またまた遠征で外旋門賞に出走します。
3月のドバイへの遠征は無事に終わった。
スターは、動物の検疫の際俺と離れるのを嫌がり大変でした
輸出5日で輸入時10日間検疫のためいっしょにいることが出来ないので
「スター寂しいと泣くからな」
「失礼な、わたくし 泣いてなんかおりませんわ
目にゴミが入っただけです。」
今回のドバイ遠征は、スター以外に出走したメンバーの成績は、
1着はスターだけだが、それでも皆さん2着か3着という成績を収めた
ドバイのレース2着以下でも半端ない賞金でますからね
帰国後の競馬新聞を見たが、歴史的快挙と1面に掲載されていた。
それと問題があるとすれば、お義父さんのところへ
海外のエージェントからスターが引退したら
繁殖牝馬として輸出してほしいと頼まれたが俺は、
「愛娘を売る親はいませんよ、スターは最後まで面倒見ます」
といって断りました。冗談じゃない
そして今年2回目の遠征の前に6月G1宝記念へ出走することになります
阪神競馬場第11R G1宝記念 芝2200トール
ドバイワールドカップ1着のスターを一目見ようと
朝からたくさんの人が競馬場へ詰めかけていた。
いつものパドックでは、
ドバイで優勝したスターに声をかける出走する馬たち
「スターさん優勝おめでとうございます。
やっぱり天才は違いますね
俺たち凡才ではドバイなんて出走するのも夢で終わります。」
『いいえ、勘違いしては困りますわ
私なんか天才ではございません、天才はわたくしのお母さま
エクセレントローズみたいな馬だけですわ
お父様もわたくしは努力する秀才だとおっしゃいましたし』
「それでは、スターさんみたいにレースで勝つには
どのような調教をすれば私みたいな凡才の馬でも
勝てるのでしょうか? できればご教授願います。」
今度はスターが調教の方法を伝授するようで
パドックの中心へ移動する馬たち
厩務員は何事かと慌てている
周回しないで真ん中で密談してれば慌てますよね
『よろしいですか? いくらレースが芝のレースしか出走しなくても
ダートかウッドチップの坂路調教を嫌というほどすれば
私のようになれますわ 地道な努力の積み重ねです
楽をしてもよい結果を得られることはありませんわ』
スターなかなかいいことをいってるな
俺が日ごろからお前は努力の秀才だといっているからな
『それに、雨の日のダートを走るとあのヌルッとする感覚が
たまらなく気持ちがいいのです。皆さんもお試しくださいな』
「スターさんお言葉を返すようで申し訳ないのですが
わたしは、雨の日のダートは嫌いです
泥をかぶり体中泥だらけになります。牝馬としていつも
殿方の前で綺麗でいたいので私は雨の日は、拒否しますね」
スターはその言葉を聞いても怒ることはなく当然ですねと
『そのお気持ちは痛いほど同じ牝馬として理解できますが、
私の場合は、その調教後に楽しいことがありますから
そのために雨の日も楽しくダートを思い切り走ることが出来ます』
「スターさん その楽しいことってなんですか?
私の場合は、水を頭からかけられるか
汚いタオルで拭かれるだけですよ」
スターはその牝馬に対して
『貴方の担当厩務員のかた 貴方への愛情が足らないのですわ
愛する娘への態度では、わたくしのお父様に敵う人はおりませんわ
私の時は、まず優しくお湯で体を洗ってシャンプーとリンスで
トリートメントしてドライヤーで乾かしてもらい
最後に丁寧に拭いてもらえますよ。』
「スターさんが羨ましいです。そんなことしてくれる厩務員の方なんて
なかなかいませんよ」
さすがにこれ以上雑談していると出走時間の問題があるため
DRA職員に頼まれて俺がスターに解散して
元の周回へ戻るように指示を出しました。
レースのほうですか?
