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オマケ その3 余り触れていないホワイトマロンのお話

プラチナが亡くなった時のマロンのことが本文であまり書かれていないので

補足の形で掲載しました。

プラチナシップのことが大好きでプラチナが亡くなったことに

心身ともに耐えることができなくなりプラチナの後を追う形で

衰弱死してしまった一途な白毛の牝馬


その名をホワイトマロンといいます。

プラチナと同じレースで走ることはなかったが

競馬場でプラチナの姿を見るたび恋焦がれていた。


引退するまでに何とかG1は一つ勝つことが出来た

珍しい白毛ということで競馬ファンからも支持されていた

マロンの馬主さんは大の白毛マニアとして有名な方で

牧場を経営していたが繋養馬は葦毛か白毛馬しかいない牧場だった。


引退後マロンは、繁殖牝馬として繋養されることになったが

プラチナ以外の馬に種付けされるのを嫌がり

2年間発情することはなかった。


困った馬主さんはマロンが病気でではないかと

獣医にも健診を頼んでいたが、どこも悪くないと言われ

ほとほと困った。繁殖できないのであれば

乗馬クラブへの売買も考えなければならいと考えていたところ

知り合いの馬主から馬と念話で会話できる人物がいると聞かされ


藁をもつかむおもいで天馬がいる天翔牧場へマロンと共に

赴いた。そこでマロンはプラチナと運命の再会をすることになる


マロンもプラチナが種牡馬になったことは当然知っているが

何処の牧場で繋養されているか普通の馬に分かるはずもなかった

天翔牧場でプラチナとめぐり会えたのはほんとに奇跡的だった。


ただその牧場にはマロンのライバルでもある牝馬メリーローズがいた。

同じ牝馬からみてもメリーローズの尾花栗毛は美しいと思った

白毛が珍しいとわいえ年を取ると葦毛馬も見た目が白毛になるので

アピールポイントにはならない、プラチナも葦毛のため

見た目は既に白毛のマロンとよく似ていた。


マロンもメリーがプラチナのことが好きなことは

パドック会議で情報として得ていたので

まさかこの牧場で仲睦まじい夫婦のような生活をしていると知り

驚いた 当然産駒も生まれているその名はエクセレントローズ


普通であればプラチナのことは諦めるしかないが

人間ではない馬の場合種牡馬は年に数百回種付けする馬もいる

それならばまだチャンスがあると勇気を振り絞って

放牧地でプラチナに告白した。



「プラチナさん 私はあなたのことが大好きです

どうか種付けしてください。」


プラチナは告白されて正直戸惑った。

据え膳食わぬは男の恥と思わない

プラチナはやはり誠実な牡馬だった


「悪いが俺には好きな牝馬がいる

確かに牡馬として種付けはしているが

俺が愛している牝馬はメリーローズだけなんだ」



マロンは改めてプラチナのことが好きになった。

私のことを真剣に考えてくれて

メリーのことを愛していると断言していることにだ。


正直メリーが羨ましくもあり妬ましい

こんなにプラチナさんに愛されているんだ。

でも私も誰にも負けないくらいプラチナさんが好きだ



「それでも、私はあなたのことが好きです

このままでは私は乗馬クラブへ売られることになります

それでも種付けされたいのは、プラチナさんだけなんです

他の牡馬に種付けされるなら死んだ方がましです」



プラチナは悩んだがここまで自分のことを

好きだといってくれてる牝馬が不幸になるのは

忍びないとメリーにすまないと思いながら

マロンを受け入れることにした。


「これだけはいっておくが、俺の好きな牝馬は

生涯メリーだけだ。それでもいいな」



「はい、それで構いません 

私の思いを受け入れてくれるのであれば

それで満足ですから」



その言葉を聞きプラチナは天馬に事後報告しなければ

ならないと思いながらマロンに種付けをしたが、

プラチナも同じ放牧地へ入れた時点でどうせ天馬も

それを望んでいることは理解していた。


メリーにすまないと思うがあいつも天馬のこと好きだからな

まあ、お互い様だろとわ 怖くて言えないプラチナ



