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和馬初めての渡英で高額な馬を買う

このお話はフィクションです。 海外の競馬場のシステムはわかりません

不適切な表現がありますのでご了承ください

婚約祝いをいただきその件でお礼を言うため

和馬は単身千歳空港から成田経由でイギリスのロンドンへ向かっていた。


向こうから電話でいいからと姉さんから言われたが和馬はそれ以外の用事があるので

伺いますと先方へ連絡した。


イギリスへ行くことになった経緯を簡単に説明すると


理由はシルフィに頼まれたからだ。

トムさんが経営してる牧場にはシルフィのことを姉のように慕う年下の牡馬がいる

その牡馬は昨年成績不振で現役を引退後牧場で繋養されているが

待遇はあまりよくなくシルフィが厩務員の会話を聞いたところ

遅くても来年までには処分されると聞いてしまったらしい


シルフィから俺は成績不振の理由を聞いたら調教師と馬主が距離適性を誤り

短距離とマイルが得意の馬に中長距離レースを走らしていたとのこと

それでも成績自体はあまり悪くなく掲示板を外すレースはなかったとのこと


適正がなくてもそつなく走れる馬だから距離適性を誤る原因となったのだろう

そこでシルフィから天翔牧場で繋養してほしいと頼まれたのだ


そのついでに新しい種牡馬を見つけるのも渡英の目的になるかな

生産牧場の種付けは少し前までは、プラチナシップ、メテオプリズム、メテオライアン

など天翔牧場で繋養していた種牡馬が種付けした子孫がいたためなんとかなったが

血統的にそろそろ限界になってきた。新しい種牡馬を模索する牧場はあったが

余り成績が振るわず種付けは失敗したと言われた。


昔のように名馬がいればいいのだが、それとも外国からの輸入に頼るのか

各牧場は毎年ジレンマを抱えている


伊藤さんと佐藤さんの牧場が毎年種付けに苦労してるくらいだからな

素人の俺がなんとかできるはずもなく

それなら一度イギリスから種牡馬を輸入して種付けを試そうと考えたからだ。

手始めはシルフィ一押しのプライムレコードをシルフィに種付けすることにした

当然シルフィの了解ももらっている


日本で成功する種牡馬の条件はスピード重視でダート馬とステイヤーは敬遠される

いくらG1を勝利した馬でも活躍の場がなく地方へ行くか乗馬クラブへ行く馬がいる


その点シルフィ一押しのプライムレコードには短距離が得意のスピードの

特性があるとシルフィが断言した。


トムさんの牧場がある近郊の空港へ到着すると

相良和馬さまと書かれたボードを掲げたおじさんとその横には


「和馬~ここよ~」


俺の姉さんがいた。


「姉さん久しぶり ありがとう 迎えに来てくれて」


「堅苦しい 挨拶は抜きよ さあトムが待っているわ」


おじさんは力持ちなのか俺の2つのスーツケースを軽々と抱えると

クルマのトランクへ収納した。


空港から車でひた走り1時間ほどでトムさんの牧場入口へたどり着いた

姉さんの話だと土地が500エーカー以上あるから

ここからでもまだしばらくかかるという


道沿いにあるのは全て牧草地と放牧地で馬がのんびりと草を食んでいる

当歳馬の横にはお母さん馬が子供の面倒を見ている

癒される空間


「和馬もほんと馬が好きよね まあ家系だから 血が騒ぐのかな」


「そうだと思うよ」


「そうだ、それよりも いつ紫苑さんに会わせてくれるの

てっきり 挨拶に来ると聞いたからいっしょにくると

思ったのに 姉さんがっかりよ」


「ごめんね まだ婚約したばかりだし 牧場のこともあるからね

 来年の式には必ず会えるから我慢してよ」


「それじゃあ、 紫苑さんの写メ見せて」


姉さんにスマホを取られた


「わあ~ 可愛いい 和馬も隅に置けないな

この子 けっこうもてたでしょ」


「まあね、競馬学校ではよく告られていたよ」


「でも、母さんから聞いた話だと紫苑さんから

プロポーズされたそうね 和馬やるわね」


「え~ 母さんには内緒にといったのにな~」


「あ、そろそろ着くわよ」


厩舎の奥に母屋があり 姉さんが案内してくれる

俺一人だと迷子になる自信はあるな 


連れていかれた先はサロンでトムさんがくつろいでいた。


俺は一応日常会話くらいの英会話はできたので

トムさんに挨拶をする


この度のお礼だ。


今回は、1週間ほど滞在予定なのでその間に交渉と週末は競馬場へ見学へ

行くことになっている


翌日俺はさっそく姉さんを伴いプライムレコードを見に行くことにした。


それと今回のお礼代わりに馬房を見学しながら

馬と念話で話して情報収集もする


特に1歳馬を重点的に情報収集する


健康面と距離の適性を新馬に聞くためだ


