表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/167

オマケ話 その2 皐月と優駿の日常

皐月と優駿が結婚して牧場で獣医として働き始めたころのお話です。

相良皐月 旧姓 天翔皐月は獣医になり旦那の優駿と2人で


佐藤牧場と天翔牧場の繋養馬たちの日々健康管理をしている


たまに近くの牧場からの往診の依頼が入り別の牧場へ行くこともある


今回のお話は皐月たちが赴任して間もないころのお話です。


本日は馬たちの健康診断を兼ねて両牧場の厩舎を順番に回っている


「ねえ、皐月 」


「何だ 優駿」


「皐月も気が付いていると思うけど牧場の馬たち

さく癖 (グイッポ)する馬いないよね

何でだろう?」


グイッポとわ 馬の癖で暇なときに牧場の柵や馬房の扉など

噛んでいる馬たちのことをさしている

周りの馬がしているので真似をすることで伝染するとも言われているが、

なぜ この行為がいけないのか?


グイッポして空気を吸い込むことが原因で疝痛になる場合もあり

最悪死に至る病気になる危険性があるためだ


そのため牧場ではこの癖を治すため 口元に籠をかぶせたり

場合により歯を抜いてしまうこともあるそうだが、

強制的にこの癖を直そうとするとそれにより馬に過剰な

ストレスを与えることになり別の病気へ発展する場合もあるらしい



「それわね 父さんが馬たちにグイッポの危険性を

 丁寧に説明してやめさしたからよ」



「そんなことあり得ない…でもないか

皐月のお義父さん馬と念話で話せるんだもんな

ほんと羨ましいことだね」



「そうね、 ほんと自慢できる父親だけど

真似ができないのがほんと悔しいわね

そんなことが出来れば怪我や病気の治療が

どんなに迅速にできるのだろう」


「以前ね父さんがDRAにいたときにも

馬の健康管理の仕事をしていたらしいの

パドックで体調が悪い馬を見つけてその馬から状態を聞いて

獣医に連絡することでレース中に起こりえる怪我を未然に防ぐ

ことが出来たそうよ」


優駿が大学の講義での話と幼少時の思い出話を皐月にする


「皐月も講義で聞いていたと思うけど

レース中に骨折した馬が予後不良で安楽死されそうなときに

手術中馬に付き添い手術を成功させた話、僕感動したよ」


「天翔牧場で繋養してるスタイルシルバーの怪我のことね

普通なら痛くて暴れて最悪別の場所の骨が折れて

その場で安楽死処分をしなければならなくなるところ

お父さんが手術中シルバーに話しかけて大人しくさせて

いたから成功したと話題になっていたわ」


「そのレース父親と見ていたんだ。

父がDRAの職員に馬の容態を聞いたら

あの状況では予後不良で安楽死の可能性があります

と聞かされてね僕はその時決めたんだ 獣医になろうとね」


「そんなことがあったのね

私の場合は繁殖馬の出産に立ち会ったときね

仔馬がね生まれて間もないのに必死に立ち上がる

姿を見てね獣医になることを決めたわね」



「優駿 それじゃあこの牧場でシルバーに会ったとき

驚いたでしょう 普通に歩いていたから」


「勿論驚いたよ 皐月のお義父さんに連れていかれて

この馬がそのレースで骨折した馬だと紹介されてね

驚いたけど 凄く嬉しかったのを今でも覚えているよ」



「お父さんのようには馬とスキンシップ取ることは

出来ないかもしれないけど 二人で努力しましょうね

牧場の繋養馬たちが1日でも長くこの牧場で暮らせるように」


面白い話を思い出した優駿


「スキンシップと言えば皐月のお義父さん たまに馬房で寝ているそうだね」


 驚く皐月


「その話、お母さんから聞いたのね」


頷く 優駿


「お母さんが留守の時はいつも馬房で寝ていたらしいの

特にお気に入りがメリーローズとエクセレントローズ

2頭がいる馬房らしいわ 今はローズとスターが同じ馬房に

いるから最近は、メリーのところへ入り浸りだと

聞いているわね」


「ねえ、皐月同じ馬房で寝て何をしているの?」


真剣な顔で優駿へ答える皐月


「人生相談をしているらしいとお母さんから

聞かされている 一番甘えることが出来るのが

メリーだからとお父さんから言われたそうよ」


「皐月その話 ほんとなの

相手は馬だよ人間じゃないよ」


皐月 怒る


「そんなこと私でもわかるわよ

でもお母さんが真剣な顔で教えてくれたのよ

ほんとのことだと」


「私もね一度だけお母さんと現場を見たことがあるのよ

お父さんが寝室にいないから探していたら

馬房で見つけたのよメリーの馬房の寝藁の上で

メリーの首へ抱き着いて甘えていたのよ

メリーは嫌な顔をしないでお父さんの顔を舐めていたわ」


「それでね、メリーがお母さんの方を見ながら

勝ち誇った顔をしたのよ

お父さんは私のものよと言わんばかりの態度でね」



「なんかその話聞くとそこまで馬たちと

本音で語り合えることが出来るお義父さん

尊敬するな僕は 真似は出来ないけど」


「まあ、確かに馬好きには本望でしょうね

私たちはできる範囲で努力して

馬との絆を勝ち取りましょうね優駿」












まだ、バックアップに保存しているお話がありますので

いずれまた投稿するかもしれません

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