表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

123/167

白い子の続編 ミソラと再び 完結編

すいません ついつい続編を書いてしまいました

ソラシドが天翔牧場の繁殖馬になって2年目


木戸さんとの約束も守り ソラシド産駒の牡馬を


適正価格で譲り渡した。 もうこれでソラシド産駒を誰にも渡すこともなく


俺が育て愛しむことを阻む馬主もいない ※なぜここまで惚れ込んだ


夢とは違いソラシドの怪我は競争馬としては現役を引退するほどの怪我では


あったが母さんのおかげで完治しているので繫殖活動には支障ない


あれから俺とソラシドとの関係も良好でシオンとも仲良く厩舎暮らししてる


※シオンと仲もいいがどちらが正妻なのかという戦いは継続中


俺はあの夢を正夢にするべくミソラプロジェクトを立ち上げることにした


そうあの幻の白馬伝説を正夢にするための壮大な計画だ


肝心の種牡馬だが不思議なことに伊藤牧場で繋養されている種牡馬の中に


あのヘカトンケイレスが実在した 夢の中で出会った馬と同じで


戦績も性格もよい馬だった 面会して確かめたので間違いはない


生産牧場として白毛の馬が生まれる可能性が0.04%であるのは知っている


ソラシドの親は葦毛牡馬と鹿毛牝馬なので突然変異で生まれた偶然の産物だ


葦毛の馬にはあのプラチナシップとホワイトマロンの血が受け継がれていた


「俺はこの手でミソラをもう一度抱きしめたい」


妄想にふける和馬を見て呆れるシオンとソラシド


ソラシド...「和馬の妄想癖相当なものよね そこまで白毛にこだわることも

ないじゃないの 私がいるのに 私じゃ満足できないの?」


シオン...「そうよ 白いのはソラシドだけでいいでしょ?

もともと和馬は尾花栗毛の牝馬第一主義のはずでしょ」


和馬我に返り2頭の牝馬を見ながら優しい目をする


「まあ、確かにそうだけど 俺は可愛いいミソラをもう一度

この手で抱きしめたいんだよ」


両手を握り空を見上げる和馬に対し


シオンとソラシド


「もう 名前も決めているし」


...シオンとソラシドの2頭だけの内緒話...


