年末の晴れ舞台 ローズの運命は如何に
今回もレース内容は省略してます。誠にすいません
年が明けローズの3歳馬戦がいよいよスタート
会議で決まったレースの出走予定は、
3月の阪神競馬GⅡ 4月同じく阪神競馬でのさくら賞 5月樫の木賞ともにG1
会議で検討されたのは、樫の木ではなくここは、日本ダビーへ出走しようと
いう意見が出された。
どちらに向かうかは、さくら賞のあとで決めることになりました。
3歳牝馬と3歳クラシックの両方とも登録はしてあるので
どちらにも変更は可能
お義父さんからの提案
「私としては、一度も手にしてない日本ダービーの優勝盾が欲しいですね」
佐々木さんの返答は、
「今年の3歳馬の実力ではおそらくナンバーワンでしょう
その力は、前回の中山で証明していますから
他の陣営からのマークも厳しいかもしれませんがね」
「さくら賞は、親子制覇がかかってますから落とせません
五月賞は残念ですが回避するのでこの時点で
クラシック3冠達成は不可能です。
そして最後の菊川記念も距離が3000メートルなので
ローズには未知の距離で厳しいと判断しました」
「ローズが3歳最優秀牝馬を目指すなら最後の秋華賞取れば
さくらとの2冠でほぼ決まりでしょう
なので今年は、さくら、ダービー、秋華を取りに行きます」
佐々木さんの意見
「しかし、贅沢な悩みですね 樫の木もダービーも確実に取れる力があり
どちらを取るかで悩んだの私は初めてです
普通の牝馬なら迷わず樫の木ですからね」
お義父さんの総評
「4歳からは、楽に勝たせてもらえませんからね
今年は取れそうなレースを総なめしましょう
こんな機会は何度もないですからね」
ローズは明らかに早熟タイプなので
今年を境に徐々に衰えていくだろう
G1取るなら今年で最後かもしれない
そして3月 さくら賞トライアルレースでもあるGⅡレースで勝ち
さくら賞へ挑むがそこには、ローズの敵になる牝馬はやはり
不在だった。
ワタシオジョウサマが何とか善戦したが、それでも5馬身離しての1着で
無事に親子制覇を果たす。
他の陣営が、興味を示すのは次走はどこへ行くかだろう
樫の木かダービーか競馬新聞でも1面に活字が躍る
佐藤が記者の質問に答えた。
「勿論 日本ダービーへ向かいます」
この時点で牝馬の馬主は歓喜して牡馬組は戦々恐々となる
奴が来る。牡馬の晴れ舞台に牝馬が殴り込みをする
などと競馬新聞各紙が一面にエクセレントローズの特集を組む
「お義父さん だいぶ盛り上がってきましたね
今年は、いつもと違いスター性がある人気の牡馬不在ですからね
日本ダービーを牝馬で取るなら今年はチャンスです」
「天馬クンの言うとうりです。
今年はどこもエクセレントローズ一色で
対抗馬だとかライバルの文字すら出てきませんからね
DRAも宣伝が大変らしいですよ
宣伝ポスターも牝馬はエクセレントローズがいるから
まだましですが、牡馬のレースは日替わりで1着が
変わってますからね」
「今年の日本ダービーのポスター見ましたか
エクセレントローズしか馬がいませんあとは大きな文字で
あの牝馬が東京競馬に殴り込み
「ローズが必ず勝つ」なんて
エクセレントローズの宣伝にしかなりませんよ」
「そこは、DRAも大変なんですよ
集客力がある馬がエクセレントローズだけなんですから
それでもお客は来ますよ、ローズの晴れ舞台を見に」
ちなみに樫の木賞は、ワタシオジョウサマが1着でした。
そして満員御礼の府中東京競馬場
開場午前9時だが開場前には徹夜組1万人を含め
15万を超える大観衆が競馬場へ集結
DRAの営業は、ほくほく顔 馬券売り上げも好調
グッズ販売は、エクセレントローズ関連商品は
大量に入荷したはずが即完売で店員もお疲れ気味
肝心のレースですが、無難にエクセレントローズが勝ちました。
