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天馬編 完結  馬の国で妻と再会する 

馬の神様に連れられ施設見学をしている天馬たち


「阪神競馬場かな?」


その横には、京都競馬場もあり

施設の外観が本物とそっくりで驚いた。


「それはですね、天馬さんの記憶から

私が阪神競馬場の情報を引き出して

具現化しました。 エッヘン」


俺は思わず可愛らしい神さまの頭を撫でてしまった。


「具現化できるのは天馬さんの記憶領域に情報が

ある場合だけですのでご注意ください それと今後

この具現化のシステムも天馬さんにお預けしますので

トレーニングに活用してください」


スゲー 流石ファンタジー 今日から俺も魔法使いになった


俺は綺麗なターフが見たくなり 競馬場の中へ馬を引き連れ

入場ゲートから侵入する


ちょうどスタンドの横のウイナーズサークルから

芝のコースへ入り周りを見るが本物そのままで

リアル感が半端ない。


俺が念じれば場所を変更できるらしいので


「東京中山競馬場」


パカッ パカッ


「おお、凄い ほんとに中山競馬場だ。」


競馬場が変更できるのでゲートの練習も捗る

新馬戦だと夏競馬の函館と札幌だな それと新潟


念じるだけで景色が変わる


「天馬 遊んでないで練習しような」


なぜかプラチナがやる気を見せてる


近い将来転生する馬たちがローズたちと練習に励む

ローズは先頭に立ち 


「貴方たち情けないわよ なんでこんなゲートに入るの

怖がるの このゲートの先には輝かしい未来が待っているのよ

ローズなんかいつもゲートが開くのワクワクして

待っていたんだから 開く瞬間を狙ってダッシュよ」


特に大逃げカマス馬には重要なスタートだ

差しや追い込みが得意なら後で挽回できるが

逃げや先行タイプだとスタートですべてが決まる


ローズに鼓舞された馬たちは、順番にゲートに入り

念入りにゲート試験をこなしていく


この試験にクリアすると今度は本格的なレース形式の

練習になる


俺には神様から頂いたスキルがあるので

馬に合わせて競馬場、馬場、ゲート位置を正確に

アレンジできる


併せ馬も豪華だよ


プラチナ、メリー、ローズ、スターも俺の手伝いをしてくれる

最近では、久しぶりにここで会うことが出来た

メテオプリズムさんも協力してくれるので

ほぼ最強メンバーに相手をしてもらえる

このメンツ相手に勝利すれば外旋門賞も夢ではない


ここで猛練習しても残念ながら転生する馬は皆

記憶を消され競走馬の名前も転生後に新しい名前に変更されて

しまうが、潜在スキルとして刻まれるので

転生後にゲートで困ることもないし、自分の得意な脚質で走ることもできる

ここでの練習も無駄ではないんだ。


そしてある日のこと俺たちの前にチャコとライクが

挨拶に来た。 姿はやはり3歳馬のころと同じだが

チャコは小柄の体格で350キロと体重もほかの馬と比べ軽い


俺はまず、チャコに土下座した


「チャコごめん 俺のミスでお前にはまた

転生させることになってしまった。許してくれ」


「お父さん 私気にしていないよ

ライクとの真剣勝負でのことだから

実力ではチャコはライクよりも弱いからね

次は頑張るよ、だから頭を上げてお父さん」


俺は、けなげな愛娘を抱きしめる


「それでチャコにはここで特訓をして

1回の転生でG1勝利をしてもらうよ

チャコも相手がライクじゃなければ

G1は勝てた才能がある馬なんだからな」


「それに今日は、ここにスペシャルゲストをお招きしてるよ

チャコのお母さんのエレガントペルシャさんだ

ただペルシャさんG1勝利馬じゃないから

何度か転生していたから馬名変わっていたけど

馬の神様に探してもらったんだ。

間違いなくこの方がチャコのママだよ」


愛しい我が子との対面だが、ペルシャさんには

記憶がないそれでも親子の絆は不変だと信じてる

だってこの親子双子のように可愛いいからな


チャコ、天馬さんから聞きました

貴方が私が産んだ子供だと

馬の国で再会できるのを暫く待っていたのだけど

G1未勝利馬は、転生する宿命がありますから

貴方のこと忘れていましたが、馬の神様のご配慮で

記憶を取り戻すことが出来ました。


「会いたかった。 チャコ元気そうでお母さん

嬉しいわ。」


死んでいますけど、茶々入れない


「ママ、会いたかったよ。 」


似たもの親子が再会を喜んでいる


さて、問題はチャコの馬名と記憶が消されてしまう件だが

そこは、馬の神様に頼み込んだ。

