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安奈編 馬の神様の使徒にわたしなりました

このお話はフィクションです。

和馬が亡くなって十数年後の話です

『は~どうしましょう』


珍しくため息をついていたのは馬の国の神様だった


ため息の原因は和馬の後継者問題


和馬が馬の国へいって早十数年 神の使徒は未だ不在のまま


いろいろな国を巡り候補者を探してはいるが合格水準のハードルは高く


未だ決めかねている状況だ。


条件的に必要なことは馬を愛してくれること


家庭崩壊は避けたいので馬房で毎日寝泊りまでは強要はしません


馬に寄り添える人材が好ましい 金に目がくらみ使徒の特典でもある


念話を悪用し金策に励んだりして私腹を肥やす悪人は問題外


その点 天翔天馬さん相良和馬さんは最高の逸材でした


神さまの合格基準はこの両名になるが副官さん曰く


「神さま ハードル高すぎませんか? それでは候補はみな

落選しますよ もう少しハードル下げませんか」


でも神様としていずれ馬の国へ招くならできるだけ

ハードル下げたくないと考えていたため

使徒が不在のまま いたずらに時は過ぎていた


だがしかし神さま遊んでいたわけでもなく候補者はいた


その人物は誰なのか?


神さまはこの世界へ降臨する際に必ず訪れる場所がある


その場所とわ 北海道苫小牧にある牧場で厩務員見習いとして


働く一人の可愛いい少女 名前は相楽安奈12歳だった


この少女は和馬の娘明菜の生んだ子供で麗華の孫である


容姿は日本人よりも欧米人に近く麗華に似ている


親子で町を歩けば観光旅行で北海道を訪れた観光客と思われるらしい


彼女が今世話を任されているのは繁殖牝馬のショコラだった


現役でG1を2勝した優秀な繫殖牝馬で今は妊娠中であり


生まれれば初の産駒になる


「は~ 安奈ちゃん いつ見ても可愛いいですね 癒されます

この先彼女は事故で死ぬまで大病にかからず大きな怪我も

しませんからね 2分くらいでいいので意識を失う機会があれば

そこで彼女と使徒契約が結べるのですが...」


と人の不幸を願ってしまうほど深刻だった


※ここでこのお話で登場する人物だが


メインヒロイン 相良安奈 和馬の娘 明菜の子供

和馬の両親と紫苑のご両親ともにご健在で今はホースパーク内の住居で隠居生活

麗華は天翔牧場の責任者として牧場を切り盛り

娘の明菜は獣医として天翔牧場で勤務 旦那さんはDRAの元同僚でお婿さん

榛名はホースパークの紫苑の元で旦那さんと次期支配人を目指している

お子さんは女の子が一人で安奈より1つ下名前は愛華


ほかにも伊藤牧場の娘とか同級生の幼なじみが登場します。


安奈は馬房の掃除が終わるとショコラを連れて放牧へ出かけた。


季節は暦の上では春だが北海道では3月でも雪は降る

この日も前日に雪が降り積雪は50センチほど


それを上から見てた神様


『そういえば本日 放牧地へ向かう際に安奈ちゃん 怪我をしますね

まあ 大したこともない擦り傷と打撲程度ですが

ただ重要なのは転んだ拍子に2分ほど意識を失ったはずです』


『数分後 意識を取り戻しそのまま何食わぬ顔で放牧へいって

牧場へ帰宅したときお母さまにしかられることになります

服も泥だらけで怪我してますからすぐバレますよ』


そうとわかれば先回りしましょうか


神さまが何やら変な動きをしてますが安奈とショコラはいつもの道を


仲良く歩いていました。


軽トラ1台が通れる道幅ですが昨日の雪と圧雪された固めの雪が混在してるため


下手をすると滑って崖から落ちる危険性も否定できません


安奈がふと振り返った時に偶然にも安奈の右足が新雪ではなく圧雪を踏んだ


瞬間滑りバランスを失い崖のほうへ転倒してしまいました。


「あ、しまった ショコラも危ない」


安奈はとっさに手綱から手を放しショコラを道ずれにするのは


避けられました。


崖といっても沢までの高さも2~3メートル前後で雪が積もっているので


落ちてもせいぜい打撲か擦り傷でしょうか


まあ普通ならすぐさま起き上がるところですがどこか頭でも


ぶつけたのか安奈は気を失ってしまう


『チャンス到来です』


悪い笑みを浮かべた神様が動きます。


『さあ 時間はあまりありませんよ 

まずは安奈さんの治療が先ですね

打撲と擦り傷を治療してついでにサービスで虫歯も

治療しましょう それと防寒服はクリーニングして...

