろうな」

「信用されているから私事でも許されたんでしょ? それで恨むっていうのは…」

「まあ、メイビットはそういう感想になるよな。まあ、狙っているのは間違いが無いんだ。問題なのはそれが彼らの目的にどう関係してくるのかという事だ」

「そうだな。今の所目的が見えない。あの町で盗んだ例の道具もどうしたのかも分からないままだからな」

「大元が居るんでしょ? 謙譲したんだとしたら…」


 第二の邪神が誕生する可能性があるわけだが、ならなおさら教会は何故黙りこくっているのかが理解できないジャック達。


「邪神が誕生しているのなら時間が掛かるからか? だとしても…」

「多分ですけど。もう教会の役目は終わっているんですよ。ジャック様が勇者の血を覚醒させた段階で。勇者の刻印は血に刻まれ受け継がれる。邪神が目覚めても大丈夫だと感じたんじゃ」

「そうかな? まあ、それしか無いでしょうけど…それ以上にもし教会に行けたとして、どう交渉するつもり? まさか、正面から話を聞いてくれると思っているわけじゃ無いでしょう? まさか戦争でもするつもりかしら?」

「そんなことをするわけないだろう。話し合いで解決するつもりだ出来る限りではあるがな。それ以上に聞きたいことが沢山ある」

「……話し合いに応じるかしら? 下手をしたら大人しくさせるためだけに戦争よ?」

「そんなに教会って話聞いてくれないの? ねえリアンのお爺ちゃん」

「まあのう…儂も仲介するが、最悪儂の娘などの他の国の連中に仲介してもらう必要があるか?」

「ディフェンダー越しに頼んでおこう。手紙でも書いてな」

「なら儂が書こう。娘に頼めば娘から動くはずじゃ」

「そうね。お爺ちゃんの娘さんとは思えないほどに大人しく清楚なイメージの女性だものね?」

「だよな。本当に血のつながった娘か? 奥さんが浮気して作った娘じゃ無いのか?」

「これこれ! 何を言うか!? 儂の娘じゃよ! それは…儂が年を取ってから生まれた娘じゃらか歳が大きく離れているが…」

「犯罪か? ジャック?」

「かもしれないな…ディラブ」

「止めてください。リアンさまが泣いています。この後手紙を書くんですよ? 変なことを書かれたら協力してくれなくなります!」

「そうね。このお爺ちゃんが余計なことを書かれたら困るわよ。その辺にしておいて」


 アンヌからの咎めた言葉を聞いてジャックとディラブは適当に「は~い」と返事をするだけで明らかに反省はしていなかった。


「中央大陸についたら歩いて移動するんだよね? でも、中央大陸って公共機関があるんでしょ? 使ったらだめなの?」

「中央大陸は基本他種族は入り込むだけで犯罪になる事が多い。全く禁止していない国もあるが、基本は禁止だ。俺達が入り込むのは禁止していない国から入り込み、陸路で教会本部へ向かう。幸いそこから教会本部までは其処まで遠くない」

「だと良いけどね。何週間も歩かされる羽目にならないと良いけど」

「アンヌが恨んでいるぞ」

「それを俺に告げても困るぞディラブ。それ以外に方法が無いんだから仕方が無いだろうに。じゃあ先ほどの会話でも行ったけど。提案してくれよ。他の方法。この中でヒューマン族はお前だけだぞ」

「儂等は基本他種族じゃからのう…アンヌだけ先に教会本部へと取引に向かうというのなら儂は構わん。儂等は一人で歩いて行くから」

「見ろよ。お爺ちゃんでもすっかり慣れているぞ。文明の利器が使えないんだから諦めなって。今後中央大陸で活動できる場合は使用するから最初は諦めろ」


 アンヌはこうなる事は分かり切っていたために「はぁい」と投げやりに返すだけ、ジャックは「とりあえず」と区切る。


「今日は早めに寝て明日ドラゴン政府に返答を貰ってナーガに急いで帰る。車で国境の街まで移動。そのまま船で渡りナーガに入るぞ。ナーガに入ってからは列車で移動。それでいいな?」


 皆が「了解」と促すと、アンヌは出入口に真っ直ぐに指さす。


「じゃあ出て行って! 此処女子の部屋よ。あんた達が入ってきたら許したけど」

「そうじゃぞ!」

「お爺ちゃんも出ていくの! 一人部屋でしょ!?」

「物凄く残念そうな顔をしているな。欲望が出ているぞ」

「じゃあ、また縛られて眠りたい!? 今度はお風呂場に閉じ込めておくけど?」

「さあ! 男子共! 帰るぞ!」


 恐怖を感じて逃げようとするリアンにため息を吐き出しながらジャック達男子は部屋から出て行った。


「ねえ。ジャック兄ちゃん。お風呂場でなにするつもりだったの?」

「溺死? もしくは血を洗い流しやすいようにか…どのみち下手なことをすればその場で殺すの意だな」

「リアンは早く部屋に閉じこもった方が良いんじゃないか?」

「そうするわい。お前さん達も今日は早く寝るんじゃぞ?」


 そうやってその日は皆眠ってしまうのだった。

どうでしたか?

もう少しでドラゴン大陸編も終了です。

では次は円環のドラゴン第四十七話でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