イラストレーターさんも戦っている(挿絵あり)
ちょっと前、第13話で『ラノベの表紙はイラストレーターさんの戦場』と書きました。
書籍化、うれしいです。
けれど販売サイトや書店に並んだとたん、本は厳しい競争にさらされます。月に何十冊とラノベの新刊が出て、なろうでもランキング上位にいる人気作品、有名作品が勢ぞろいです。
なろうでも目立たない無名の新人作家が書いた本など、その中でどれだけ戦えるでしょう。読まれるどころか、本を手にとってもらうことすら難しいです。
『書籍化されたらたくさんの人に読んでもらえる』
みなさんはそう思うかもしれません。
けれどスター選手でもない私の現実は、『自分の作品がいかに読まれないかを知った上で、気力をふりしぼって次の原稿を用意し、ひとつひとつ積みあげるように本を売る』です。
まぁ、長編を書くぐらいですから、コツコツやるのは向いているのです。
そんな私に手を貸して一緒に戦ってくれるのが、イラストレーターのよろづ先生です。
最初は断るつもりだったそうです。
けれど話がきて試しに読んだなろう版『魔術師の杖』4章までを、徹夜して一気に読み切り、それで「話を受けることに決めました」と言ってくださいました。
「徹夜するほど面白かったです。表紙は読者さんを物語へ招きいれる扉です。力を尽くします」
書籍化までは個人の戦い、本はチーム戦です。作家も戦いますが、イラストレーターさんだって、編集部だって戦うのです。
今回、2枚のイラストをお借りしてきました。
1枚目のイラストも優しいタッチで、ネリアが可愛くて大好きですよ?
本当に大好きです。
でも2枚目、これ見た時「やっぱりよろづ先生も2年半戦ってきたんだ……」と思いました。
転載の許可はよろづ先生よりいただいていますm(_)m
2021年5月にいただいた『魔術師の杖①』発売記念イラスト。
2023年11月に描かれたもの。
……この変化、凄くないですか?
ベースは変わっていない、ちゃんとネリアだって分かるし、どちらも間違いなくよろづ先生の絵です。
まるでキャラクターに魂が宿ったみたい。
もともと上手な方で、デッサンのしっかりした絵を描かれます。ラノベの表紙が初めてだっただけで、ずっとイラストレーターとして活躍されてきた方です。
いや、1巻の時だって「持てる力をすべて出し切りました!」とおっしゃられて、じゅうぶん綺麗な表紙を描いてくださいましたよ。
『魔術師の杖』が成功したのも彼女の表紙があったおかげです。
けれど「新しい塗り方にチャレンジしてみました」って……どんだけ進化するつもりなんですか!
本当に真面目な方で、いつも何かしらコツコツ努力されているんです。
「私はプロのイラストレーターとしてやっていくには個性がないので、技術を磨きました」
いや、すごいからね?
あなた、本当にすごいからね?
個性だってあるじゃないですか!
「本を読んでいただけたなら良かったです。表紙は客寄せパンダとなれれば、それでいいと思っていますから」
……よろづ先生、格好良すぎでしょう(T_T)
どんな世界でもプロとしてやっていけるのは、努力を当たり前のようにできる人間です。
これだけ上手なのに毎回反省して、いろいろと工夫して……彼女なりに2年半、ネリアたちに真剣に向き合ってくれたんです。
長編を書くのは本当に大変で、もしかしたら1~2巻で終わる話をいくつも書く方が効率いいのかもしれない。なろうのランキングだって沈みっぱなしです。
けれど苦労して2年かけて7冊本を出し、絵を描き続けてもらったこと、それはムダではなかったし、プロのイラストレーターとして生きる彼女の、ちゃんと血肉になっていると思えます。
とても嬉しいです。
そしてそれが出来るようにしてくれたのは、本を読み、いろんな形で応援してくれた読者さんたちです。
本当に感謝しますm(_)m
ありがとう!
苦しかった。戦うために小説を書き始めたんじゃない、私は楽しく書ければそれでいいのに……って。
けれど彼女がこれを出してくるんなら、私だってその先をいく。
こんなん見せられたら、やるしかない。
文章も負けていられませんね。気合……入れ直します!!!
本7冊出したらさすがに疲れた。ファンレターは届かないわ、本業も忙しいわ、体調は崩すわ、もうやる気出ない……そんな時に気晴らしに書き始めた『とりあえず何か書く』。
最初はこそこそ、でもなぜかひだまりのねこ様主催『集まれエッセイ企画』に参加することに。
いろんな作品に出会って読んで、粉雪ひと皮むけたかも。最後のほう、めっちゃ集中してキーボード叩いてた。
書いてよかったし、参加して良かった。ご一緒した皆様に心からの感謝を。
そろそろ執筆に戻ります。
気が向いたら『魔術師の杖』も読んでやってください。
お読みいただきありがとうございました!