さあ これでよし 安奈さんを起こしましょうか』


ここは神様が創造した異空間です


『安奈さん 大丈夫ですか? 起きてください』


「うううう ここはどこ ショコラは大丈夫

 綺麗な牝馬...貴方は誰ですか?」


目を覚ました安奈の目の前には凛々しいお姿の馬の神様が


『あ、えっと怪しいものではありません

相良和馬さんの知り合いです

馬の神様と世間では言われております。』


安奈はこの発言で


「あの有名な馬の神様ですか?

わたし 一度お会いしたいと思っていました」


神さま


やっぱり いい子ですね それじゃあ本題に入りますか


『じつはあなた様にお願いがあります。

宜しければ 私の使徒になってくれませんか?

報酬はでませんが特典として馬たちと念話で話せるようになります

それとこれは強要ではありませんが死後の世界で馬の国へ行くことが

できるようになりますが いかがでしょう?』


久しぶりのプレゼンでしたが安奈さんの反応は如何に?


「わたしをどうか使徒にしてください」


え、質問もなしで即答ですか? そんな素直な子は私は好きですよ


『ありがとうございます。 それでは細かい契約内容について

ご説明しますね あとこの契約はクーリングオフは適用されませんが

よろしいですか?』


安奈


「はい、大丈夫です 」


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


神さまは満足気な表情で天へお帰りになり安奈さんはショコラの元へ


「安奈 安奈 大丈夫?」


ショコラからの念話で目が覚めた安奈


「ショコラ ショコラなの?」


ショコラ


「あ、ほんとに念話で話せるんだね 良かった

怪我もないようね それじゃあ 放牧地へ行こうよ」


ショコラにも神様からお告げでもあったようで


安奈は起き上がりショコラへ抱き着く


「嬉しい これからショコラといつでも会話できるんだ」


安奈はショコラにせかされ放牧地へ向かいそこでも

ショコラと沢山はなせた安奈は上機嫌で牧場へ戻り

その日の夕食を食べ終わりのティータイム


ソファーには父親を除き祖母の麗華と明菜が座り

お茶を飲んでいると安奈から爆弾発言が


「ねえ、お母さん おばあちゃん 」


「どうしたの安奈 今日何かあったの?」


「うん まあ大したことないけど

わたし馬の神様の使徒になったよ

ショコラと話せて最高だよ」


麗華、明菜はその話を聞いて飲んでた紅茶でむせた


「え、ごほん ごほん あ苦しい」


「安奈 あなた馬の神様にお会いしたの?

どこで なんで どうして」


2人とも疑問やらで混乱してます


そして安奈は昼間のことをかいつまんで説明した。


麗華


「安奈の説明でもなぜ安奈が使徒に選ばれたのか理由はわからないけど

天翔牧場にとってはこんないいことはないわね

和馬の後継者に安奈が選ばれたなんて奇跡よ 神様に感謝して

安奈も馬頭観音様にお参りするのよ」


明菜


「そうね 念話が使えれば馬の病気や怪我の治療にも

役に立つわね 明日から安奈にも新たにお仕事を

お願いするわ馬たちの問診お願いね」


安奈


「うん わかった 楽しみだな」


馬たちと会話ができると知り安奈はとてもうれしそうです。


翌日から安奈は天翔牧場の厩舎とホースパークの厩舎を巡回して

明菜と馬たちのカルテを作成した


明菜


「今のところ 健康状態に問題がある繋養馬はいないようね

すごく安心したわ 安奈 ありがとう」


それから数日後の午後 場所はファミレスの特別席

パークの関係者用で間仕切壁があり防音にもなっている


メンバーは、麗華と紫苑 明菜と安奈の四人


馬の神様案件の関係者はほかに和馬の両親と榛名とその娘がいるが

この席にはいない


理由は死後の世界では馬の国へ行かないと宣言し

今の世界での輪廻転生を選択した人たち

まあ強制するつもりは麗華にも紫苑にもないので寂しいけど

しかたがないこと


「ねえ、お母さん 頼んでいい?」


メニューを見て明菜へ問いかけるが


「話しが終わってからね それよりあれ持ってきた?」


「勿論だよ はい これ」


安奈はテーブルの上へ1通の封書を置いた


その封書を麗華が手に取り宛先とか差出人を確認し


紫苑へ無言で手渡した その手は震えていた


紫苑は麗華から封書を受け取り


宛先は紫苑と麗華宛で差出人は相良和馬と明記されていた


封書の材質とデザインは日本製に類似しているが


その封書が生前和馬が使用していた封書でないのは紫苑も麗華も


見てすぐにわかった それじゃあ これはいつ書かれたものか?


