表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/167

プラチナとマロンの仔馬は白毛の女の子

ここで天翔牧場の施設を簡単に説明します。


土地はお義父さんから購入した放牧地を利用します。


その敷地内には、自宅の建物と厩舎が並び

厩舎の横には馬用の温泉施設があります。

高齢の馬のためですね、最近は医療の近代化が進み

昔ほど温泉治療は行われないようです。


お義父さんの話だと引退馬繋養牧場には

寄付を募り運営に充てるところもあるが

乗馬クラブを併設して引退馬を活用する

ところもあるらしい。

一番多いのが観光牧場として会員を募り

宿泊施設を併設して馬と戯れることができる

癒し空間をサービスするところもある


敷地にも空き空間があるので美鈴と相談しながら

宿泊施設もいずれ検討しようと思う


美鈴と言えば今年からこの牧場の厩務員となり

七草奈々さんと2人で頑張ってもらいますよ


「天馬さん、馬バスで運ばれてきたの

プラチナシップですよね 名馬じゃ

ないですか 私ファンなんです」


「その前に到着した白毛馬はホワイトマロンだし

確かに引退馬ですけど両方とも

まだまだファンがいますよ

わたし、頑張ってお世話します 」


奈々さんのやる気も出たようですね

そりゃ牧場開設しても馬がいない日々が続いてましたからね


牧場の朝は凄く早い 牛乳配達の人か新聞の配達する人と同じくらいだろう


これは生産牧場や育成牧場の場合ですが、

天翔牧場でも例外ではありません


早朝 プラチナのいななきで目が覚める


自宅から厩舎まで廊下を歩いてすぐなので移動は簡単


高齢の馬のためにと冷暖房施設完備の厩舎内へ入り


まだ新品同様の廊下を歩きプラチナの馬房へ向かう


プラチナの隣の馬房はマロンさんの馬房で顔を出して

俺を元気に迎えてくれてます。


「あ、おはようございます マロンさん

よく 眠れましたか?」



「いえ、ちょっと興奮し じゃなくハイ眠れました。」



「プラチナ おはよう ごめんな 2度寝した

直ぐ準備するから 待ってろ」


「急げよ 走りたくてうずうずしてるからな」


俺は急いで乗馬服に着替え馬具を準備する


馬房からプラチナを出して鞍を装着などなど


手慣れたもんで人の手も借りず鞍上へ


「それじゃあ、マロンさん 散歩してきますから

朝食は暫くお待ちくださいね」


「ねえ、天馬さんはいつもプラチナさんと乗馬に

いっているのですか?」

 


