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夢はハリウッドでギャラを稼ぐこと

シラユキとミゾレの活動は順調だ。知名度も向上しDRAの仕事以外にも

お呼びがかかることも徐々に増えてきた。


今日もテレビ局の番組の担当者がわざわざ牧場まで足を運んで来てくれる

もともとのきっかけは、DRAでの仕事の際にテレビ番組のインタビューを

受けたのがきっかけだそうでなんとあの国営テレビの大河ドラマへの出演オファー

が来るかもしれないのだ


来年公開予定の大河ドラマは、戦国武将を題材にしたドラマで

シラユキとミゾレの役は、主役の幼少期の愛馬の役と家臣の騎乗する

愛馬の役で史実の戦でも白毛は目立つので鹿毛の牡馬を使う予定だったが

主役の大御所俳優の一声で白毛馬に決まったそうだ。


今の技術を使えばCGとかで誤魔化せばいいと思うが監督はリアルを

追求したいそうで気に入る馬を動物専門の施設を見て回ったらしいが

人間の言葉をリアルタイムで理解できる馬に出会えなかったとのことで


たまたまテレビ番組でシラユキとミゾレのことを知り

面談に来るそうだ。


監督と担当者の方をシラユキとミゾレとこへお連れし

オーディションが行われる


といっても俺がシラユキとミゾレに指示を出しそれに対しての

反応が見たいらしいから度肝を抜いてやろう


「シラユキまずは後ろ肢で立ってくれ」


シラユキは俺の言葉に即反応し立ち上がる


「お~素晴らしい」「驚きました。」


おお監督の評価もいいな それじゃあ


「シラユキとミゾレそこへ寝転んでくれ」


「今度は○○してくれませんか」などと監督からの要望を聞く

それと他の動物タレント事務所では難しいと言われたシーンの話へ


ドラマのシーンで怪我をして歩けなくなった主人公を

馬に騎乗させ屋敷へ帰っていくシーンがあるが

出来れば合成でもCGでもなく普通に撮影がしたいらしく

馬が怪我した少年の襟首を咥え鞍へ乗せるシーンを撮りたいと


要はシラユキが少年を咥えミゾレの背の鞍へよいしょっと

乗せればいいらしいので本番用の人形を用意してもらい

シラユキにお願いしてみた


※あまり重いものを口に咥えるのは難しいと思うので

 ここはあくまでもフィクションとご理解ください


シラユキは人形をひょいと口に咥えそのままミゾレの

鞍の上に置いた


皆さん啞然としてますがうちの子賢いので

これぐらいたいしたことではありません


おれは、


「監督さん どうですか」


呆然と見てましたが我に返り


「素晴らしい 私の思い描いたシーンが撮れそうです

 相良さん どうかシラユキさんとミゾレさんの出演許可を

 よろしくお願いします。」


頭をさげる監督さん


「こちらこそよろしくお願いします」


まあこんな感じで2頭の大河ドラマの出演が決まった。


ドラマ撮影 2頭の出演シーン


主人公の子供役と護衛の家臣と共に馬に乗り散策に出かけた

そこへ敵の武将の配下が現れ若君を亡き者にしようとする

家臣たちの奮闘で相手の賊は討伐されたが代償はおおきい

若君は足を怪我し自力で馬に乗ることは出来ず


家臣は若を守るため殉死してしまった。

途方に暮れる若君をそっと口に咥え相棒の馬の背に載せ

馬たちは夕日を背に自らの意思で屋敷へ戻っていった


このドラマが配信されると世界中で話題になった

まあそのほとんどが


いやあれは特撮か馬の中に人がいた

など半信半疑状態だった。


まあ そのおかげで2頭への依頼も増えて稼いだ額も

重賞レースの賞金に手が届くくらいになってきた。


「あのドラマ見てハリウッドからオファーが来たらいいのに」


とふと口にしたときスマホが震える


電話に出ると相手は映画会社のエージェントだった。


話しの内容は今企画している映画が牧場を舞台にした

コメディ映画で当初は馬は全てCGアニメで撮影しあとで

俳優にアフレコする予定だったが監督が例のドラマを見て

シラユキとミゾレに興味を持ち一度実物を見てみたいと

いったとのこと


話しはとんとん拍子で進み監督の前で演技を見せた翌月には

検疫を済ませた2頭とともに特別機でアメリカへ旅たった。


映画はアメリカの生産牧場のお話で競り落とされなかった

馬が偶然厩務員の話でメキシコの精肉業者へ売り飛ばされると

聞いてしまった所から話が始まる


※アメリカでは馬肉は食べないようです

 食用は牛さんですから その代わり野球のボールは

 牛革でなく馬の革です だからボールが滑りやすいと

 聞いたことあります。馬油有名ですね


売られないように自分たちは牧場でも有益な存在だと

思われるため牧場主の喜びそうなことをする

まあいろいろやるが空回りするのがコメディ映画で

ある日牧場主と厩務員の不在を狙い仔馬を盗もうと泥棒が現れる


それをいろいろと妨害をして最後は御用となり

牧場主から褒めらると言うお話だが実は馬の勘違いで

馬たちを引き取りに来るのは精肉業者ではなく日本の馬主だった。

アメリカで活躍できる馬はダート馬が多いためターフが得意な2頭は

日本人が購入したと落ちが付く


撮影は無事に終わり日本へ帰る三郎とシラユキとミゾレ

数か月後映画は全世界で公開され人気も上々2頭にも取材がきた


アカデミー賞にもノミネートされ全世界で有名になった2頭を

見ようとホースパークも連日満員御礼で支配人も大喜びだ。


そして念願の報酬額は、軽くG1勝利2勝分となりシラユキとミゾレは

馬の国での永住権を手に入れた。


「さあ、次のスターは君だ」


三郎の真の目的は中央未勝利で引退する馬たちの就職をお世話することだ。



 






まさにアメリカンドリーム

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