お義父さんは、優勝の盾を手にして泣いてました。
日本ダービーは、全馬主の夢で最大の目標ですからね
「パパ、頑張ったけど 疲れたよ~」
疲れた原因は、レースではなく
周りの牡馬からのラブコールです。
「ローズの姉さん 是非俺に種付けさせてくれないか?」
「ローズ君に俺の仔馬を生んでほしい。」
セクハラで告訴しますよ
このレースが終われば、静内で秋までのんびり過ごせる
この時俺は感じていた。 やはりピークは今年だと
「お義父さん ローズは今年で引退させましょう
日本ダービーは勝ちましたけど
今がローズのピークです 後は落ちるだけです。
秋華賞は、相手が牝馬なので有終の美は飾れます」
「天馬クン 君も佐々木と同じ意見のようだね」
「なあ、佐々木 そうだよね」
「さすが天馬クンもよく見てますね
調教師のワタシから見ても今がピークです
来年からは繫殖牝馬でいいと思います。
調教師としては、まだ勝ちたいG1はありますが
今の成績で十分です。欲をかくとろくなことがありません」
「わかった。公表は来年年明けにするから
このことは内密で頼むよ」
休養をはさみローズは秋華賞トライアルの
ローズSを勝ち秋華賞へ出走
ローズの対抗馬ワタシオジョウサマが善戦も
3馬身差で逃げ切り勝利を掴む
この時点でエクセレントローズは最優秀3歳馬の栄冠をほぼ手中に収めた
俺たちは、静内へ戻った。
この後のレースは予定にないからだ。
牡馬ならファン投票で出走がほぼ決まるアリーナ記念が残っているが
3歳牝馬でそのレースへ行くのは有り得ない選択それが常識とされている
ローズも今は、母親とのんびり過ごしている
来年からは繁殖牝馬生活頑張ってくれよ
12月に入り俺は、牧場の開設準備を始めた
もう建物も外観は整い内装工事に入っている
今年のアリーナ記念ファン投票1位は、やはりダントツで
エクセレントローズだ多くのファンは
ローズが出ないことはわかっていたが、
内心は出てほしいとの願いで1票を投じた。
DRAから出走できますかの問いにお義父さんは、
笑顔で無理ですと即答した。
ローズは、一応体が鈍るので軽めの調教は
しているがやはり体の切れがない
これではレースに出ても最悪怪我をする
競馬新聞でもエクセレントローズファン投票ダントツ1位
だが、出走は断念の文字が書かれている。
焦る DRA営業部 今年のアリーナ記念は、観客動員数は過去最低
になるとの報告を受け 宣伝と営業担当は、一路静内の牧場へと向かう
エクセレントローズの出走をお願いするために
担当者とお義父さんとの話し合いは長期戦に入る
「そこを何とかお願いしますよ、勿論リスクは承知してます
DRAも全面バックアップしますし、獣医も万が一に備え待機させます
保険もかけて佐藤さんに損はさせません 出走手当は特別に
○億用意します。佐藤さんお願いしますよ
競馬界のために是非力をお貸しください」
※人気のG1では投票権の売り上げは○○〇億はくだらない
ローズが出走すれば手当の〇億なんてオマケみたいなものだろうか?
ただし今回は見事に損害賠償金を佐藤さんへ支払うことになりました
「わかりました。私も一人の馬主としてDRAの役に立ちましょう
ただし、出走するのに条件を付けますが
よろしいですかな?」
「勿論です、それでどんな条件でしょうか?」
「そんな難しい条件ではありませんよ
出走するだけで着順を問わないなら出走します
ようするに出走するけどビリでもいいよねと言うことです。」
DRAもその条件に難色を示すも幹部の了承も取り付け
エクセレントローズの出走が正式に決まる
しかし、この決断がローズの運命を左右することになるとわ
佐藤はまだ知らない
次回 アリーナ記念でローズに何かが起こる