「ここへプラチナが来てからは今日が初めてですけど

前からちょくちょくしてますよ」



それじゃあ、と言いながら天馬さんとプラチナさんは

牧場を後にしました。


「プラチナさんとのお散歩ですか

とても羨ましいですね

それにしてもメリーさんのお話ほんと

だったんですね プラチナさんとあんなに仲がいいのは

おそらく天馬さんだけですね」


「でもでも私にもチャンスはあります 放牧は同じ場所のはずですから」


朝食後の放牧では、プラチナさんと馬房を出るのは

同じでしたけど放牧地は別々でした。残念です


そりゃあ 少しは私も期待はしましたけど

現役の種牡馬と同じ放牧地に入れませんよね

種付けされると困りますから


「キャッ 種付けですか? プラチナさんとの仔馬

わたし、産みたいです」


翌日のことです


私は勇気を出して天馬さんにお願いしましたよ

同じ放牧地へ入れてくださいと


あの時の天馬さん笑ってましたから

きっとばれてましたね


そしてプラチナさんに勇気を出して告白しました


「好きです 私に種付けしてくださいと」


その日の夕刻 天馬は美鈴と奈々の3人での食事中に


「来年の春 もしかすると白毛の仔馬が生まれるよ」


「え、うそ あの二頭そんな関係なの

   でも 問題はないの?」


「プラチナの種牡馬の権利はまだ伊藤さんにあるけど

馬自体の所有権は俺に譲渡されているから

プラチナが勝手に種付けしても問題はないよ」


「それに榊原さんから頼まれたのはそもそも不妊症かも

しれないマロンさんの治療が目的だからね

これで問題なく受胎できていれば依頼も完了だよ」


それからまもなく獣医さんによる診察で

無事受胎しているのが確認できました。


榊原さんには事後報告になるけど

無事生まれるまでは安易に喜ばすわけにもいかないから


牧場を始めたばかりのこの年は周りの人たちにずいぶん

助けられた特にお義父さんの手助けがなかったら

繋養馬にも迷惑をかけていたことだろう


まだまだ新米の牧場主だけど引退馬を繋養するため

来年からは活動計画をステップアップする

新たな試みも模索するつもりだ


北海道の秋は短く冬は長い 馬たちは元気だが

雪が降りだすと暖かい厩舎に戻ろうとする


夏は、涼しく冬は暖かい快適な厩舎


マロンの子供も問題なく日々成長しているようだ

今の楽しみは何毛の色の子が生まれるのか

美鈴、奈々、俺で 賭けているが一番人気は

お母さんと同じ白毛の仔馬


新しい年を迎え この牧場に新しい命が生まれた


マロンが無事に健康な仔馬を生んでくれた。


仔馬は白毛の可愛いい女の子


「プラチナお前の娘だぞ」


それとお義父さんからの申し入れを受け

春からこの牧場へメリーとローズが入厩することになります。



まずは榊原さんに連絡だな


連絡を入れたら 翌日には飛んできましたね

文字どうりヘリで来ましたよ



「天馬さん どうして生まれるまで教えてくれなかったのです

預けてからマロンのことは頻繁に教えてくれてましたけど

不妊関連の話が出てこないのでやはり難しいのかと

諦めかけてました。それで仔馬は何処です」


「そんなに慌てないでください

馬房へ向かいながら説明しますから」


「昨年の春に受胎が確認できましたけど

今までのことがありますからね死産とか流産すれば

榊原さんきっとがっかりすると思い黙っていました

どうもすいませんでした。」


「そうですか、ご配慮に感謝します」


マロンの馬房の前で立ち止る


「それで、ここがマロンの馬房で仔馬もいっしょですよ

覗いてください」


榊原さんは、馬房の扉から慎重に中を覗く


「え、マロンの横にマロンがいる?」


「そうですよ、仔馬も見事な白毛の女の子です」


榊原さんは、感激のあまり 涙ぐむ


「天馬さん なんといってお礼を言えばよいのやら

ほんとにありがとうございました。

まさか マロンが白毛の仔馬を生んでくれるなんて

夢にも思いませんでした。」


まだ少し涙声です


「それでなんですが、種付けした馬は何処の馬です?」


「それはですね、うちの牧場で繋養している

プラチナシップが仔馬のお父さんです。」


「どうも昨年放牧したときに同じ放牧地に

入れてしまった時に種付けしたようですね

こちらの管理ミスですいません」


天馬の下手な演技を見て後ろでは美鈴と奈々が笑っています


牝馬が発情していれば牡馬は喜んで種付けしますからね

牝馬が発情していないと牡馬は悲惨な目にあいますよ


「それで、この仔馬なんですが、どなたの所有になりますか?」


榊原さんは、あいにくプラチナのシンジケートを購入していないので

誰かほかに所有者がいると考えています。


「お名前を教えて頂ければ直接交渉して私がこの仔馬を購入します。」


「ご安心ください プラチナの所有権は

私が持ってますので、榊原さんのご希望があれば

お譲りしますよここは生産牧場ですからね

庭先取引できます。」


「ほんとですか? それは助かります おいくらなら

譲ってくれますか? でも種付けがプラチナシップだと

産駒はすべて高額ですよね」


「そうですね、それでしたら マロンと交換でどうでしょう

 私も現役の時からマロンのことを気にいってましたから

 お譲りしていただけると嬉しいのですがいかがです」


「でもそれだとつり合いが取れないのでは

ないですか?」


「いいえ、榊原さんそれは違いますよ

価値観は人それぞれなんです

わたしは、マロンには同等以上の価値があると

考えてますよ。」


「天馬さんさえよろしいのでしたら勿論構いません

ほんとによろしいのですね」


「それでは、契約をしましょう」


引退した牝馬と生まれた良血馬を同等という天馬に榊原は、

この人も私と同類なのではと思った。


榊原さんが帰った後に美鈴は天馬に問いただす


「天馬、ほんとによかったの?」


「牧場主の娘として言わせてもらえばあの取引はイーブンじゃない

マロンが2歳馬でこれからの馬なら

まだ望みはあるけど既に引退した牝馬なのよ」


「そうか、美鈴は勘違いしているよ

俺は1円も使っていないよ

お金が動いていないならただでマロンを手に入れた

俺のほうが得をしたと思うけどな」


「それにマロンの仔馬が欲しいなら

来年も生んでくれるからね

俺はできれば両想いの仔馬を育成したい

と考えているから メリーの時と同じだよ」


なんか感動するいいお話に聞こえますが

もうすぐこの牧場へメリーと娘のローズが入厩しますよ

これはどろどろの昼メロの展開があるのかも



私は白毛の馬が好きです。育成ゲームでも白毛の配合難しいですから

なかなか仔馬が誕生しません

栗毛のメリーも好きだからプラチナには、頑張ってもらいたい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