短距離がいいだとか、長距離が走りたいとか ダートしかダメという馬もいた。


俺が聞いたことをそのまま姉さんに伝え姉さんが記録する


俺が念話を使えることは既に伝えている


「やっぱり便利よねその能力 和馬うちへ来ないかな」


「今は天翔牧場の方が忙しいから少し落ち着いたら

遊びに来るよ、その際に見てほしい馬がいれば

その時はお役に立つからね」


しばらく談笑しながら目的地へむかう


「和馬この馬がプライムレコードよ」


馬房のネームプレートにはプライムレコードと表記されている


「それじゃあ姉さん 馬房へ入るね」


「いってらっしゃい 時間は気にしなくていいからね」


馬房へ入るとプライムレコードが俺を見る


「何だ何しに来た まさか俺の処分が決まったのか?」


「プライムさん 心配しなくていいですよ

悪いようにはしませんから安心してください」


「お前会話できるのか?」


「はい、いろいろありまして馬の神様から授かりました。」


「俺たちが崇拝する馬の神様とお会いしたのか?」


「そうです、一度落馬して死にかけたときに助けていただき

その際にこの能力を授かりました。」


「なるほどな、それで俺に用か?」


「今はうちの牧場で繋養してるシルフィから貴方の様子を見て

きてくれと頼まれましたのでここまで来ました。」


「シルフィ姉さんは 元気か?」


「元気ですよ 飼い葉がここよりも美味しいと

食欲も旺盛です 来年からは繁殖牝馬として頑張ってもらえます」


「それを聞いて安心したよ、これで処分されても心残りはない

来週あたりにどこか施設へ連れて行くと厩務員が

話していたからな」


「処分なんかさせませんよ 俺が貴方を日本へ連れていきますから

貴方は日本で種牡馬として活躍してもらいます」


「俺が種牡馬になれるのか? たいした成績残しちゃいないぞ」


「適正があるレースに出ていないのだからしょうがないですよ

短距離なら間違いなくいい成績収めているはずですからね

貴方のことはシルフィから聞いてますよ

実力出せない長距離を走らされたとね」


「それじゃあ俺も姉さんと同じ牧場で暮らせるのか?」


「はい、トムさんとの交渉が終われば日本へ移送してもらいます」


「それで、お前の名前は?」


「そういえば言い忘れてましたね

相良和馬といいますこれからよろしくお願いします。」


「和馬だな こちらこそよろしく」


俺は用件を済ませると馬房から通路へ出る


「和馬の顔 上手く話がまとまったようね

姉さんも安心したわ

もう、他の馬は見なくていいの

種牡馬になれそうな馬ならまだまだいるわよ」


「今回は取り敢えず予定では1頭です

既に厩舎にいるラグーナシオンの種付け馬も決まってますから

その産駒次第で増やす予定です。」


「ラグーナシオンは紫苑さんの結納品なのよね

和馬 尾花栗毛の牝馬好きだものね

どうせ馬房でも入り浸りで世話してるでしょ」


「さすが姉さんよくわかりますね」


そんな会話をしながら通路を歩いていると馬房の中から念話が


「すいません そこのあなた 天馬さんの身内の方ですか?」


馬房から顔を出している白毛の牝馬から声がかけられる

まあ、念話なんで聞こえたのは和馬だけですが


「姉さん ちょっとまってて なんか天馬さんの名前を知ってる

牝馬がいるから話を聞いてみるよ」


和馬が声がした馬房を見ると綺麗な白毛ではなく

葦毛の馬が興味深げでこちらを見ていた。


馬房のプレートにはミステリーグレイと明記されているが

見たところ6歳か7歳くらいだろうか

この年齢に天馬さんと面識があると思わない

最低でも70年は生きていないと会えないからだ。


俺は姉さんの了解のもと馬房へ入ることにした。


「あの、俺は天馬さんのひ孫で相良和馬と言います

でもどうしてあなたが天馬さんの名前を知ってるのですか?」



「実は私、馬の国の記憶が残ったままこの世界へ転生したようなのです。

馬の国では天馬さんと奥様の美鈴さんから調教を受けまして

転生したこの世界でG1を勝つことが出来ました。

ほんと天馬さんには感謝しています。」


和馬はこの牝馬に興味を持った 天馬の記憶がある馬なんて

この世界で会うはずがないと思っていたからだ

何とかしてこの牝馬を日本へ連れ帰りたいと思ったので


「姉さん 俺このミステリーグレイを日本へ連れていきたい

買い取るとしたらいくらかかるかな」


姉さんはいつもと違い真剣な顔つきをする

どうもこの牧場でも大切な繁殖牝馬のようで

戦績はG1だけでも英オークスとKG&QEステークスの勝ち馬だ

日本で例えると3歳オークスとアリーナ記念の勝ち馬以上かもしれない


「本来なら譲ることは出来ないと思うけど

