もしも白毛の馬と出会っていたら　カノンの活躍とそれ以外

カノンのデビューの時きたる

身内贔屓かもしれないが牝馬の同世代に敵はいない

牡馬ならソラシド産駒の木戸さん所有ホワイトプリンスくらいだ

おそらく同じ土俵で対戦するのは来年の日本ダービーだろうか

この勝負あちらに悪いがカノンが勝つ

カノンには悪いが今回から俺はトレセンでいっしょに居られない

可愛いい娘に泣きつかれたがどうか我慢してほしい

パパは牧場経営が大変なのだからね

ただ当然レースには帯同するし競馬場で同じ馬房で寝るのは

カノンからの交換条件だ

新馬戦の前日　東京競馬場の厩舎では

俺はカノンと同じ馬房で寝袋・シュラフの準備をしていたところ

近くの馬房のお姉さんがこちらをみてる

お姉さん牝馬

「ねえ　新人ちゃん　厩務員さんと仲がいいのね

みてて羨ましいわ」

カノン

「どうも初めましてお姉さん　パパとカノンは仲いいよ

トレセンでいっしょできないの残念だけど」

お姉さん

「へえ～厩務員さんのことパパと呼んでるんだ」

カノン

「パパは私のママとソラシドママがいるの

ママたちの旦那様だから　カノンのパパなの

これからもず～といっしょで馬の国いってもいっしょなの」

お姉さん

「へえ　珍しいわね　今でもママといっしょの厩舎なの？

それにママたちの旦那様ってそのひと人族よね」

カノン

「パパは特別なの　私たちと会話もできるの

それに馬の神様に認められた使徒様だよ」

和馬

「こら　カノン使徒のことは内緒だよ

お姉さん　すいませんがここだけの話でお願いします

それと俺は天翔牧場の相良和馬といいます

カノンのことよろしくお願いします」

お姉さん

「ご丁寧にどうも　わたしジュピタードールといいます

驚きました　まさかほんとに念話できるんですね

それに使徒様と知らず大変失礼しました

ええ　他言はしませんわ」

このお姉さんは有名な牝馬でなんと３冠牝馬でした

明日の重賞レースに出走するみたいです

その後お姉さんとの会話も弾み

優秀な牝馬なので是非引退したら

牧場へ来てほしいと嘆願した和馬でした

ジュピター

「引退したら　牧場でお世話になりますね」

そしてレースは新馬戦と函館での2歳ステークスを連勝し

年末の阪神競馬場での阪神JFへ出走し難なく勝利しG１馬になったが

カノンのレースは終わりではない

来年の皐月賞には出走しないが年末のアリーナ記念の下見の意味もあり

ホープフルステークスへ挑む

プリンスは既に阪神FSを勝利して放牧へ出されているので対戦は

来年へ持ち越しになる

このレースもカノンの末脚がさく裂し見事最優秀２歳馬に選出された

カノンお疲れ様　さあ来年も頑張ろう

年明け

新年を迎え　シオン　ソラシド　グレイの出産とミソラの種付けもあり

春まで大忙しだった

カノンは春の桜賞まで牧場でのんびり過ごし戦いに挑む

３歳になったカノンには牝馬では相手にならず２着に３馬身差で勝利

さくら賞を勝利し競馬ファンのあいだで論争が巻き起こる

カノンの次戦は樫木賞かそれとも日本ダービーか？

プリンスも皐月を制しダービーへ向かうが

木戸さんもカノンの動向が気になるのかよく牧場へ来ていた

佐藤さんと咲夜さんの夢と希望を胸にカノンは日本ダービーへ挑む

前日の東京競馬場の馬房では

仲良しの親子が馬房でイチャイチャしている

それを横の馬房で見てるプリンスが

「相変わらず仲いいですね　母さん達も焼き餅焼くでしょう？」

カノン

「ママたち二人の公認だからいいの

それと明日はカノン負けないよ」

プリンス

「カノンは確かに３歳馬でも強いと思うけど

僕とはまだ対戦してないからね

明日のダービーは僕が勝利するよ

勝って引退後は種牡馬になって牧場へ凱旋するよ

母さんとの約束なんだ」

カノン

「へえ～　ソラシドママとの約束なんだ

でもね　カノン負けないよ」

この２頭下馬評ではプリンスが有利とされていた

オッズでは１番人気がプリンスで２番人気がカノンだった

お互いの脚質はプリンスが母親譲りの先行で

カノンは差しが得意だ

そしてレースの枠順は

１枠１番がプリンスでカノンは大外の１８番だった

カノン

「まあ大外でも最後の直線で捲れるから関係ないよ

プリンスはカノン相手にどこまで逃げ切れるかな

カノン楽しみだな」

プリンス

「母さんとの約束を果たすため僕は勝利するんだ」

そして満員御礼の東京競馬場で

カノンは首差でプリンスに勝利した

ウイナーズサークルでは

佐藤さんと咲夜さんは目標達成して歓喜の声をあげている

俺はカノンを撫でて褒めていた

「偉いぞカノンさあ秋まで牧場でのんびりしようね」

カノン

「パパご褒美は毎日添い寝だよ」

「．．．」

こうして和馬は娘との約束を守り秋の秋華までカノンの馬房で

寝泊りしたのであった

負けたプリンスは意外と落ち込むことなく

秋の菊の花では先行逃げ切りで勝利し

アリーナ記念も勝利したのであった

プリンスはこの勝利で種牡馬になれるだろう

カノンは秋華で勝つとアリーナ記念を回避して牧場で休養

４歳になると春の大阪杯からビクトリアマイルに出走して

エリザベート王女杯へ　そして年末のアリーナ記念で

有終の美を飾り惜しまれつつ引退し繁殖牝馬になった

そして５歳で引退したプリンスはどうなったか？

当初馬主の木戸さんが出資してる牧場で繋養すると

考えられていたが事業拡大するため馬主を引退し

その資金捻出のためプリンスの売却を和馬に打診して

和馬はそれを了承した

なので天翔牧場には現在２頭の種牡馬がいる

ソラシドの馬房の隣はミソラとプリンスが仲良く生活してる

当然この３頭での写真集も発売した。

その年以降も天翔牧場産駒の躍進は止まらない

数十年後まで続いたのであった