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光秀さんと琴音さんから重大発表があります

12月 天翔牧場に1頭の牡馬が仲間に加わった。


グレイと2頭仲良く貨物便で日本へ向かった。 動物検疫期間が終わると馬バスで

牧場まで長い旅になるが2頭とも 元気な姿を皆にお披露目することが出来た。


サンダーサイレンスは青鹿毛の馬体が逞しく 人に懐かず厩務員から

気性難で暴れ者なんて言われていたらしいが俺から見たら

そんなこともなく知性的で落ち着きがある印象を持った。


大方嫌われた厩務員はサンダーを雑に扱い蹴られたりしたのだろう

俺を見たときに威圧感を感じたのはそのせいだと思う


あのグレイが見た目だけでサンダーを好きになるはずがない

牧場繋養馬の感想も見た目ワイルドで漢らしいと高評価


俺から紫苑と麗華には念話で本人と話して問題がないと

説明してるので2人ともサンダー相手に怯えもなく

ごく自然と打ち解けている


紫苑の両親は現役時代のこの馬の武勇伝を聞いているため

最初は少しぎこちなかったが最近では普通に相手をしている


サンダーの馬房はグレイの希望でお隣に決まっている

これで夜も寂しくないとグレイは本心を語る


そしてこの1年間 よく頑張ったカノンとドリームは

母親と仲良く同じ馬房で暮らしている


シオンの馬房に親子3頭は狭いと思うがこの天翔牧場は特注

馬房を備えていて馬房の仕切の壁は取り外し出来るので

今は馬房2つ分を3頭で共有している


グレイも当初 仕切の取り外しを要求したが

サンダー側からさすがにそれわとやんわりと

ご遠慮しますと言われ それに対しグレイは


「私に種付けまでしといて遠慮するなんて初心ね」


いずれサンダーも姐さん女房の尻に引かれる未来が見える


俺としては牝馬と牡馬が同じ馬房で過ごすのは

有りかと思うが牧場的にNGだと父さんは言う


牝馬が発情して毎回種付けしたら牡馬の体力が持たない

それで怪我でもされたら損失額が相当なものになるとのこと

なので同居するのは繁殖引退後になると思う


そしてサンダーをDRAへ種牡馬として登録申請をした。

申請したときに当然この馬の血脈をたどるが

紛れもなく始祖がグレイトサイレンスとわかり

産駒が活躍すれば日本競馬界が盛り上がると喜ばれた。


俺と父さんがサンダーの処遇を検討していた時のこと


産駒も生まれていないし実績もないため種付け料も初年度は控え目で

〇○○万とお得な価格にしたが、DRAに登録した直後から

天翔ホースパークの父さんのもとへ来年度の種付けの申し込みがきた


俺の方ではなく父さんの方へ行くのは父さんが経営トップで

種付けのスペシャリストでもあるからだ

父さんの旧姓は伊藤である 伊藤牧場は日本でも種牡馬の繋養では

有名な牧場であり父さんもそこの出身だからだ


父さんも登録直後から種付け申し込みがくると考えていなかったが

知り合いの牧場関係者と馬主の話だと


天翔牧場の産駒を購入できない馬主が天翔で繋養した

種牡馬なら産駒の活躍が期待できると判断したからと

教えられた。


「よかったな 和馬 お前皆から目利きがいいと

褒められているぞ お前が天翔牧場で繋養した馬なら

間違いないと信頼されているのだからな」


プライムの方も今年ドリームが活躍したので

来年度種付けの申し込みも順調とのことでよかった


そして年末恒例の忘年会の日


光秀さんは残念ながらお留守番ですが特上寿司を食べれるなら

喜んで留守番しますとのことです。


そして今回の忘年会には特別ゲストが2名参加されてます


まず一人目は来月和馬と挙式を行う麗華さんだが特別ではないよね


そしてもう一人は麗華の所属厩舎の先輩で今年ドリームの主戦騎手として

活躍した吉田騎手が来てくれました。


まずは和馬の乾杯の挨拶から始まり ほろ酔い気分になると吉田騎手が


和馬にスマホの液晶画面を見せる


その映像は、二人の騎手が仲良く並んでの記念撮影のようだが

男性は吉田騎手のお爺さんでその隣の女性は

和馬の母親弥生の若いころに似ている


「吉田さん この女性はどなたです?