まず馬名は、必ず転生時に変更させられるため同じのは使用できない

妥協案として、馬名はチャコチャンで登録これなら問題ないかな


記憶の件は、1回だけ消すのを猶予してもらえることになった。

1度の転生でG1勝利できれば、記憶を元に戻してもらえるのだ

普通はG1勝つの大変なんですが、チャコの相手が年度代表馬のライクだったから

同じレースでも勝敗は鼻差なので全然引けを取らないレースをしていた。


現にここでの模擬レースでは、3回に1回は勝つことがあるのだから

1回の猶予があれば確実に勝てるはず。

阪神JFかホープSが勝てればそこで引退してもいいからな


俺たちは万全を期して転生する期限まで猛練習した。

そして笑顔で皆でチャコを送り出した。


この世界の時間は非常に進みが遅い あちらは逆に早いので

チャコを送りだし20日ほどでチャコが戻ってきた。


チャコチャンとなってしまったが、見事G1勝利したそうだ。

馬の国へ来る前に記憶は戻されているので

俺たちは喜びの再会を果たす。


「チャコよくやった。お父さん嬉しいよ。

ところでG1いくつ勝利した?」


「え~とね 阪神JFとホープSは、問題なかったから

ついでに3歳のさくら賞で勝利して、その後怪我して引退してきた

早くお父さんに会いたかったから 」


俺はすぐさま抱擁する


この小さい体躯でG1勝利できる愛娘すごいと思う

エレガントペルシャさんも喜んでいる


さて問題がなくなったので馬たちのトレーニングにも

やる気が出る 俺は最近の練習では騎乗して

訓練するので勝負服を着ている


馬たちもこの服見るとやる気が出るとのこと

ゲートの試験もこの服着ると成功率高くなるからな


ただ問題は、この馬の国には騎乗できるのが

俺一人しかいないことだろう

あと一人でもいれば練習も捗るだろう


いつものようにゲートの前で悩んでいると


俺の目の前に馬の神様と若い女性が現れる

その女性は勝負服をきた若い女性騎手だった。


「あれ、この女性見たことがあるよな

誰だったかな?」


「天馬 薄情ね 自分の奥さんの顔見忘れたのかしら

浮気者」


「え、美鈴なの でもどうして馬の国へ来れたの?」


「貴方にどうしても会いたくてね、

貴方が死んでから牧場の近くの馬頭観音様に

毎日お願いしていたのよ、

そして30年後の今日それが叶ったの」


「美鈴、俺も会いたかったよ。」


「私もよ、寂しかった 牧場も皐月の子供が

切り盛りしてるから私もすることがなくてね

だんだんと衰えていく自分が情けなくなったわ

でもね私の前に天馬が話してくれた馬の神様が

夢の中で出てきて 私にいったのよ

美鈴さん 天馬さんに会いたいですか?」


「当然私はお願いしたわよ、お願いします

天馬に会わせてくださいと。

そしたらね天馬が馬の国で馬たちのトレーニング

してるからそれを手伝ってくれるなら

歓迎しますよいってくれたの」



「翌日 私は皐月に話したのよ

昨日夢に馬の神様が現れたの私今日死ぬのよ

でも悲しくないのよね不思議だけど

皐月は当然理由を聞いてきたから

それは大好きな天馬に会えるからよ答えたわ」


「皐月もそれを聞いて寂しいけどお父さんに会いに行くなら

私も安心して送り出せると笑顔で看取ってくれた」


「これからも私のことよろしくお願いしますね旦那様」


「そうだな、この世界には老いはないからな

二人で仲良く馬たちのトレーニングしような

1頭でも多くのんびりとした暮らしができるように」


「あ、そうだ美鈴言い忘れていたけど」


「何よ 天馬いいなさい」


「お帰り 美鈴」


「天馬 ただいま戻りました。」


二人は自然と抱き合ったが、周りの馬からブーイング


「天馬、美鈴より私の方が大好きなのよね」


「メリー この世界に来たら私も念話できるのよ

貴方に天馬は渡さないから覚悟しなさい」


「勝負よ」 「勝負よ」


「でもでも パパはローズのこと大好きだよね」


「お母様よりもわたくしのほうが好きですよね」


メリーと美鈴の後ろから娘のローズとスターが現れ

親子で言い争う


プラチナたちはまたかと呆れているようだ



何やら これからも騒がしくなりそうです。



これでこのお話は終了になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

このお話を読むことで引退馬のことが少しでも理解出来たら幸いです。

以後オマケとして数話更新いたします。

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