レースは楯さんの素晴らしい騎乗で見事優勝しました。
レース後のウイナーズサークルで重大発表が行われます。
「盾騎手 次の出走予定なんですが、どのレースへ向かわれますか?」
「そうですね、馬主さんと佐々木調教師さんのほうから
後ほど正式発表されると思いますが、休養後は
パリの外旋門賞へ出走します。」
楯さんのこのコメントを聞いたファンから大声援が巻き起こる
「おい、聞いたかよ 外旋門賞だとよ
ブリリアンスターならいけそうだよな
日本の馬はまだ勝っていないからな」
正式にDRAからパリの外旋門賞へ向かうため遠征するとホームページに掲載された。
今回日本から外旋門賞へ遠征する馬は2頭になります。
前回のドバイではドバイシーマCに出走された馬です。
距離が2410メートルのレースなので外旋門賞向きですね
遠征前の検疫入りも終わりまたもや貨物便にブリリアンスターと
乗り込みますが、同じく外旋門賞へ出走する
ガラントコンボさんも同じ便で出国します。今回は
ガラントコンボの調教師さんからお世話係りを任されたので
旅は道連れ世は情けといいますので仲良く行きましょう
ガラントコンボさんは、5歳馬で芝の中距離を専門に走られています。
昨年の宝記念では見事優勝した優秀な馬です。
今年の宝記念では残念ながらスターに遅れること2着でしたね
「天馬さん 今回もお世話になります。
前回のドバイでは、スターさんのお話と
先輩メテオプリズムさんのお話実に参考になりました。
ドバイで2着とれたのも天馬さん達の助言があったからです。」
「私も今年で引退なんですが、まあまあいい成績残せたので
馬主の話では、種牡馬になることが決まりました。
話を聞いているとドバイの2着が決め手だと言われたので
ほんとよかったです。」
「それじゃあガラントさんドバイで2着になっていなかったら
どうなってましたか?」
「地方へ行くことになってました。
賞金を稼ぐために慣れないダートを走らされるところでした。おそらく
地方へ行かされていたら100戦以上走らされて最後は処分されてました。」
まあ、よくある話ですね、地方競馬の競走馬は
中央に比べて走るレースが半端なく多い
100戦以上が当たり前で200連敗した馬も地方には存在した。
出走手当が出るため少しでもお金を稼ぐためと言われている
2000年前後の高知競馬で手当は6万円ほどと記録あり
ちなみに厩舎に預けると年間で130万円経費がかかります。
「さすがにスターさんに敵うと思いませんので
私は2着を目指して頑張ります。」
~フランス パリロンシャン競馬場~~
国により競馬場も違います。
レース前に毎回芝の手入れの時間があったり
騎馬音楽隊のパレードがあったりいろいろですね
日本の馬が外旋門賞で勝てない原因は芝の違いだと
いってた人がいましたがそれなら海外から遠征してきた馬が
G1で勝つのは日本の芝が海外の芝より走りやすいからなのかもしれませんね
スターには関係ありません スターはダートで足腰鍛えてますから
それにしてもフランスでも白毛のスターはまさしくスター扱いです
レースで走っている白っぽい毛色はほとんど芦毛の馬です。
ここまで寄り道しましたが、結論から言いますと
ここでもブリリアンスターは1着で勝利しました。
ガラントコンボさんも頑張りましたが、
フランスのダービー馬に最後抜かれて
惜しくも3着でしたが、調教師は満足な顔してましたよ
よかったですね、3着誇れますよ
パリで美鈴から頼まれたブランド品を購入して
また貨物機に乗り日本へ帰国しました。
帰国後検疫など
ガラントコンボさんの引退レースは、ジャパンカップだそうです。
ブリリアンスターは、ファン投票によりアリーナ記念に出走しますが、
このレースが引退レースになりそうです。
ただ楯騎手にも選択する時期がきたようです。
ブリリアンスターは、4歳で引退することになりました。
理由は次のお話で説明があります。