なんか身内のような気がするのですが」


「勘が鋭いですね 正解です 和馬さんのひいおばあちゃん

にあたる天翔美鈴さんです。お爺ちゃんと同期だったそうです

お爺ちゃんの夢は美鈴さんが育てた産駒に騎乗することだったんですが

引退するまで騎乗機会に恵まれなかったそうで私がその夢を受け継いだんですよ

今回ドリームに騎乗することでお爺ちゃんの夢を叶えることが出来ました。」


「それじゃあ吉田騎手がフリーに転向しないで佐々木厩舎に所属していたのも

天翔牧場と関係あるんですね」


「そうですね 以前から先生と天翔牧場との関係を聞いていましたから

それでも最近まで天翔牧場は引退馬の繋養牧場でしたからね

半分諦めていました。 でもこれで憂いなく引退できます。」


「でもまだ早くないですか 引退するの?」


「今年で私も45歳ですからね 昔は50歳過ぎても現役で活躍された

凄い先輩がいましたが、中央の騎手だと私が最高齢なんです

引退後は調教師を目指しますのでその時は産駒を私に預けてください」


年明け吉田騎手はドリームが引退する際に現役を引退すると発表した。


年末はもう一つ重大な出来事があった。


昨年時限法である重婚を認める法案が施行されたがこの法案が意外と

女性からの評判がよかったそうで、年末の国会で10年間延長が閣議で決定


紫苑が言うにはモテル男なら告白したい女性も二人はいて

法律で許可されたなら喜んで重婚でも何でもするという


やっぱり好きな人ができたら相手が既婚者でも諦めきれず

独身を貫くけなげな女性がいる 離婚するのを待っている場合もあるが


年明け早々驚愕する報告が光秀と琴音から告げられる


天翔牧場の事務所には昨日にアポをいただいた

DRAの職員である綾部あやのさんが訪問されてます。


DRAの事務職の制服を着こみ社員証を首にかけている


俺の前には紫苑を除く3人がソファーに座っている

紫苑は俺の隣で呑気にお茶とせんべいを食べている


おもむろに光秀さんが口を開く


「和馬さん報告があります。」


「はい、何でしょうか?」


「実はここにいる綾部あやのさんと結婚することになりました

勿論琴音の了承ももらってます。」


バリッ ガチャン パリ~ン


紫苑がせんべいと湯呑を落とす


「お父さん 私初めて聞いたよ 」


娘の驚愕した顔を見て

琴音さんが説明するそうだ


「紫苑ごめんね あやののことは知っているわよね

お母さんとお父さんの幼なじみで親友なの

あやのなんだけど昔からお父さんのことが大好きでね

お母さんと取り合っていたのよ」


「それで今回法律で重婚が認められたでしょ

昨年10年間の延長が決まったしね

一応申請は昨年に提出したんだけどお父さんの年収の

ことがあってね許可がやっと年末に下りたのよ」


「あやのったらこの年まで独身でね

ほんとお父さんのこと真剣に愛していたのよ

紫苑あなたなら理解できるでしょ 仲間だから」


紫苑は何も言えない 同類ですからね


そして綾部さんが立ち上がり


「相良さん 私 綾部あやのと言います 年は今年○○歳です。

今はDRAの職員として札幌競馬場で事務員をしています

これからよろしくお願いします。」


和馬は驚き言葉が出ない


何故なら彼女どう見ても10代に見える容姿で

小柄で童顔の美少女だった。


「あ、はい こちらこそよろしくお願いします。」


琴音さんが和馬の顔を見て


「和馬さん 驚いてますよね あやのっち 可愛いいでしょ

学生の頃はクラスのマスコットだったんです

勿論告白もされてましたよ これだけ可愛いいと

男はほっときませんよ でもねこの子は光秀一筋なんです

和馬さんほんとありがとうございました。」


和馬はお礼を言われる理由がわからないので首をかしげる


「和馬さん 麗華さんとの重婚のことですよ

法案が可決されていなかったらこの子

死ぬまで独身でしたからね」


「琴音 恥ずかしいよ」


あやのさんが琴音さんをポカポカと叩くが

見てると小動物のようで和む


光秀さんとの挙式は秋にするとのこと

まあ、今年は年初めに和馬と麗華の挙式がありますからね





今年もいろいろありそうです。次回は麗華との披露宴のお話です。

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