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水氷の神殿 3

円環のドラゴン十七話目となります。

今回は久しぶりの戦闘回となります。

では本編へGO!

 歩き出して数分で一体のドラゴンタイプと遭遇することとなり、全長だけでも五メートルは有ろうかと言う図体がその辺を歩き回っていたわけで、発見するやいなやディラブが地面を抉るような力強さで駆け出して行き、大斧を振り回して頭部に振り下ろす。

 大きな悲鳴を上げるドラゴンはそのまま身を翻し、体を一回転させて尻尾をディラブへと直撃させそのままディラブの体が壁へと向かって吹っ飛んでいった。

 あれで死ぬような奴ではないのでそっと放置、アンヌが今度は駆け出して行きそれを視界に捉えたドラゴンはブレスを吐き出そうと息を目一杯吸い込むのを俺は発見した。

 掌に炎属性の魔力を形成し、それを盾状に作り替えてアンヌの進路上に展開し生きブレスを阻止、アンヌはそのまま盾に身を隠している間に聖術を展開、ドラゴンの行動及び攻撃速度を一気に低下させる。

 ネリビットはバズーカーを取り出して赤い砲弾をドラゴンの頭上目掛けて打ち出す。

 すると、赤い砲弾から真っ赤な粒子がドラゴンへと襲い掛かり、ドラゴンの体はあっという間に赤い火傷のような跡がついていく。

 大きな悲鳴を上げるドラゴン、すると革と金属で作られたナックルを装備したファリーダがアンヌと共に駆け出して行き、左右からドラゴンへと一気に襲い掛かった。

 その間に遠隔でディラブの治療を終えたリアンが息を吐き出し、ディラブは無傷の状態で駆け出して行き斧を振り上げる。

 俺は振り下ろされるであろう斧そのものに炎属性を付与させてフィニッシュアタックを任せることにした。

 再び同じ場所へと振り下ろされる一撃はドラゴンに断末魔の悲鳴を上げさせ、そのまま力なく倒れる。


「このパーティーに出会ったのが運の尽きじゃな…可哀そうに…」

「そうは思わないけど…さあ。行きましょ。こんな寒い所長いしたくないし」

「ドラゴンの鱗とか角は高く売れたよな?」


 ディラブがぼそりと呟いた瞬間俺は「そういえばそうだな」とぼやく、基本集団で行動するタイプのモンスターではないし、そのほとんどが強く滅多なことではやられないので売られることも無い。

 鱗一枚だけでもその辺の金属よりよっぽど強く頑丈だ。

 中には竜の鱗だけで作った剣があると言われているほどで、俺はまだ勇者時代に一度だけで振るったことがあるが、軽く頑丈で切れ味抜群と言う好条件だった。

 その為大半の商人は竜の鱗一枚でも手に入れるとはしゃぎ回り、悶えると言われているほどだ。


「鱗は金属と同じぐらい硬いと言われているからな、だが角は何に使うのだ? 聞いたことが無いが?」

「角は薬剤としても使われるし、それ以外にも楽器なんかでも使われるって聞くよ。角笛って今でも使われる楽器の一つで、竜の角笛は凄く響きが良いって、その分加工が大変だって聞くけど」

「流石メイビット。だが、この先に現れるドラゴンを一体一体倒すたびに鱗を剥がしたりしていたら時間が幾らあっても足りないぞ」

「大丈夫だよジャック兄ちゃん。俺達に任せとけって」


 すると何やら大きなシールを取り出して適当な壁に張り出すと、あっという間にそこには大きなドアがあらわ、そのドアをネリビットが明けると中には巨大な空間が現れた。

 なんでもありだな。

 ホビットの何でもありが此処に来て生かされているのかもしれないが、問題は死体のドラゴンをそのままその中に放置するのだろうか?


「大丈夫ですよ。この中で勝手に解体してバラしてくれるので、使えない内臓なんかはエネルギーになりますし」

「そういえばドラゴンの肉は焼くと…まずい。その代わり栄養素は豊富なんだが…」

「要らないからエネルギーにしてね。二人とも」

「アンヌの笑顔が怖いのう…」

「はい…絶対に食べないという覚悟を感じますね。この調子で行きましょうか」

「そうだな。その辺りは二人に任せておいて、ドラゴンもゴーレムもこの調子で退治して最奥へと向かおうか。そこを超えないといけないわけだし」

「だね。キング種とクイーン種の両方が揃っているダンジョンとか嫌なんだけど…なんでディフェンダーは放置するかな」


 アンヌが物凄く嫌そうな顔をしつつ歩き出すわけなのだが、その途端曲がり角から青色のゴーレムが現れた。

 四メートルほどはあろうかと言うほどの背丈の高いゴーレム、頭部と胸の部分にサファイヤに見える結晶がはっきりと見えた。

 あれは魔石だろうか?

 それともただの宝石?


「あれは魔石か? それとも宝石か?」

「宝石です。この辺りはサファイヤの原石が手に入りますから。最も全部ゴーレム化するので手に入れるのなら倒す必要がありますが」


 そういうファリーダから俺は顔をアンヌの方へと向けると、瞳の奥が光り輝いていたわけで、俺は大きなため息を吐き出した。

 アンヌは目の色をはっきりと変え、ゴーレムが攻撃アクションに映る前に胴体に十六連撃を叩き込んだ。

 全員が唖然とするような光景が目の前に広がり、残骸になり果てたゴーレムの体から宝石を探し出す。

 その過程で俺はアンヌの足元近くにゴーレムの本体である魔核を発見しそれを炎の槍で破壊した。


「欲が勝ると本気を出すんだな。今まで見せたことも無いような速度で襲い掛かったな」

「じゃな。あのレベルのゴーレムなら一般的なディフェンダーや冒険者なら倒すのに多少なりは時間が掛かるじゃろうに…」

「宝石が好きでしたもんね。ホビット大陸の時の買い物も宝石店で何時間も大人しくしていましたし」

「昔っから輝くようなものが好きだって孤児院の院長さんに聞いたな。昔は綺麗なガラスの玉をずっと集めていたとも聞いたし。働くようになって隙があればアクセサリーや宝石を買っていたと聞くな」

「だったらその宝石で綺麗なアクセサリーとか作ろうか? その方が高く売れるし。俺達ホビットが作る宝石を使ったアクセサリーなら旅の資金になるし」

「だね。預かるよ?」


 アンヌは輝くような笑顔で「お願い」と言い放ったことを俺達はきっと忘れないだろう。

 しかし、旅の資金が手に入るのは確かに助かるな。


「じゃのう…誰の所為かは知らんが旅の資金が謎の失踪を果たすからのう」

「と、原因が言っているとジャック。突っ込まないのか?」

「風俗店で浪費する奴に行っても無駄だ。後、女性が女性の風俗店に行くって普通にルール違反だと思うんだが?」

「風俗にルールもくそもあるまい」


 あるだろう…流石に無かったら風俗中で警察沙汰になっていると思うぞ。


「とりあえずこの調子で先に進んでいこうか。この場所のモンスターは高値で売れそうだし、回収しつつではあるが」

どうでしたか?

次は新キャラクター登場ですが、彼は中央大陸編での本格登場となります。

では次は円環のドラゴン第十八話でお会いしましょう!

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