「ねえ 安奈ちゃん この封書だれから預かったの?」


安奈


「寝ているときに馬の神様から 就任祝いですと渡されました。

最初夢かと思っていたら 朝起きたら枕元にこれが

ありました。」


明菜


「取り敢えず まず開封して中を見たらどうですか?」


紫苑と麗華


「そうね 見ないと始まらないわね」


慎重に開封し中の便せんに目を通した二人の目には

涙が浮かんでいた


数分後便せんを丁寧に封書へ戻し明菜と安奈へと視線をむけた

麗華と紫苑の顔は泣き笑いだった


少し落ち着いた麗華が


「手紙の内容は和馬から私たちへの謝罪と報告ね

馬の国での日常生活のこととか馬たちの調教の様子

それと文の最後は馬の国で再会できる日を楽しみに待っていると

書かれていたわね 安奈ちゃん ありがとう あなたのおかげね」


安奈


「いえいえ わたしは使徒になっただけですから」


祖母から感謝され謙遜する安奈


明菜


「ねえ 安奈将来は何がしたいの? 母さんは安奈の希望を尊重するし

応援するわよ それが牧場以外の仕事でもね」


安奈


「お母さん わたしも今悩んでいるの 中学卒業までに答えを出す

つもりだけど進学の問題もあるから」


明菜


「そうね 悩みなさい 安奈には職業の選択肢は無限にあるわ

たしか幼稚園の時の夢はCAか声優だったのよね

小学生になってからは厩務員の仕事頑張ってくれているけど

母さんは強制しないから自分で決めなさい」


安奈


「もう お母さん わたしは牧場から離れないよ

だから牧場の仕事するよ 今悩んでいるのは

厩務員かそれとも獣医になるか考えているの

弥生おばあちゃんが小さいころ話してくれた

念話ができる獣医師にも憧れているしね」


明菜


「そっか 念話ができる獣医師か 母さんも憧れていたわ

今は安奈がいてくれるから問診も問題ないし

治療もスムーズになっている 以前とは雲泥の差だと

痛感してるわ やっぱり会話は大事ね

ただ安奈が進学して札幌か東京へいっちゃうと

少し心配ね」


安奈


「お母さん わたし高校と大学は札幌へ行くけど

もちろん毎日家から通学するよ

朝はショコラの世話もあるしね」


※この当時DRもバスも路線は廃止されてますので

 札幌へ行くとしても苫小牧からDRへ乗るか

 自家用車以外での通学は困難だと思われますが

 このお話はフィクションです


明菜


「アパートか学生寮から通うんじゃないの?

それは大変よ」


安奈


「お母さん ヘリで通うよ」


麗華、紫苑、明菜


皆さん 唖然とします


麗華


「確かに牧場所有だけど燃料代とか経費の問題とか

それとヘリポートはどうするの?

たしか空港とか民間ヘリポート以外着陸できないでしょ」


安奈


「まあね それでパイロットの神田さんと栗原さんに相談したらね

ここから丘珠空港へ行くなら経費は今以上にかからない

と言われたの昨年までは、点検整備と給油は新千歳で

やっていたけど今年から丘珠空港へ変更になったからって

丘珠なら地下鉄もバスもあるから通学できるよ

最悪学校のヘリポート使えるし直接登校できるよ」


※航空法第79条ではヘリポートは警察、消防、自衛隊、ドクターヘリ

 以外は使用できず 民間のヘリポートのみ着陸できます


このお話はフィクションです。 天翔牧場のヘリはドクターヘリにもなれます


明菜


「安奈 よく調べたわね じゃあ安心ね

話しも終わったから 好きなもの頼みなさい」


安奈


「やった~ じゃあ ジャンボバケツチョコパフェ」


バケツのパフェは安奈一人で食べれずみんなで食べました。














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