ブリリアンスターの快進撃始まる

ブリリアンスター新馬戦の日時が決まった。

6月、東京５R距離は1800メートル。

来年の日本ダービー優勝を一応の目標にしてるので、距離は新馬戦から

短距離で挑まないことは最初から決まっていたことだ。

当初は夕日杯　G1を今年最後のレースにしようと考えたが

来年を見据え中山2000メートル　ホープステークス　G1へ向かうことにした。

ブリリアンスターの追い切りのあとに主戦騎手である楯さんと

話す機会があり以前から聞きたかったことを聞いてみた

「楯さんまだまだお若いですけど騎手の引退後はどうされますか？

やっぱり競馬関連のお仕事ですか？調教師とか？」

「そうですね、私も五十代ですからね

まだまだ現役でいたいのですが、落馬したときの怪我が

どうしても直りが遅くなりましたからね

でも後輩の指導もありますから体が動くうちは現役で頑張りますよ」

「引退後ですか、同期も既に引退して解説者とか調教師になってますからね

でも最近は、引退馬繋養牧場もいいかなと

思うようになりましたね。」

「天翔牧場のようにですか？」

「いいえ、天翔牧場は、別格ですよ、同じ牧場は日本中探してもありません

毎年のように優れた産駒をレースに出せる天翔牧場が特別なんですよ

競走馬は良血の馬を掛け合わせますけどだからといって良血馬がみんな

レースで勝つわけではありませんからね」

「セリで高額で落札されても新馬デビューできない馬もいます

何とか新馬戦を勝ちオープンクラスに上がり

3歳になったとしても日本ダービーで勝てる馬は、7千頭のうちで1頭だけですからね

そのダービー馬がここ最近天翔牧場の産駒なんですよ

だからですかね、最近騎手たちが牧場にボランティア活動に来てましたよね

彼ら彼女たちの目的は、顔見知りになって騎乗チャンスをもらうためですよ

まあ、真面目にボランティア活動が目的の騎手が大半だと願ってますけど」

まあ、確かに中央のレースは土日行われるため

牧場のボランティア活動は、平日のことだけど

中には騎乗予定がないからと週末の会員イベントに

参加してくれる騎手もいるからな

彼らの目的がお手付き馬だなんて思いたくない

「天馬さん、私の目標は、ブリリアンスターで日本ダービー勝つことです

引退後の話は、ブリリアンスターが引退してからでも考えますよ」

「そうですね、楯さんもまだ若いですからね　引退なんてまだ先のことですよね」

ブリリアンスターが引退したその日楯さんも騎手を引退すると決めていたとは、

俺はこの時は夢にも思っていなかった。

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6月新馬戦は、2着の牡馬に10馬身差をつけての1着で

観客も皆今後のレース純白の牝馬に注目することになる

ただの牝馬じゃない白毛の馬の伝説が始まる

オープンクラスになり次のレース9月札幌競馬場での2歳ステークスGⅢ、

1800メートルでも牡馬を寄せ付けることもなく優勝

11月に入り帝都スポ杯GⅡ　1800メートルも一番人気で

見事に優勝してウイナーズサークルでは

ファンの大声援に笑顔で答える盾騎手とブリリアンスターの姿があった

「お父様、物凄い声援で耳が痛いです。

耳栓お願いします。」

俺は苦笑いを浮かべてスターの可愛いい耳に耳栓をする

その姿を見ていた楯さんが、

「天馬さんそれにスターもG1で優勝したら

こんなものではありませんよ

中山では、１５万近いファンの声援に答えないといけませんからね」

さすが、楯さんは慣れている　

「スターあまりうるさいようならブリンカー付のメンコつけるか

　　覆面マスクで耳も覆うからうるさくないよ」

「お父様、わたくし　あまり頭の被り物が好きではないので

レース後の耳栓だけで我慢します。」

俺は、しょげているスターの口の中に飴を与える

この飴は、スターをイメージキャラにした

来年発売のクリームソーダ味で、

DRAの一押しの新商品になるのかな

「このクリームソーダ味美味しいですね」

飴のお陰で大人しくなったスターを見て楯さんは、

「天馬さん　スターはなんていってました？」

「メンコは嫌だからレース後は耳栓でいいそうです」

「スターに白のメンコも似合うと思いますけど

本人が嫌ならつけないほうがいいですね」

口取りの撮影も終わりトレセンへ戻る

今度は舞台を中山競馬場に移すことになる

数日前に行われた年末恒例中山　アリーナ記念G1で楯さんは優勝を飾った。

インタビューで次の目標はと聞かれて

2日後のホープステークスで優勝しますと答え

大観衆からも声援が沸き起こる

2歳馬の祭典　ホープステークスＧ１　距離2000メートル

アリーナ記念の翌日、各競馬新聞はブリリアンスター1番人気と紙面を飾り

レース当日もスターの雄姿を見ようと年末の忙しい中

中山競馬場には、徹夜組を含め１０万を超える大観衆が詰めかけた

観客のお目当ては当然１１Rのホープステークスでもあるが、

本日限定発売のスターのグッズがお目当てだ

各サイズぬいぐるみは、開店と同時に売り切れ

お客さんが落胆して店を出ようとしたところで入り口横に

来年新発売の商品特別に本日限定で発売しますと大きなポスターが目に入る

外装にはブリリアンスターをデフォルメした可愛いいイラストの

クリームソーダ味の飴の登場だ。

この飴を購入しようと売り場の前にも長蛇の列

『おひとり様限定2袋までですと注意書きが書いてある』

DRAの職員と警備員さんが列の整理に忙しい

問屋さんから届いた大量の段ボールの中身は、1時間で完売した。

レースのほうは、1番人気に押されたブリリアンスターが、

危なげなく優勝して最優秀2歳馬に選出された。

楯さんは、口取りのインタビューでブリリアンスターの

来年のレースを聞かれると

大観衆の前で、

クラシック3冠を目標にしますと答えた。

正月はのんびりしたいが、伊藤さんに呼ばれている