「ねえ、シオンもしもほんとに白毛の牝馬が生まれたら

和馬のことだから馬房に入りびたりして毎日寝泊りするよね」


「そうね もちろんそれだけで飽き足らずその仔馬を甘々に溺愛して

朝から晩まで抱きしめている姿が今から目に浮かぶわね」


そしてその子もいずれ和馬を好きになりパパと呼ぶ


「えへへ パパはもう ミソラだけのもの」


シオンとソラシドに悪寒が走る


うううう。寒気がする


「でもさ ソラシド そんな和馬も私見てみたいな

焼き餅もきっと焼くけど 和馬の笑顔をまじかで見たいな」


「それはまあ 否定はしませんけど 娘に旦那様を取られるのは

勘弁してほしいですわね」


シオンとソラシドの見解


「私たちも今まで以上に和馬に尽くして愛されるように努力するしか

 ないわね」


健気に和馬に尽くす決意をした2頭の牝馬たち季節は廻り


ヘカトンケイレスが種付けをした翌年 ソラシドは無事に仔馬を出産した


ソラシドの馬房では


生まれたばかりの仔馬を和馬は抱きしめ甘やかしていた


その光景をソラシドは和馬の傍で寄り添いシオンは馬房の扉の外から


覗いていた。


「まさか 和馬の執念恐ろしいわね ほんとに白毛の産駒が生まれるなんて」


「生んだ私も驚いておりますわ そして今のこの状況にも慣れてしまいました」


和馬は2頭の予想どうり産駒が生まれるとほぼ毎日ソラシドの馬房で


寝泊りしている 呆れた紫苑と麗華が夜 強引に連れ戻すとき以外は


和馬は仔馬に寄り添い添い寝をしている


仔馬も和馬の愛情に応えるように授乳以外の時を和馬と共に過ごしている


ソラシドの危機感


「これはもう 娘に寝取られましたわ」


シオンの思いは


「白い子はまだいいよ 和馬がいつも近くにいるから まだましよ

私にも産駒生まれたけど牡馬だから 今は紫苑さんと麗華さんが

面倒を見てますがあの子が哀れです」


自分の子をほっぽといてソラシドの馬房にいるシオンも人のこと

言えませんけどね


今年の種付けはしないで2頭とも休養です


白い子の仔馬.. ソラシドの産駒は和馬の溺愛によりすくすくと成長し


半年過ぎても親離れしないまま同じ馬房で仲良く生活しています


馴致も順調に進みいつでも育成牧場へ送り出せる状況ですが


和馬は毎日付き添い育成を手伝う毎日を過ごす


ちなみに仔馬の名前ですが当然 ミソラに決まってます


生まれた当日に和馬が声をあげ命名しました


『君の名は 今日からミソラだよ』


念話なので当歳馬にも伝わり


「ミソラ.. それが私の名前 パパありがとう」


俺への呼び方はどうもパパで定着したようで

ソラシドのことはママと呼んでいる


シオンの産駒は当歳馬としてセレクトセールへ出品しました


彼の今後の活躍に期待しましょう


余談になります


ソラシドとその産駒のミソラを放牧に出すようになり


向かい側のホースパークではその光景をみるため来場者が増えました


白毛の母と子が2頭で草を食む姿 なごみますし見事に映えますね


そして順調に馴致と育成も始まりデビューのためミソラは美浦のトレセンへ


旅たつ日が来ました


馬バスを見送る繋養馬と厩務員たち


馬バスを運転する光秀さんがミソラを後部ゲートから乗せ固定作業をする


シオンはソラシドと仲良く並び娘の門出を祝う? 和馬は何処かな?


「あ~あ やっぱりね」 「こうなると思っていたわよ」


2頭はあきれ顔で和馬をみる


和馬は既に馬バスに乗り込み光秀さんの手伝いをしながらミソラとじゃれ合う


そうですね 夢とは違い和馬は当初からミソラに付き添いトレセンへ


行くことになってますよ


ミソラも母親ではなくその目は和馬だけを見ています


まさにハネムーンに出かける新婚夫婦を見送る姑役のシオンとソラシド


【白い子に】娘に旦那を寝取られたと呟く2頭の牝馬に哀愁が漂う


そして和馬たちを見送る紫苑と麗華2人の妻と2頭の愛馬には


いろいろな感情が渦巻いていた


牧場を出発してフェリーへ乗り換え本州へ上陸一路美浦のトレセンへを目指す


その間 和馬とミソラの間には誰にも入れない空間が存在した


甘やかしながらも娘の躾けをする和馬とそれを素直に受け入れ和馬に好かれる


努力をする可愛いいミソラ もうこのふたりは離れることはないだろう


イチャラブしながら楽しい移動も美浦のトレセンへ到着し終わりを迎え


さあいよいよミソラの戦いが始まる


ただいつもと違うのは佐々木厩舎に預けないでソラシドの元厩舎である


中田厩舎へ預けることしたことだろう


和馬たちは中田厩舎の中田調教師と厩務員の方々が見守る中後部ゲートから


1頭の白い子 ミソラを中田さんへお披露目する


周りからもどよめきがおこり


「相良さん これは天翔牧場で拝見したときよりも

またたくましくなって見事な馬体ですね」


和馬も娘を褒められ自信満々の笑顔をみせミソラを撫でながら


「そうでしょう 自慢の娘ですから ほかの2歳馬には負けませんよ」


ミソラもパパに撫でられ嬉しそうに頭を上下に動かす


中田調教師がそうでした紹介しますねと連れて来たのは


「厩舎所属の鳳翔聖歌です 経験も少ない新人ですが

才能もあり優秀なのでミソラの主戦騎手にしますので

相良さん よろしくお願いいたします。」


ほら君も挨拶しなさいと言われ

かわいらしい容姿の娘さんが和馬の前で一礼をし


「相良さん 初めまして 新人の鳳翔聖歌と言います 

若輩者ですが頑張りますのでどうかよろしくお願いします」


鳳翔さんは今年で3年目の新人だが1年目で60勝した優秀な騎手です


「相良和馬です ミソラのことよろしくお願いします

成績は気にしませんが一つだけお願いしたいことがあります」


真剣な顔で和馬を見る聖歌に


「けっして無理はさせずに娘を私の所へ連れて帰ってください」


和馬は聖歌に頭を下げた


競走馬を娘のように大切に思っている和馬へ 聖歌もお辞儀をし


「娘さんを必ず 相良さんの元へ無事にお返しします

どうかわたしを信じてください」


和馬にもわかっている 競馬には絶対はない 事故は起こる

それでも 願わずにはいられない


念話で和馬の気持ちが伝わったのかミソラが和馬に寄り添い

甘える仕草をする


和馬もミソラの頭を優しく撫でながら


「ミソラ けっして無理はするな 必ず俺のところへ帰ってくるんだぞ」


和馬と中田との会合で決められたこと


路線としては牝馬3冠を目指すがダートの特性も良好のため


3歳以降はダートレースにも出走することになった


その後どうなっているのか?


ミソラは和馬に褒めてもらうためレースも頑張りましたよ


2歳と3歳で最優秀牝馬に選ばれ4歳でドバイワールドカップで1着になり


その年の外旋門賞では惜しくも鼻差で2着の成績を収め


惜しまれつつも4歳のアリーナ記念で引退しました


引退後はソラシドの隣の馬房で母親と父親と仲良く繫殖活動をしています


ミソラこれからもよろしくね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