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入厩の時が来た 

「こんにちは、....の宅配便です。 〇〇様から…」 「ありがとうございました。」


荷物を受け取り厩舎内の休憩所へ持ち込む和馬に紫苑が尋ねる


「和馬、荷物何処から?」


「差出人はDRAからだね」


ビリビリ ガムテ―プを捲り 中を確認する和馬


「 競馬場売店で販売する新商品のサンプルだよ」


来年発売予定の飴とぬいぐるみが届いたようです。

カノンをデホルメした可愛いいデザインのぬいぐるみと

包装フィルムにカノンをイメージしたイラストが描かれている


「飴は何味なの?」


包装資材を開封して中身を取り出す


「マロンクリーム味」


「ぬいぐるみは、これはカノンね」


「これを競馬場の売店で販売するの?」


「そうだよ うちの取り分は引退馬協会へ全額寄付するよ」


天馬が生きてた頃からグッズの売り上げ金は寄付していました。


「でもいよいよだね和馬 カノンとドリームの入厩」


感慨深げの表情の紫苑と和馬だが


「2頭とも成績より怪我無く引退できたらそれでいいよ」


本音は、なんとかG1を1つ勝つことです転生しなくていいですからね


二人で会話していると 


紫苑のお母さんの琴音さんがお客さん連れてきた。


麗華は和馬をみると


「和馬 ほんとにあたしに主戦騎手任せてくれるの?」


麗華は挨拶もなく本題にはいる


「麗華いきなり何よ挨拶もしないで」


「紫苑 それどころじゃないでしょ

 初めての主戦騎手の依頼なのよ」


意外ですがデビューして初めての依頼のようです


「ああ、麗華頼むな カノンの主戦は同性の騎手じゃないと

俺がいやなんでな まあ気楽にやってくれ」


佐々木調教師から連絡を貰い レースの合間にここまで来たようです。


因みにプライムドリームはベテランの吉田騎手が主戦です。


「それで、麗華はそれを言いにわざわざ来たのか

カノンなら来週には美浦のトレセンへ連れて行くぞ」


「それよりも 前に会いたかったのよ」


「そうか、じゃあついでがあるから呼ぼうか?」


呼んでくれると和馬は言うがその場から動く気配がない


「カノンいいものあげるから ここへおいで」


「パパ わかった 行くね」


すると奥の馬房の扉が開き中からカノンが

顔を出し休憩所までトコトコと歩いてきた。


和馬は扉を開けてカノンの顔が見えるように扉を固定する


「カノン 口開けて 飴あげるから」


あ~んと大きな口を開けるカノンちゃん


口の中へ飴を入れる和馬


「飴 美味しいかい」


ポリポリとかじると飲み込むカノンチャン


「パパ 甘くて美味しい もう一つ頂戴」


「あまり食べると虫歯になるからもう一つだけな」


和馬は口を開けて待つカレンの口へ飴を入れる


この飴は虫歯になりにくい甘味料を使用していて

競走馬でも食べられる飴としてDRAの承認済みです。


「麗華 カノンだぞ」


麗華もカノンが呼ぶだけで来るとわ思いもよらず

驚いてポカーンとしている


和馬の言葉で我に返った麗華はカノンへお辞儀する


「山崎麗華と言います 今日からあなたの主戦騎手と

して頑張りますから よろしくお願いします。」


カノンは和馬を見る


「そうなのパパ 」


「そうだよ、来週からこのお姉ちゃんが

カノンに騎乗するからね」


「わかったよ パパ」


カノンは麗華に向かい頭を上下させる


「麗華 カノンがよろしくといってるぞ」


麗華はカノンへもう一度頭を下げて和馬に問いかける


「ねえ和馬 なんでカノンが一人でここまで来れるの?」


しらばっくれる 和馬は


「たまたまだろ」


麗華とカノンのスキンシップが終わったところで

和馬はカノンを馬房へ戻しに行く

流石にたまたまは通用しないからだ


翌週 和馬と光秀の2人は馬バスにカノンとドリームを載せて

美浦のトレセンへ向かう 『フェリーと高速道路使用です』


向かう先は佐々木調教師の厩舎だ


真新しい白色の馬バスがトレセンへ到着すると

厩舎の前には調教師と厩務員が到着を待っていた。


車体には可愛いい馬のイラストと名前が書いてある

天翔牧場専用の馬バス名前はラグーナシオン号


天翔牧場の産駒が到着したが産駒を見学に

他の厩舎の調教師と厩務員のほか現役騎手もいた


光秀さんが後部ゲートを降ろし和馬が1頭ずつ

ゲートを使い慎重に降ろす


「佐々木先生 この子たちのことよろしくお願いします」


頭を下げる和馬


「相良さん お任せください りっぱな競走馬にして見せます」


野次馬たち


「見事な青鹿毛の牡馬と尾花栗毛の牝馬

同年代の2歳馬より馬体が一回り大きいな」


「確か主戦は牡馬が吉田さんで牝馬が新人の山崎が騎乗するらしい」


「なんか調教も育成牧場で調整してきたらしくいつでもデビューできるとか

いっていたぞ」


佐々木と和馬が話をしてるが、厩務員がそれぞれの馬を

馬房へ連れて行く


カノンが和馬の方を不安げに見るので


「カノン心配するな たまに見に来るしレースも毎回お前の側に

いるからな ドリームもいるから寂しくないだろ

ママとも出る時約束しただろ強い競走馬になって牧場へ

帰ってくるって」


「ウン パパ カノン強くなるよ パパに褒めてもらうためにね」


「そうだ、カノン 頑張れよ」


すると カノンは後ろを振り返るのをやめ

前を見て歩く


ドリーム君には一言


「お父さんのために頑張れ」


ドリーム君唖然とする


「え、それだけですか カノンには励ましの言葉かけていたのに」


流石に和馬も少し反省して


「ドリームはカノン以上にしっかりしてるからな

あんまり心配していなんだよ シルフィも

お前のことりっぱな息子だと褒めていたしな

まあ、なんだ 怪我だけ気を付けて頑張れ」


「わかりました。妹のカノンは僕が見ておきます」


ドリームも厩務員に連れられ馬房へと向かった。


和馬と光秀は馬バスで牧場へ帰るが

その道中は余り会話もなくやはり寂しいのだろう


和馬は遠くの空を見上げてつぶやく


「今すぐ カノンに会いたい」


「え、まだ 1時間しか経ってないですよ」


子離れできないのは和馬の方でした。




和馬は生産牧場の厩務員としてレースには同行しますよ

ドリーム君は強い子なのでカノンのレースへ同行しますが

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