姉妹対決? 勝つのはどっち
ローズやプラチナに乗馬初心者を乗せる話は見事ぽしゃりました
お義父さんからダメだしされたからです。
乗馬クラブ用に調教されていない馬では負担がかかりすぎるので
やめた方がいいと念を押されました。
その代替案として佐藤牧場で乗馬クラブ用に調教されている馬を
週末貸してくれるそうです。これなら参加者が増えても対応できそうですね
何よりもローズやプラチナにも負担をかけることもなくなる
ホームページへのアクセスも順調に伸びている
馬たちの動画を毎日更新しているため
競走馬時代のファンの人たちが閲覧してくれるからだ。
そのファンの方のなかにも月会費は払えないけど
少しの額でいいならと寄付してくれる方がおられます。
少額でも感謝しますよ。少額でも馬の飼い葉になりますからね
ここ最近のプチ競馬ブームの再来でNPO法人にも
問い合わせやら寄付の申し込みが増加したそうです。
1頭でも処分される競走馬を救うため頑張リましょう
最近こんな出来事がありました。
天翔牧場で繋養している馬たちの動画配信をしていますが
チャコの上場主である松田さんからある日メールが届きました。
現在東京の息子さんのところで仲良く暮らしているそうで
チャコがデビューするのを心待ちにしていますと書かれている
俺は当初チャコを競走馬登録するつもりはなかったが、
騎手の横長さんからの助言と佐々木さんから勧めれたため
チャコがデビューしたいのであれば、条件付きで認めることにした。
条件は、2歳馬阪神JFで1着から1馬身以上離されたら
2歳で引退させるという条件だ。
俺がチャコのことを育成したとき感じたのは、
瞬発力があり、パワーもあるが、小柄な分スタミナがない
距離適性は、短、いいとこマイルでも1600メートルまで
脚質は、スタミナが消耗しやすい差しや追い込みではなく
先行か大逃げタイプと判断した。これは美鈴も奈々も同じ意見で
チャコはその性格から後ろからだと競争心がないため
どうしても差し切れないから
競走馬登録の期限まであとわずか 俺はチャコに尋ねた
「ねえチャコ チャコも来年2歳だけどデビューしたいかい
俺としては、チャコはこのままこの牧場で元気に
過ごしてくれればいいと考えているけど」
チャコは少し考えているそぶりを見せ最後は俺の顔を見て
「チャコは、産んでくれたママが走った競馬場のターフを走りたい」
「産んでくれたママか
メリーはチャコにほんとのこと教えたんだね
自分が育てのママで産んでくれたママは別にいると」
「ウンそうだよパパ、チャコにはね2人ママがいるの
産んでくれたママとチャコをここまで育ててくれて
甘えさせてくれた優しいママが、」
仔馬は、6か月ほどで離乳の時期になると母親から
半強制的に親離れさせられ育成牧場へ送られる
今回のチャコの場合は、あまりにも母親といる時間が
少なすぎて情緒不安定になっていたのを
メリーが我が子と同じように育ててくれたのだ。
メリーに感謝しなくちゃな
この牧場にいるローズのように競走馬になっても母親と
いっしょに過ごせる仔馬はほとんどいないだろう
普通ならば親から引き離すと二度と会わせないらしいから
「チャコが走りたいならパパは止めないよ
頑張ってママの走ったターフを駆けてくればいいよ
疲れたらここへ帰ってくればいいからね
楽しんでおいで」
その後チャコを競走馬登録をしてお義父さんに預けた
登録名は、チャコのままです。
しかし、姉妹対決だな。
メリー産駒のラベンダーライクとメリーが育てたチャコの
2歳馬での評価は、ダントツでローズの再来と言われた
ラベンダーライク、俺はライクとも約束した
必ず引退したらお前を引き取るからと
引き取る話は、ライクの馬主金山さんとも話がついてる
引退したら天翔牧場で繋養しますと
繫殖牝馬としてこの牧場に戻ってくる
その条件が、俺がライクを育成して馴致をすること
ライクは距離特性もローズとほんと似てるからな
3歳までなら同じ牝馬同士なら負けない
ただし、4歳になったらいい成績は残せない
なぜか? ローズは早熟で、ライクは超早熟だからだ
