ローズG1馬になる
年末まで忙しいスケジュールの中 見事なペースで勝ち進み
無敗のまま年末の阪神競馬G1 阪神JFに挑むエクセレントローズ
ローズの実力に恐れおののくほかの馬主は、阪神JFに出走するのを回避
次回出走を牡馬牝馬とも出られる阪神FSか中山のHPSに変更する陣営が
目立つようになってきた。
下馬評でも今年度の2歳女王はローズで決まりだから
他の陣営は3歳馬戦で勝負の構えを見せているとのこと
阪神JFの競馬新聞各紙みなローズガチ本命予想で
対抗馬は阪神が地元のワタシオジョウサマのワンツーで決まりと
一面を飾っている
ローズの調子も夏から好調を維持しながらG1制覇に向かい
軽めの調整で本番を迎える
阪神JF開催日 メインレースパドック
「ローズさんお久しぶりですね」
『あ、オジョウサマさん こんにちは
今日のレース よろしくお願いします
お互い頑張りましょうね』
馬番が1番と2番なので二人並んで周回している
「今日のレース ローズさんに内枠取られてしまいましたが
私も地元開催で意地を見せますわ
何とかあなたに食らいついてゴール前で差します」
『あ、そのことですけど 今日の作戦は
追い込みですので4コーナーまわるまでは
後方にいますので、頑張って逃げてくださいね』
普通は相手に悟られないように作戦内容を公表しませんが
ローズはどんな状況からでも大丈夫なので
競争相手でも作戦をばらします。
唖然とする黒毛美少女のオジョウサマ
「さすが私が認めたライバル 作戦をばらすなんて
普通しませんのよ ちなみにこちらの作戦は
前回同様先行で勝負しますわ
なのであなたが追いついてくるまでにゴールします」
出走時間がせまり各馬騎手が騎乗してターフへ
2頭の会話はすべて天馬が聞いているので美鈴にも当然
「美鈴、ワタシオジョウサマは、今日も先行で行くそうだ」
「は~ ほんと毎回のことであきれますけど
天馬のその能力チートすぎます
相手の作戦がわかれば勝つのも容易いですよ
いうほど簡単ではありませんけどでも有利なのは事実です」
「美鈴、最後の直線ですべての馬を追い抜く
今回の作戦は2000メートル戦を意識しての作戦だから
まあ、ローズのスタミナが切れることもないから
観客がどよめくところ見てくればいいんじゃないかな」
「はいはい、わかりましたよ スタートで出遅れぎみで
後方へ下がるのあまり好きではないけど
ゴール間際で相手を鼻差で差し切るの私好きよ」
『ねえ、パパ 飴ちょうだい』
「いいけど何がいい 」
『今日はね大人のクールミント飴にするよ』
俺は飴をローズの口の中へ入れてあげる
ローズの綺麗な目がショボショボする
ミントの効果です~とするのか
見ていて楽しい
「ローズ勝てば2歳女王だよ」
「ウン 勝ってパパとママに褒めてもらうの」
「勝ったら ご褒美に遊んであげるからね」
「それと美鈴G1 2勝目おめでとう」
「バカ まだ早いわよ でもウイナーズサークルで待ってる」
たとえ1着でもルールにより審議になり
降着や最悪失格の場合もあるからな
美鈴とローズのコンビなら斜行なんてしないから
あとはほかの騎手からの妨害で落馬しなければ大丈夫。
※ フラグではないから何もおきません
「各馬ゲートイン完了です。」
ガシャン
「スタートしました。」
ゲートが開き各馬が問題なくターフへ走り出すが、出遅れた馬がいる
「おっと1番エクセレントローズだけが出遅れた~」
客席とモニター前の客からどよめきとブーイングの嵐
この時点で勝ち馬投票券を撒いたやつがいた。
気持ちはわかるけど、勝負は下駄を履くまでわかりませんよ
「2番 ワタシオジョウサマが先行でハナをとる」
先頭はワタシオジョウサマで変わりなく最後尾まで10馬身ほど
阪神の4コーナーへ
「1番エクセレントローズは、まだ後方のまま
各馬4コーナーをまわり直線へ」
「ワタシオジョウサマが馬郡を抜け出し
現在1番手で馬郡を引き離しにかかった~」
「ゴールまであと200メートル
先頭は変わらずワタシオジョウサマ」
「おっとここでエクセレントローズが、大外から
馬郡に追いついてきましたが、間に合うのか」
「いや、追いつくどころかそのまま物凄い速さで
馬郡を抜き去りワタシオジョウサマに迫る
あと2馬身、いや半馬身、並んでかわした~」
『オジョウサマさん お先に失礼しますね』
「え、貴方いつのまに」
「エクセレントローズがゴール前で見事な末脚を見せ
差し切りました~ 2歳女王は、エクセレントローズ」
「おめでとう、ローズさん見事な追い込みでした。
今度こそ完敗ですね 貴方なら牝馬3冠も夢じゃないわ」
『ありがとうございます。オジョウサマさん
また 来年お会いしましょうね』
掲示板には審議のランプは点灯していない
確定の表示がされる
「うわ~ なんちゅう 末脚 」
「スタートミスしての豪快な追い込みだな」
「いや、あれはミスじゃないよ わざと後方に待機して
最後の直線で差し切る 横綱相撲じゃないか」
「その戦法はまさかあの名馬と伝説の騎手の作戦と同じか」
「そうだよ、エクセレントローズは
来年の日本ダービーの予行練習をしていたのさ」
「でもエクセレントローズは牝馬だ
目指すは樫の木賞だろ」
「こりゃ来年の3歳クラシック荒れるかもしれん」
俺もお義父さんとウイナーズサークルでローズの
撮影に参加している
「ローズおめでとう よくやったね
さすが 俺の娘だ」
俺は引綱を持ちながらローズを労う
「パパ、約束だよ 後で遊んでね」
「勿論だよ ローズが眠るまで遊んであげるよ」
「美鈴、お疲れ様 作戦どうりだね
それとG1 2勝目おめでとう」
「競馬新聞の記者にもいったけど
すべてローズのおかげ
私はその走りを邪魔しないように跨っていただけ
今回も最後のスタート合図をしただけね」
「美鈴 勘違いしないでよ、その合図が肝心なんだ
ローズではそのタイミングがわからないから
今日の主役は美鈴で間違いないよ」
天馬が通訳し
「ありがとう その一言で救われるわ。
それに今年のレースはまだあるしね」
普通の牝馬は、来年の春まで長い休養に入るが、
ローズには最後の大一番が残っている
それは、中山のHPS賞 牡馬牝馬混合G1レース芝の距離2000メートル