こうして私の夢は叶い プラチナさんと同じ牧場で繋養されることに

なりました。天馬さん馬主さんほんとにありがとうございます。



同じ牧場で繋養されることになりメリーさんのこと

いろいろ聞かされることになります。


一度メリーさんにプラチナさんとのこと聞いたんですよ


「ねえ、メリーさん プラチナさんのこと好きなんですよね

でもメリーさん天馬さんとも仲良しですよね」


メリーは真剣な顔で答えてくれた


「プラチナのことは昔から大好きよ

貴方と同じようにね、でもねプラチナといっしょに

いられるようにしてくれた天馬も好きなのよ

貴方からみたら優柔不断と思われるかもしれないけど

馬ではプラチナが人間だと天馬のことが大好きよ」


メリーさんは誤魔化すことなく正直に答えてくれた

私も天馬さんにはほんとに感謝している

馬主さんから私を購入してくれてこうしてプラチナさんとも

仲良く牧場で暮らしていられるのは天馬さんのお陰だ


「私も天馬さんには感謝しています。

プラチナさんと同じ厩舎にいられるなんて

夢のようですからね メリーさん プラチナさんを

大好きな牝馬同士これからも仲良くしてくださいね」


「そうね、これからもよろしくね マロン」


こうして牝馬同士の友情が芽生えたのか?


マロンは、天翔牧場へ来てから天馬との約束のとおり種付けは

プラチナしかしていない当然メリーも同じであったが、

生まれた産駒が白毛の場合は必ず元の馬主さんが

庭先取引で購入していた。


マロンも優秀な牝馬だし種付け相手がプラチナということもあり

産駒も皆 重賞を勝てる優秀な馬たちだった。


マロンは産駒を見るたびプラチナとの間に生まれた子を

愛おしく思っていた抜きんでた活躍なんてしなくてもいいから

現役引退しても処分されず馬生をまっとうしてほしいと願う


そして天翔牧場で暮らし始め20数年が過ぎマロンに悲劇が襲う


最愛のプラチナが天寿をまっとうして馬の国へ旅立ってしまった


プラチナが旅立つ前マロンには最後の別れをしないで

メリーには最後のお別れをしていたプラチナ

これが不幸を招く結果になるとわ

プラチナも思わなかっただろう


やっぱり本妻の座はメリーが譲ることはなかったと

マロンはその時感じた。


そしてマロンはプラチナを失った喪失感で食欲もなく

飼い葉も食べなくなり天馬と同胞たちが励ましていたが

7日後プラチナを追うように衰弱死した。


仲間からはあと数年したらプラチナには馬の国で会えると言われたけど

数年を耐えることが出来なかったマロンは自ら死を選ぶことになった

亡くなる寸前に意識が奇跡的に戻り同胞と最後の別れをすることは

出来たのが唯一の救いかもしれない


「ごめんね 弱い私を許して 馬の国で再会したら

必ず天馬さんにも謝るから 」


と最後の言葉を残した。


馬の国で再会したプラチナはグレイ毛色の若い姿でマロンを出迎えた


「やっぱり俺が危惧したとおりになったな

まさかほんとに俺の後追いするとわな」


馬の国へ来るとマロンも若くなったが、毛色は当然白毛のままであり

プラチナと並ぶと若夫婦にも見える


「プラチナさん ごめんなさい 私やっぱり 貴方を失ったことが

耐えられなかったの弱い私を許して」


プラチナもため息つくが想定内のことが起きたに過ぎない


「俺もマロンといっしょに皆に謝るから気にしなくていいぞ

こんなことになるならお前にも最後の挨拶すればよかったと

今更ながら後悔したところだからな」


マロンも馬の国へきて気が緩んだのか反撃をする


「そうですよ、最後の別れ メリーさんだけにしたプラチナさんにも

落ち度があります 天馬さんも怒っていましたよ」


天馬が怒っていると聞かされやっぱりかと

後悔するプラチナ


「やっぱり俺も同罪だな マロンいっしょに謝ろうな」


「はい、二人で謝りましょうね」


「それとメリーさんがこちらへ来るまでは

私が正妻ですから よろしくお願いします」



それから数年後に皆が馬の国へ訪れると二人揃って謝る姿を見ることになる



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