おそらく4歳になったらいいや違うな
3歳後半からは衰えていくだろう
ピークは樫の木賞あたりかな
チャコの調教を佐々木さんに依頼して俺は、レースの時のみ
同行することになってます。
牧場の関係であまり遠方まで行けないのでレースは、札幌が多くなる
俺はチャコの距離適性に適合するレースをチョイス
新馬戦は6月中旬地元札幌1200メートルで出走し逃げが決まり見事1着
オープンクラスに上がると重賞レースに出走できるので、
7月函館2歳ステークス 芝1200メートルで1着
8月新潟2歳ステークス 芝1600メートルで2着
11月東京 京王杯 芝1400メートルで3着
そしていよいよ12月阪神JF当日
パドックで久しぶりにラベンダーライクと再会した。
「ライク、久しぶりだね 元気かい」
「あ、お父様だ、ライク寂しかったよ 会いに来てくれないから」
チャコは別の厩務員に任せて俺はライクの側へ行くと
ライクが俺にすり寄り甘えてくる
パドックでこの様子を見ていた観客が、
「オイ見てみろよ ライクが甘えているよ 可愛いよな
厩務員としてあれだけ甘えてくれたらやりがいあるよな」
話を振られた若者がスマホを操作して
「あの厩務員の人ね、静内の天翔牧場の人だよ。
ライクのお母さんが繋養されている牧場の人だよ」
「確か、ライクの母親ってあれだろ、メリーローズ
年度代表馬エクセレントローズの母親」
天馬とライクの親子の会話
「ごめんねライク会いにいけなくて レース連戦してるけど
無理しないでね、今痛いところとかある?」
「別に今のところ大丈夫、調教師さんも厩務員さんも
優しくしてくれるし、ただ、お父様に会えないから
寂しいかな、」
俺は、ライクを撫でながら口の中へ
ライクの好きな飴を入れてあげる
「ウン、美味しいねイチゴ味だ。」
「あ、そうそう ライクのママから伝言でね
健康に気を付けていい成績残して引退したら
胸をはってママのところへ戻ってきなさい
ローズと待ってますからね だってさ
この飴もママからだよ」
目じりに涙を浮かべたライクが俺にすり寄る
「早く帰りたいなママのところへ
でもライク頑張るよ、ママに恥ずかしいところ
見せたくないし 妹のチャコちゃんにも負けないから」
「チャコもねライクお姉ちゃんには敵わないかもしれないけど
パパもママも応援してくれるから
姉妹対決楽しみだね」
姉妹対決。 チャコはこのレースで1着の馬に1馬身差をつけられたら
引退が決まる大事なレース
でもチャコに気負いはない だって相手がお姉ちゃんだからだ
レースがスタートしてチャコは得意の逃げてハナを取り先行
4コーナー抜けるまでは、1着をキープ
最後の直線大外から姉のライクが徐々に差を詰め
ゴール手前でかわされて1.5馬身差の2着で終わった。
この時点で、チャコは競走馬を引退することになった。
だが、姉のライクはそんなこと知らされていなかった
レース後。
「お父様、どうしてレース前に教えてくれていないのです」
「ライクに教えていたらゴール前でチャコを抜くの躊躇するからだよ
そんなことされてチャコやママが喜ぶとライクは思うの
勿論、そこで抜けない優しいライクはお父さん大好きだけど
3歳馬になったらそれでは勝てないよ」
「ライクお姉ちゃん、ありがとう やっぱりお姉ちゃん強いよ
チャコこれで未練残さないで引退できる
諦めることが出来たのは、ライクお姉ちゃんのお陰だよ」
「チャコごめんね、お姉ちゃん 3歳になっても負けないから
チャコの分まで走るから応援してね
そして引退して牧場へ戻ったらまた遊ぼうね」
「ウン、ライクお姉ちゃん 約束だよ」
こうして、2歳牝馬女王はライクが受賞した。
善戦したチャコの評価も高いが、俺との約束なので
佐々木さんは、諦めてくれた。
さあ、チャコ ママのところへ胸はって帰ろう
チャコは牧場へ戻り乗馬用の調教を受け
牧場では、小さなお子様の大人気になりました。
牧場のマスコットアイドルかな
二人のママがいるチャコは幸せですね、
ライクには3歳最優秀牝馬になってほしい