和馬の頼みだから何とかしたいけど最低〇億円はいると思うわよ」


和馬は驚いた 凄い評価が高い馬のようだ。


「姉さんトムさんに頼んでよ 俺このグレイさん購入する」


「どうやら 和馬の意志は固いようね

姉さんに任せなさい

条件次第でなんとか出来るとおもうから」


最初 姉さんの頼みでもトムさんは渋った

姉さんがいろいろ譲歩できそうな条件提示すると

なんとか許可が出た。


「和馬 何とか日本へ連れて行けそうだけど

条件として 生まれた産駒は最優先でこちらへ譲ること

種付けの際はこの牧場へ連れてくることになるわね」


「姉さん トムさん ありがとう その条件を受け入れます」


購入代金はやはり〇億円必要となり

日本への移送はプライムと同じで構わないとのこと


プライムの交渉は驚くほどスムーズで最終的には

グレイさんのオマケ扱いとなった。


このことは当人へ伝えるのはやめようとおもう


週末明日は日本へ帰国するので観光目的で競馬場へ行くことになった。


トムさんが馬主をしてる馬が出走するとのこと


俺はまだ20歳の誕生日を迎えていないので代理で姉さんが購入してくれる


購入方法は日本のような設備があるわけでなく昔のように


窓口で係員へ記入した用紙と現金を支払い馬券を購入する


※ 外国の競馬場での購入方法がわかりませんでした。

  ドバイではそもそも馬券が購入できないとのこと

  宗教的に賭け事が禁止されているとのこと

  競馬はスポーツの扱いです。 

  その代わりにくじが無料で観客に配られ当たると豪華景品が

  もらえるらしいですね


俺は姉さんと二人でパドックへ行く


「和馬 どのレース買うのよ」


「俺競馬素人だし 買うなら1レースに絞るよ

それと試したい方法があるからね」


「それって まさかあの」


「天馬さんの資金集めの方法だけどね パドック会議

普通のレースは皆真剣に走るからなかなか当たらないよ

でもレースによっては素人でも当たるレースがあるから

1レースからパドックで馬たちの会話を聞いていくよ」


「あ~あ 私も馬たちと念話で話したいな

でも念話だと通訳必要ないのね」


「俺もシルフィと日本で初めて会ったとき不思議だったよ

普通に言葉が理解できたからね」


俺と姉さんはジュースを飲みながらパドックで馬たちを眺めていた


「姉さん このレースの馬券買うよ」


「面白い 話聞けたの?」


「そうだね、引退レースらしい 参加する馬たちも異存が

ないらしいから買えば当たると思うよ」


俺と姉さんは用紙に記入して窓口へ並ぶ


「和馬 ほんとにこの金額でいいの オッズだと

相当大穴で 当たれば超万馬券よ」


「俺は馬たちを信じてるだけだよ 外れても悔いはないし」


「わかった。 それじゃあ 購入するね」


姉さんが窓口で用紙を手渡して馬券を購入した。


さあ、どうなるのかな?


数十分後 姉さんは少し興奮している


この競馬場での配当金は高額だと小切手で渡される

現金よりも安心だからだ。


姉さんから裏面にサインするように言われ

俺はペンで相良和馬と記入


「ねえ、和馬 姉さんね 昨日よりも馬が大好きになったわ

馬たちの信頼関係って人間以上かもしれないわ」


「俺もだよ 姉さん ゴール直後鳥肌が立ったよ

それに参加した馬たちが優勝した引退馬に挨拶に行くのも感動した」


「いいな、和馬は馬の会話聞けるものね」


「それじゃあ トムも待っているし 帰りましょう」


トムさんも 自分の馬のレースも無事に終わり

用事も済ませたので道が混む前に帰ろうかと

の内容のメールが来た。


牧場へ戻り 食事の後 俺はトムさんへ小切手を手渡した。


「トムさん 受け取ってください ミステリーグレイの購入代金です」


トムさんは当初代金の一部だと思ったようで金額を見て驚愕してる


直ぐに俺では理解できない英語で姉さんと話をしてる


そりゃあ 1日で〇億円の小切手用意したら驚くよな


その後正式な契約を済ませて翌日俺は日本へ帰るが

その前に日本へ連れていくグレイとレコードへ挨拶をして

日本で待ってると伝える


牧場を出る前に姉さんへのお土産を渡し忘れたのに気が付き


姉さん 姉さんの好きなトウキビチョコとポテトチップのチョコ味だよ


「和馬 ありがと また来てね あの情報凄く役に立ちそうだから

来年も頼むわね」


新馬についての情報はトムさんも喜んでいたようでよかった。


空港で紫苑のお土産も購入したしそれと


お爺ちゃんが喜ぶ話もできそうだ。



  




相良優駿へのお話はなんでしょうか?

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