祝勝会は修羅場へ変わる
カノンとドリームのG1優勝を祝う 祝勝会ですが麗華に何か考えがあるようです
ここは千歳市内の居酒屋 先ほどまで回らない寿司屋で祝勝会が行われていたが
和馬はお土産の特上寿司の握りを留守番の光秀へ届けるため
先に帰宅した。
2歳馬の年内のレースは終わり2頭は休養に入り春まで牧場でのんびり過ごすことになる
そして居酒屋には麗華が女子会をしましょうと紫苑と琴音を誘い
3人で飲み直すことになったが、紫苑はお父さんに似て下戸のようで
既に酔っているが琴音さんはお酒には強く上戸とのことです。
「紫苑 酔っぱらう前に聞くけど私のこと嫌い?」
「麗華 いきなり何よ 嫌いなら親友なんてやらないわよ」
「紫苑 ありがとう 私も紫苑が好きよ
それで質問なんだけど私が貴方の親戚とか家族になりたいと
いったら貴方ならどうする?」
「家族になるの? それって相良家の養子にでもなるの
いくら麗華が和馬のことが好きでもやり過ぎじゃないの?
まあ、私が離婚すればあなたが奥さんになるのは可能だけど
私は和馬と別れるつもりないわよ
貴方に悪いとわ思うけどね」
「紫苑 やっぱり あの時のこと気にしてるのね?」
「私が和馬にフライングで告白しなければ貴方が
告白したのよね まさか私も和馬が即断で婚約を認めるなんて
思いもよらなかったわよ」
「紫苑もあの時慌てていたもんね」
「まあね、それでもね もしも法律で重婚が認められて
和馬が了承すれば私もあなたを認めるわよ
和馬の奥さんとしてね……。」
「え、紫苑 法律で認められたら私も和馬と結婚してもいいのね?」
「くどいわね 法律で問題ないなら私も認めるといったのよ
眠いから 後よろしく おかあさあん…ん」
麗華は携帯を取り出すと今の会話が録音されているか
確認すると笑顔になる
「これでよし 紫苑言質を取ったわよ」
それまで何も言わなかった琴音が
「麗華さん 私は証人ですか?」
「そういえば 変な法案が可決されましたね
2人までなら妻にできるとかなんとか」
「やはりご存じでしたか?
少子化対策問題の1つの解決案として
重婚を認める時限立法が参議院を通過して可決しました。
期限は1年ですが延長の可能性もあるそうですよ」
「でもこの法案は男の人のハーレム法案ではないですよ
今現在で妻がいないとダメなので同時に2人と婚約はできません
また婚姻届けを提出してから審査がありますから
普通のサラリーマンでは収入で落とされます。」
「それとこの法律の難しいのは男の人が認めても
妻が拒否すれば婚姻関係は結べませんから」
「だから 紫苑の言質が必要だったのですね」
「紫苑には申し訳ないとわ思いますが、私も和馬のことが
ほんとに好きなんです 」
頭を下げる 麗華
「頭をあげてください 私は別に反対しませんよ
それに私は麗華さんのこと好きですよ
でも 麗華さんのご両親はよくこの話賛成されましたね」
「私も最初は反対されるものだと諦めていましたけど
父と祖父は任せておきなさいと快く了解してくれました。」
「恐らく 父は和馬のこと調べたうえで許可をくれたんだんと
思いますが和馬には私でも知らない秘密でもあるのでしょうか?」
山崎重工の社長が知人の現職総理と料亭で密談後
重婚を認める時限法を与党が提出したが野党の反対もなく
すんなり衆議院を通過、参議院も通過し可決された
209X年の日本の人口は1億人を切り9千万人台へ
このままいけば500年後には地球上から
日本人はいなくなると論文を発表した学者がいた
「麗華さん うちの亭主だけどね 学生時代モテたのよ
私と私の友人と二人で告白して私が恋人になったんだけど
その友人いまだに独身なのよ
もしかすると妻にしてくださいと牧場へ来るかもしれないわね
でも年収で引っかかるわね」
「琴音さん 恐らく来年は収入増えると思います
カノンとドリームの賞金はほとんど牧場へ入りますからね
和馬から厩務員の手当てとして手渡されると思います。」
「え~~それじゃあ 収入増えたら奥さんが増える可能性も
あるんですね どうしよう」
「大丈夫ですよ 琴音さんが反対すれば結婚はできませんから」
女子会はお開きとなり 会計は麗華が支払い 琴音と紫苑はタクシーで帰宅した。
新年を迎え 天翔牧場の応接室では
和馬、紫苑、和馬の両親と麗華の両親が向かい合っている
麗華のご両親が和馬に頭を下げた
「相良和馬君 親バカだと罵ってくれてもいい
どうか 麗華と結婚してくれないか」
麗華も参戦
「和馬 私と結婚して私は2番目でいいから
私は貴方のことが学生の時から好きだったのよ
貴方を好きな気持ちは誰にも負けないわ
紫苑にもね」
和馬は両親と既に話をして結論を出していた。
法律的にも問題ないし和馬も麗華のことは
好きだ。二人とも分け隔てなく愛することを誓う
「どうか 頭を上げてください
麗華さんは私にはもったいない女性です
こんな俺で良ければ麗華さんと結婚したいと思います。」
「ほんとかね ありがとう和馬君 麗華よかったな」
「麗華 ほんと和馬さんがいい人でよかったわね 幸せになりなさい」
「お父さん お母さん ありがとう 私、和馬と幸せになります
紫苑ごめんね これからもよろしくね 」
「うん そうだね これからわ 私と麗華で和馬を支えていこう」
紫苑と麗華は握手する 目から火花が出ることはない
婚姻届けは審査の問題があるので早めに提出して
披露宴は来年行うことにした。
和馬は紫苑と麗華を妻にすることになり
馬の神様へ報告と相談をしたいと考えた。
翌日いつもの日課でもある馬頭観音様へ参拝へ行く
目をつぶり手を合わせると馬の神様の姿が
「和馬さんお久しぶりですね 何か私に相談があるとのことですが」
「神さま ありがとうございます ちょうど相談したことがありまして
実は、…」
和馬は麗華とも婚約をしたことを伝え念話のことも二人には話すことに
したと馬の神様へ報告
「それはいいですね これで馬の国での調教もやり易くなります
今は騎手は4名しかいませんからね」
4名と聞き天馬と美鈴以外だれが騎手役をできるのか聞くと
「実は天馬さんのご友人の楯さんと横長さんも馬の国へ来られました。
生前天馬さんからお話を聞かれたようでしてご賛同いただきました。」
なんとあの競馬界で有名なレジェンド騎手のお二人が馬の国へ行かれたようだ。
それでも模擬レースは4頭立てなのでまだまだ騎手役が欲しいそうだ。
馬の神様に紫苑と麗華の事をお話して和馬はそれではと帰ろうとすると
馬の神様から
「実は明日には…」
悲しい出来事が伝えられる 今日はそのためたまたまここに来られたようだ
和馬は牧場へ戻ると優駿のもとへ
和馬は看病してる家政婦さんに席を外してくださいと頼み
優駿の枕もとへ
「爺ちゃん 馬の神様から聞いたよ」
和馬の声が聞こえたのか目を開ける優駿
「和馬...そうか馬の神様から聞いたのか
やっと俺も皐月のもとへ行けるよ
いい土産話もあるしな」
土産話、カノンとドリームのことだろうか
「それより 爺ちゃん なんか嬉しそうな顔してるよ」
「ああ、そうかすまんな 死が直前に迫っていると聞かされると
普通は慌てるか自暴自棄に陥る人もいるからな
ただ俺たちの場合は行く場所もわかっているし安心感があるからな
つい顔に出るのかもしれない」
「何だかわかる気がするよ 爺ちゃん もう一つ
いい話があるよ 馬の国にね楯さんと横長さんもいるって」
爺ちゃん 笑顔になるが少し不満そう
「それはいい話だがそれだと海外の競馬場のデータは
既に馬の国にあるんだな 二人なら海外レース
慣れているし」
「まあね、でもあの二人が亡くなったのもひい爺ちゃん
とそんなに変わらないよね
それなら50年くらい前だから最新は爺ちゃんだよ
皐月祖母ちゃんは、データないだろうから」
「そうか そうだよな それなら皐月に褒めてもらえる」
和馬は奥さんになる麗華と紫苑に念話で話せることを伝えると
優駿に伝えて寝室から出ると 死期が迫っていると
家政婦さんに家族親戚へ伝えてくれとお願いした。
翌日家族の皆に看取られ 爺ちゃんは亡くなった。
爺ちゃんの死に顔はやはり笑顔だった。
皐月祖母ちゃんの昔の写真見たことあるけど俺から見ても
美人さんだった。 再会するのほんと楽しみなんだね
お葬式が終わり遺骨は皐月祖母ちゃんの横へ埋葬された。
そして北海道にも春が訪れ
いよいよ カノンとドリームの3歳馬戦が始まる
すいません 麗華のことどうするか考えてこのような浅はかな
結論になりました。安直ですいません
そしていよいよ3歳馬戦です。




